シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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教育学演習(2)/教育学演習(2)(8) | 2024 | 通年 | 火4 | 文学部 | 濵谷 佳奈 | ハマタニ カナ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-ED3-N802
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
哲学教育の実践とその課題について、「Philosophy for Children(P4C/子どもの哲学)」が掲げる「民主的な社会の実現」は教育とのいかなる調和の下で可能になるのか、という視点から考察する。
前期・後期を通じて上記の課題を追究すると同時に、P4Cだけでなくヨーロッパ、とくにドイツとフランスの初等・中等教育に見られる哲学教育の試みについても検討する。
ただし、受講生と相談の上、内容を変更することがある。
科目目的
哲学教育の実践から得られた知見を検討することによって、教育における対話、思考、探究の可能性について考察することができる。
ゼミでの文献講読と発表、討論を通して、各自の研究に必要となる方法論と、自身の研究課題を見出すための思考方法を修得する。
到達目標
教育における対話、思考、探究の意義と課題について、哲学教育の実践による知見を踏まえて批判的に考察することができる。
ゼミでの文献講読と発表、討論を通して、自身の問題関心と研究テーマを明確にすることができる。
授業計画と内容
<前期>
1. オリエンテーションー本授業の進め方
2. 哲学は教育のための道具か?――ラディカルに問い合う哲学の実践としてのP4C 1)
3. 哲学は教育のための道具か?――ラディカルに問い合う哲学の実践としてのP4C 2)
4. 子どもの哲学と「包摂的転回」――民主的な社会の実現のために 1)
5. 子どもの哲学と「包摂的転回」――民主的な社会の実現のために 2)
6. 哲学対話を通した道徳教育――いじめを抑止するP4Cの実践
7. プラグマティズムとコレクティフ
8. 人の相互作用と経験により創られる対話――p4c Hawai'iにおける理論の検討 1)
9. 人の相互作用と経験により創られる対話――p4c Hawai'iにおける理論の検討 2)
10. 探究の共同体における認識的不正義とファシリテーション
11. 学びの「機能」から「作用」へ――学びの構造を転換するための探究カリキュラム 1)
12. 学びの「機能」から「作用」へ――学びの構造を転換するための探究カリキュラム 2)
13. 総括討論①ー教育を通じたP4C理念の再検討(振り返り討論)
14. 総括討論②ー教育実践とP4Cの対話(振り返り討論)
<後期>
1. オリエンテーションー後期授業の進め方
2. 学校と社会との協働における対話空間の創出――「立ち去る人」としての学芸員 1)
3. 学校と社会との協働における対話空間の創出――「立ち去る人」としての学芸員 2)
4. P4Cは学校カリキュラムに何をもたらすか――IAPCプログラムの再検討 1)
5. P4Cは学校カリキュラムに何をもたらすか――IAPCプログラムの再検討 2)
6. 「良い社会科」を追究する教師をいかに育てるか 1)
7. 「良い社会科」を追究する教師をいかに育てるか 2)
8. ヨーロッパの哲学教育 ドイツ 1)
9. ヨーロッパの哲学教育 ドイツ 2)
10. ヨーロッパの哲学教育 フランス 1)
11. ヨーロッパの哲学教育 フランス 2)
12. 哲学教育と市民性教育 1)
13. 哲学教育と市民性教育 2)
14. 総括討論ー子どもの哲学が描く民主的な社会(振り返り討論)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 期末レポートの内容に基づいて評価する。 |
平常点 | 50 | 発表内容、ディスカッションへの参加、毎回のリアクション・ペーパーに基づいて評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaを用いる。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
1. 小玉重夫監修、田中伸・豊田光世編『対話的教育論の探究ー子どもの哲学が描く民主的な社会』東京大学出版会、2023年。
<参考文献>
1. M. R. グレゴリー、J. ヘインズ、K. ムリス編、小玉重夫監修『子どものための哲学教育ハンドブックー世界で広がる探究学習』東京大学出版会、2020年。
2. ローラント・ヴォルフガング・ヘンケ編集代表『ドイツの道徳教科書ー5、6年実践哲学科の価値教育』(濵谷佳奈監訳)明石書店、2019年。
3. 濵谷佳奈『現代ドイツの倫理・道徳教育にみる多様性と連携ー中等教育の宗教科と倫理・哲学科との関係史』風間書房、2020年。