シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 演習1 | 2026 | 通年 | 火5 | 経済学部 | 八田 幸二 | ハッタ コウジ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
※選考方法は経済学部事務室が公開する情報をご確認ください。
<履修条件>
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テーマ:「現代の政治・経済思想―政府の果たすべき役割をめぐって」
このゼミでは、現代の政府の果たすべき役割に関する問題を「数式」や「グラフ」を使った経済理論ではなく、私たちが日常使用している「言葉」で表現された「政治・経済思想」を通じて検討していきます(近年では、新自由主義や福祉国家に関する書籍や、ゼミ生の多数を女性が占めていることもあって、偉大な自由主義者J.S.ミルの『女性の解放』を検討しました)。
毎週の授業では、テキストを輪読形式で検討して議論を行ないます。また、授業のための資料を収集することに困らないように図書館の利用に関する講習会も設定しています。そして、統計資料の解析ができるようになったり、Power Pointを使用してテキストの内容報告ができるようになるためのパソコン講習会もゼミの時間に設定しています。なお、毎回のゼミでは、ゼミ生の人数を考慮して、一人だけに負荷がかかり過ぎないようにしながら授業を進めていきます。
科目目的
政治・経済思想の歴史を理解するとともに、その政治・経済思想の歴史と現在の政治・経済の諸問題とを有機的に関連づけて、それに対する自分なりの考えをもつことができるようになることがこの科目の目的です。また、その自分なりの考えを自らの言葉で論理的に述べることができるようになることもこの科目の目的です。
到達目標
上記の目的を達成するために、具体的には以下の到達目標を設定します。
【演習1】文献の輪読授業を通じて、以下の目標を達成します。
○全員が間違いを気にせずに臆することなく発言し、討論に参加できるようになること。
【演習2】討論・プレゼンテーション原稿の作成の準備として、関連文献を精読することを通じて筋道を立てて物事を考えられるようになること。
【演習3】演習論文の作成を通じて、以下の目的を達成します。
①演習論文の執筆を通じて、3年次に養った筋道を立てて物事を考える力を基礎に、論理的な思考方法を身につけること。
②他者の演習論文に対して原稿段階からコメントすることを通じて、単なる非難ではない鋭い批判的能力を身につけること。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
2年次には、ゼミナールでの学習に慣れるために入門的なテキストから読み始めていきます。また、より良いプレゼンテーションの原稿をパソコンによって作成することができるようになるためにパソコン講習会に参加します。そして、図書館講習を受講することでゼミでの学習のために必要な資料収集の仕方も学んでいきます。
【演習2】(3年次)
3年次には、2年次の基本的な文献の学習によって得た知識を基により本格的な専門書や論文を輪読するとともに、ゼミ生の皆さんと相談のうえで他大学の学生と討論を行なう大会へ参加することを目標にその準備(テーマ設定、Power Pointによるプレゼンテーションの原稿作成、外部機関(民間企業や公的機関など)でのインタビューやフィールドワーク)を進めていきます。そして、専門書や論文を読むことによって得た知識に基づいてそれぞれの興味関心に沿った演習論文のテーマを決めていきます。
【演習3】(4年次)
4年次(後期)には、3年次に設定したテーマに基づいて演習論文の執筆を進めていきます。演習論文の執筆のためにどのような参考文献を読むべきなのかといったことや論文の構成をどのようにすべきなのかといったことについて教員がアドバイスをしていきます。
【演習1・2・3】の各授業では、具体的には以下のような項目にそって現代の市場と政府をめぐる政治・経済思想、そして、福祉国家論などについて学んでいきます(ただし、使用するテキストによって、あるいは授業の進度やパソコン講習会の回数などによって変更が生じる場合があります)。
【演習1】(2年次)
<前期>
〇テキストの輪読と討論、パソコン講習会や図書館講習の受講
1.顔合わせとゼミでの学習方法について
2.Word講習会(レジュメ作成のために基本的な操作を習得する)受講(いずれかの授業回と変更の可能性あり)
3.Excel講習会(経済データ分析のための関数およびデータベース)受講(いずれかの授業回と変更の可能性があります)
4.Power Point講習会(パソコンで報告原稿を作成できるようにするため)受講(いずれかの授業回と変更の可能性があります)
5.図書館講習(講読が必要な文献や資料へのアクセスを容易にするための図書館での講習会ないしオンライン講習)受講(いずれかの授業回と変更の可能性があります)
6.福祉国家とは何か
7.福祉国家以前
8.福祉国家の誕生
9.福祉国家1.0
10.福祉国家1.0の多様性
11.福祉国家1.0の問題点
12.新自由主義と福祉国家2.0
13.経済学の成立と貧困の発見
14.前期の総括
<後期>
〇テキストの報告と討論の継続
15.ポスト工業社会への移行―福祉国家3.0へ
16.なくてはならない福祉国家
17.重商主義の時代―貧困と救済―
18.スミス―文明社会における労働貧民の境遇―
19.ベンサム―安全で幸福な社会の構想―
20.J.S.ミル―社会の漸進的改良―
21.経済学の革命と社会改良
22.シジウィック―アートとしての経済学―
23.ジェヴォンズとエッジワース―功利主義的社会改革思想―
24.バジョット―民主主義と世論―
25.ワルラス―完全自由競争と社会主義―
26.マーシャル―労働者階級の向上―
27.20世紀型福祉国家への模索
28.後期の総括
【演習2】(3年次)
<前期>
〇テキストの報告と討論の継続
1.ピグー―厚生の経済学―
2.ホブソン―異端の経済思想―
3.ウェッブ夫妻―国民的効率とナショナル・ミニマム―
4.ヴェブレンとコモンズ―制度学派と良き社会論―
5.福祉国家の誕生
6.ケインズとベヴァリッジ―福祉国家の合意―
7.シュンペーター―不況と企業家精神―
8.ポランニー―社会の自己防衛から福祉国家の哲学へ―
9.新厚生経済学―科学としての経済学―
10.福祉国家批判を超えて
11.ミュルダール―北欧福祉国家と福祉世界―
12.ハイエク―福祉国家と自由社会―
13.フリードマン―福祉国家アメリカの批判者―
14.前期の総括
<後期>
〇テキストの報告と討論の継続および討論会の準備
15.ノージック、ロールズ、セン―リバタリアニズムとリベラリズム―
14.エスピン=アンデルセン―福祉国家の正当化と類型化―
17.資本主義、社会民主主義と福祉国家1―産業主義、近代化と社会民主主義―
18.資本主義、社会民主主義と福祉国家2―政治経済学と福祉国家―
19.資本主義、社会民主主義と福祉国家3―新しい社会運動と福祉国家―
20.福祉国家の起源と発展 1880年~1975年
21.先進福祉国家における矛盾と危機
22.福祉国家は曲がり角にきたか
23.討論会のテーマについて
24.討論会における報告の内容について
25.演習論文への取り組みについて
26.演習論文のテーマの報告(履修者の最初の半数)
27.演習論文のテーマの報告(履修者の残りの半数)
28.後期の総括
※状況に応じてインナー大会やインター大会などの討論会へ参加しない場合には、授業の予定が変更になる可能性があります。
【演習3】(4年次)
<前期>
〇可能な限りで、月に1程度の顔合わせ
<後期>
〇演習論文の内容報告と討論、執筆
1.演習論文の研究課題の設定について
2.演習論文に関する文献の収集と演習論文の書き方について
3.演習論文の研究課題とプロットの報告(履修者のうち最初の半数)
4.演習論文の研究課題とプロットの報告(履修者のうち残りの半数)
5.演習論文の各章の要旨の報告(履修者のうち最初の半数)
6.演習論文の各章の要旨の報告(履修者のうち残りの半数)
7.演習論文の前半部分の草稿の報告(履修者のうち最初の半数)
8.演習論文の前半部分の草稿の報告(履修者のうち残りの半数)
9.演習論文の後半部分の草稿の報告(履修者のうち最初の半数)
10.演習論文の後半部分の草稿の報告(履修者のうち残りの半数)
11.演習論文の完成原稿の報告(履修者のうち最初の半数)
12.演習論文の完成原稿の報告(履修者のうち残りの半数)
13.演習論文集の作製について
14.授業の総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間内における討論は指定したテキストの範囲の内容を把握していることが前提となりますので、必ず事前に読み込んでから授業に参加するようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 50 | 提出されたレポートにおいて課題文献の内容が正確に把握されているか、そして、文章が論理的に構成されているかといったことを評価の基準にします。 |
| 平常点 | 50 | 平常点は、授業への取り組み態度によって評価されます。 |
成績評価の方法・基準(備考)
【演習1】
レポート課題 50%
授業への取り組み態度 50%
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業で読み進めるテキストや参考文献は、初回授業で受講生と相談して決めたいと思っていますが、参考までに以下のものを候補として挙げておきます(テキストや参考文献は初回授業以降に決定しますので、予め購入はしないでください)。
〇J.S.ミル『女性の解放』,岩波書店,1957年。
〇T.H.マーシャル『シティズンシップと社会的階級』岩崎信彦ほか訳,法律文化社,1993年。
〇D.ガーランド『福祉国家ー救貧法の時代からポスト工業社会へー』小田透訳,白水社,2021年。
〇A. ヴォール『福祉国家の興亡』渡辺雅夫訳,こぶし書房,2013年。
〇C. ピアソン『曲がり角に来た福祉国家ー福祉の新政治経済学ー』田中浩ほか訳,未来社,1996年。
〇D. ハーヴェイ『新自由主義ーその歴史的展開と現在ー』渡辺治監訳,作品社,2007年。
その他特記事項
毎回のゼミ授業における討論やプレゼンテーションの成果として、加入時にはシャイだったゼミの先輩たちの多くは、厳しい「就職活動」をくぐりぬけて、銀行員や証券マンといった職に就いたり、公務員や教員に採用されたりしています。自分のことを「大人しく」、「引っ込み思案」だと思っている皆さん、是非、この八田ゼミで一緒にがんばりましょう。