シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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財政学 | 2024 | 前期複数 | 月3,木1 | 経済学部 | 関野 満夫 | セキノ ミツオ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-EA2-01XX
履修条件・関連科目等
履修条件は特にないが、「日本経済史」、「西洋経済史」、「社会政策」、「社会保障論」、「公共経済学」など関連科目も履修することによって「財政学」の講義がより理解しやすくなる。また「財政学」の発展科目としては「地方財政論」、「租税論」があり、これらを履修することによって、財政学をより深く学ぶことができる。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
財政とは、政府という公権力体(国家・自治体)による経済活動(租税・公債による資金調達、公共サービスの提供)の総体を表します。現代の経済社会は、政府の財政活動はなしでは円滑に機能することはできません。財政学は、現代経済社会におけるこの財政の役割と課題を考える学問です。この講義では、財政学の伝統的体系に基づき、現代財政の理論、制度、現状を説明します。また、資本主義財政や日本財政の歴史・現状についても詳しく説明します。具体的には、財政と財政学の課題、国家財政の歴史、財政学の歴史・発展、予算論、経費論、公共投資と公教育、社会保障財政、租税論、所得課税、消費課税、資産課税、税制改革、公債と財政政策、日本財政の課題、をとりあげる予定です。
科目目的
財政の概要を単に知識として認識するのではなく、現代財政の諸問題を歴史的視野を踏まえて、経済学ないし政治経済学の対象として主体的に考えられるような基礎的素養を高めることを目的にします。
到達目標
上記の目的のために具体的には次のような到達目標を設定します。
①近代国家財政、現代国家財政、福祉国家財政の歴史的背景と基本的特徴が分かる。
②近代から現代にいたる財政学の発展の流れを説明できる。
③財政における予算制度や財政民主義の意義について説明できる。
④社会経済における政府支出(経費論)の意義と課題を説明できる。
⑤現代における社会保障財政のしくみと課題について説明できる。
⑥現代社会における租税の基本的役割について説明できる。
⑦所得課税、消費課税、資産課税、環境税などについて具体的に理解している。
授業計画と内容
1.現代財政の構図
2.財政の歴史(1) 近代財政から現代財政へ
3.財政の歴史(2) 現代財政・福祉国家の財政
4.財政の歴史(3) 戦争と財政
5.財政思想・財政学の展開(1) 近代財政学の展開
6.財政思想・財政学の展開(2) 現代財政学の展開
7.財政思想・財政学の展開(3) 公共経済学と財政政策論
8.財政民主主義と予算制度
9.日本の予算システム
10.現代財政と予算改革
11.経費論
12.経費分析と日本の経費構造
13.社会資本と公共投資
14.社会保障と財政(1) 社会保障制度と財政
15.社会保障と財政(2) 日本の社会保障財政
16.租税と租税原則
17.租税の分類と租税体系
18.所得課税(1) 個人所得税
19.所得課税(2) 法人所得税
20.消費課税と一般消費税
21.資産課税、環境税
22.日本の租税構造
23.税制改革と日本の租税
24.公債とは何か
25.公債と財政政策
26.日本の財政赤字
27.福祉国家と財政システム
28.日本財政の展望
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業はほぼ100%テキストに基づいて実施する。毎回授業前にテキストの関連する章・節を読んでおくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 授業の内容を正確に理解していること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
関野満夫『財政学』税務経理協会、2016年
参考文献
関野満夫『日本の戦争財政』中央大学出版部、2021年
関野満夫『福祉国家の財政と所得再分配』高菅出版、2015年
関野満夫『現代ドイツ税制改革論』税務経理協会、2014年
関野満夫『地方財政論』青木書店、2006年
関野満夫『日本農村の財政学』高菅出版、2007年
毎回、授業内容のパワーポイント資料を前日までにmanabaにアップ
するので、各自事前にプリントアウトして授業に参加すること。
また、上記テキストを利用して講義するので、講義に持参すること。