シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東アジア社会論/現代社会研究(5) | 2024 | 前期 | 水2 | 文学部 | 首藤 明和 | シュトウ トシカズ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-SC2-K303
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
第一に、アジア社会を研究することの目的や意義について考察します。
第二に、人間関係優先主義(M. ヴェーバー)という視点から、村落生活、組織原理、家族親族、公と私について考察します。
第三に、中国の回族ムスリムから中国を考察します。特に、回族とはどのような人びとかを説明し、その上で、中国における漢民族の文化とイスラーム思想の交渉を通じた中国イスラーム思想の形成、雲南保山回族の共生の作法などについて説明します。
第四に、中国社会論の社会学的古典であるM. ヴェーバー『儒教と道教』を、合理化、法、意識などの視点から再考します。
科目目的
「Visionary時代を読み解く知」(歴史から学び未来を見通す力)、「Clinical微細に観察する知」(地域社会や人間関係で起こる現象を精細に分析検討する力)、「Globalグローバルに思考する知」(地球規模で起こっている諸現象を大きくまとめて観察する力)を身につけるために、アジア社会を研究することの目的や意義について理解します。また、当該社会の人間関係の特徴から、組織、家族、親族、公と私など社会の存立構造を説明できるようになります。さらには、異なる思想や文化の交流がいかなる社会構想力をもたらすのかについて理解を深めます。
到達目標
(1)アジア社会を研究することの目的や意義について説明できること。
(2)当該社会の人間関係の特徴から組織、家族、親族、公と私の存立構造を説明できること。
(3)異なる思想や文化の交流がもたらす社会構想力について説明できること。
(4)既成の社会認識を合理化、法、意識といった社会学的視点から再考することができること。
授業計画と内容
第1回 授業の目的・内容・成績評価の方法について
第2回 アジア社会への視点
第3回 人間関係優先主義からみる中国農村社会――リーダーの個人的性格が反映する村落生活
第4回 〈包〉的構造ーー人間関係優先主義における組織原理
第5回 家族と親族の協同と離反――世話役の個人的資質に左右される家族・親族関係
第6回 中国社会のダイナミズムをどう捉えるか――民衆のリスク対処法から
第7回 中国の回族ムスリムからみる中国――構成主義的認識論から
第8回 回族とはどのような人びとか
第9回 明清四大イスラーム漢文訳著家の馬注
第10回 雲南保山回族の共生の作法
第11回 M. ヴェーバー『儒教と道教』再考(1)――合理化という視点
第12回 M. ヴェーバー『儒教と道教』再考(2)――法という視点
第13回 M. ヴェーバー『儒教と道教』再考(3)――意識という視点
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 当該社会の人間関係の特徴から、組織、家族、親族、公と私などの存立構造を説明できること。また、異なる思想や文化の交流がもたらす社会構想力について説明できること。さらに、既成の社会認識を、合理化、法、意識といった社会学的視点から再考することができること。 |
レポート | 40 | アジア社会を研究することの目的や意義について説明できること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
(講義資料)
適宜、授業中に配布します。
(テキスト)
首藤明和『中国の人治社会――もうひとつの文明として』日本経済評論社(2003).
首藤明和『中国のムスリムからみる中国――N.ルーマンの社会システム理論から』明石書店(2020).
(参考文献)
首藤明和・落合恵美子・小林一穂編『分岐する現代中国家族――個人と家族の再編成』明石書店(2008).
首藤明和・王向華編『日本と中国の家族制度研究』風響社(2019).