シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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都市社会学/国際フィールドワーク論/現代社会研究(2) | 2024 | 後期 | 水5 | 文学部 | 新原 道信 | ニイハラ ミチノブ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-SC2-K308
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この科目では、社会調査の中でもとりわけ質的調査の各手法を学び、現代社会における都市のフィールドワークの理論と方法について講義を行います。授業前半では質的調査の歴史と各手法の概要を学び、授業後半では総合的なフィールドワークの具体的な実践について学びます。
科目目的
この科目の目的は、現代社会における都市・都市社会と地域、人間に寄り添うための質的調査/総合的なフィールドワークの理論と方法を学び、参加者各自が自ら調査を立案し実践する力を身につけることです。調査を通じて、国際的な「都市(the city)」/「都市」以前のまち/「まち」の母体である「地」(土地・大地)も含めて、現実の問題と格闘し、領域横断的に考え、捉える力を身につけることを目的とします。
到達目標
この科目の到達目標は以下の3つです。
①社会調査、とりわけ質的調査に関する知識を深め、調査計画の立案を自ら行い、データを活用・分析する基礎的な力を身につけること。
②これまでの都市社会学/都市におけるフィールドワーク研究がどのような現実と格闘し、いかなる理論や方法を生み出してきたのか、理解を深めること。
③都市の/国際的な質的調査を通じて新たな問いを立てる/自分の言葉で考える力を身につけ、長期的には現代社会の中で多様なアクターのメディエイターとなるために必要な力を身につけること。
授業計画と内容
この科目は、講義形式とグループワークでの議論をはじめとする演習形式を交えて進めていく予定です。授業前半は、とりわけこれまでの都市社会学/都市のフィールドワークに関する理論と方法を学びながら、質的調査の各手法について講義形式を中心に学んでいきます。授業後半は、現代における国際的な都市におけるフィールドワークの実践の紹介を交えながら、グループワークを中心に参加者各自の理解と予備的調査をまとめてもらい、レポートとして提出してもらいます。
授業計画
第1回 講義:ガイダンスと国際フィールドワークの理論的背景と調査方法論
第2回 講義:都市の国際フィールドワークの先行研究についての講義とグループワーク(1)
第3回 講義:都市の国際フィールドワークの先行研究についての講義とグループワーク(2)
第4回 講義と演習:都市の国際フィールドワークの調査計画立案・事前準備(とりわけ質的データ収集の方法)についての講義とグループワーク
第5回 講義と演習:収集した質的データ(記事、文書、映像、音楽、放送など)の分析方法についての講義とグループワーク
第6回 講義と演習:質的調査の認識論、調査における「フィールド」とは何か
第7回 講義と演習:フィールドリサーチの方法についての講義とグループワーク マニラ
第8回 講義と演習:聞き取り調査の手法についての講義とグループワーク ニューヨーク・ハーレム
第9回 講義と演習:ドキュメント分析の手法についての講義とグループワーク 立川
第10回 講義と演習:.参与観察の手法についての講義とグループワーク 砂川・都営団地
第11回 グループごとに最終報告(1) (グルーブごとに選択した対象の予備的調査の分析結果について)
第12回 グループごとに最終報告(2) (グルーブごとに選択した対象の予備的調査の分析結果について)
第13回 グループごとに最終報告(3) (グルーブごとに選択した対象の予備的調査の分析結果について)
第14回 総括――各自が行った質的調査の調査報告
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 授業の全体を通じて、2度のレポートの提出を課す。 ①授業の節目で提出を求められる中間レポートにおいて、授業内容をふまえ、論理構成力のある文章を作成する(30%)。 ②個々の事例と調査方法についての組み合わせが持つ意味について考察し、理解を深め、自らの調査研究を立案するかたちで、中間レポートに加筆する形で最終レポートを提出する(40%)。 |
平常点 | 30 | 授業への実質あるコミットメント(出席・聴講、manabaの閲覧など)、授業内容をふまえたコメントペーパーの提出。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
この講義では、講義や日常生活というデイリーワーク・フィールドワークのなかで書き(writing in the field, writing while committed)、後に参照して振り返ることができる、「都市」/「都市」以前の「まち」/「地」への理解の「基点(reference points/anchor points)」をつくることを一緒に試みます。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
PC等の端末を各自が使用し、manabaの掲示板やwebexのチャット機能(オンラインの場合)などを活用する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
《テキスト》新原道信編著『人間と社会のうごきをとらえるフィールドワーク入門』(ミネルヴァ書房,2022年)。
《参考文献》
谷富夫・山本努編『よくわかる質的社会調査 プロセス編』(ミネルヴァ書房,2010年)/谷富夫・山本努編『よくわかる質的社会調査 技法編』(ミネルヴァ書房,2010年)/佐藤健二『社会調査史のリテラシー――方法を読む社会学的想像力』(新曜社,2010年)/佐藤郁哉『フィールドワークの技法――問いを育てる、仮説を鍛える』(新曜社,2002年)/佐藤郁哉『社会調査の考え方 上・下』(東京大学出版会,2015年)/中筋直哉・五十嵐泰正編著『やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ よくわかる都市社会学』(ミネルヴァ書房,2013年)/松本康編『都市社会学・入門』(有斐閣アルマ,2014年)/新原道信編著『"臨場・臨床の智"の工房――国境島嶼と都市公営団地のコミュニティ研究』(中央大学出版部,2019年)。
その他特記事項
■担当教員紹介■
しばらく学内の行政職をしていたため大谷晃先生に2022年度2023年度のご担当をお願いしていました。ひさしぶりの「登板」ですので、はりきって取り組みたいと思います。これまでわたしは、地中海の島サルデーニャと沖縄の比較研究から始まって、地中海・イタリア・ヨーロッパ、大西洋、南米、アジア・太平洋の島々、都市・地域への旅/フィールドワークを、イタリアや日本の仲間と、“ともに(共に/伴って/友として)”してきました。その一方で、日本やイタリアのいくつかのコミュニティやグループ(都市公営団地や社会文化運動団体など)に長期間深くかかわる都市・地域・コミュニティ研究をしてきました。授業のなかでは、これまでの旅/フィールドワークで出会った土地や人々、“生身の社会(living society: city, community and region)”について、少しでもみなさんにお伝えできたらと思います。よろしくお願いします。
以下は関連urlとドライブです。
https://sociology.r.chuo-u.ac.jp/member/detail/76
https://drive.google.com/drive/u/1/folders/1aGeNVyRyhwIpSuxn7kIm0qsrt-JwVEUY
https://www.milive-plus.net/gakumon170101/univ/
https://researchmap.jp/read0048538
https://suiheisen2017.com/category/niihara-michinobu/