シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ギリシャ語(初級) | 2024 | 通年 | 火3 | 文学部 | 伊藤 雅巳 | イトウ マサミ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-OW1-SG10
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業では専ら読むこと(古典ギリシャ語を日本語に訳せること)に主眼を置き,テキストの練習問題(希文和訳)を中心に授業を進める.原典を自在に読みこなすには,それなりの修練を要するが,辞書と文法書さえ使いこなせれば,或る程度までは何とか読める(訳せる)ものである.確かに,辞書や文法書を使いこなすには或る程度の文法の知識が必要だが,その程度の文法の知識を習得することは,さほど困難ではない.補助教材として練習問題の「ヒント」を作成したので,それと教科書を丹念に読みながら練習問題を解いてゆくことで,手間さえ惜しまなければ古典ギリシャ語は読める(訳せる)という実感を得て欲しい.
授業では,教科書に沿って,覚えるべき事項の優先順位を指摘しながら,その要点をまとめ,説明を補足する.また,毎回,教科書の練習問題を「課題」として課すが,「ヒント」をmamabaで公開するので,それと教科書を参照しながら,「練習問題」(希文和訳)に取り組んで欲しい.また,第2回以降の授業では,「課題」とした「練習問題」を出席者に当てて答えてもらう.その上で解答例を示し,前回の授業の要点を再確認し,必要があれば,説明を補足する.
科目目的
古典ギリシャ語で書かれた文学・歴史・哲学などの〈古典〉を原文で読むために最低限必要な文法的知識を習得することが主な目的である.また,西洋の諸学問の基礎的な概念を表わす語は古典ギリシャ語を語源とすることが少なくない.古典ギリシャ語を学ぶことで,それらの理解も深まるであろうし,文法解析の訓練は,他の外国語を学ぶ上でも役立つだろう.これらは,異文化に対する理解力や幅広い教養を身に付ける上でも資するところがあると思われる.
到達目標
授業で使用する教科書を文法書として使いこなせるようになること,少なくとも,教科書と「ヒント」さえあれば,それらを参考にして教科書の「練習問題」の問題文を文法的に解析でき,訳せるようになることを目標とする.そのために,
(1) 名詞,形容詞・分詞,代名詞の変化形について,教科書の説明と語彙表に記された情報を手掛かりに,その性・数・格を特定することができること
(2) 動詞(直説法・能動相)の活用形について,教科書の説明と語彙表に記された情報を手掛かりに,その時制,人称,数を特定することができること
(3) 文の文法的な構造を解析できること,すなわち,文の定動詞,主語,定動詞の目的語や補語を特定することができること
これらを前期の最低限の到達目標とし,後期では,それらに加え,
(4) 動詞全般の活用形について,教科書の説明と語彙表に記された情報を手掛かりに,その法,相,時称,人称,数を特定することができること
(5) 状況説明の分詞について,その主語を特定し,副詞句(副詞節)としての意味を説明できること(——少なくとも,教科書の参照すべき箇所を的確に指摘できること)
(6) 動詞の接続法について,なぜ接続法が用いられているのかを説明できること(——少なくとも,教科書の参照すべき箇所を的確に指摘できること)
(7) 動詞の希求法について,なぜ希求法が用いられているのかを説明できること(——少なくとも,教科書の参照すべき箇所を的確に指摘できること)
を具体的な目標として挙げておく.
授業計画と内容
授業は教科書に沿って毎回1~2課ずつ進み,通年で全36課を修了する(予定).
【前期】
第1回 〔第1課〕文字と発音/〔第2課〕アクセント/辞書や文法書の紹介
第2回 〔第3課〕第1・第2変化の名詞・形容詞,定冠詞
第3回 〔第4課〕第1変化の名詞(-αに終わる女性名詞,-ας, -ηςに終わる男性名詞),他
第4回 〔第5課〕ω動詞(1):直説法能動相現在・未来
第5回 〔第6課〕ω動詞(2):直説法能動相未完了過去・アオリスト,他
第6回 〔第7課〕ω動詞(3):直説法能動相第2アオリスト,他
第7回 〔第8課〕前接辞と後接辞,疑問代名詞と不定代名詞,他
第8回 〔第9課〕第3変化名詞(1):子音幹名詞,限定の対格・与格/〔第10課〕第3変化名詞(2):子音幹名詞(-ρ幹,-σ幹),他
第9回 〔第11課〕第3変化名詞(3):母音幹名詞,関係代名詞
第10回 〔第12課〕指示代名詞,強意代名詞
第11回 〔第13課〕形容詞・副詞の比較,他
第12回 〔第14課〕母音融合動詞
第13回 〔第15課〕流音・鼻音幹動詞の未来,人称代名詞/〔第16課〕-ύς, -εῖα, -ύ型および-ής, -ές型の形容
第14回 〔第17課〕不規則形容詞の変化
【後期】
第15回 〔第18課〕µι動詞(1):ἵστημιとδίδωμιの直説法能動相現在・未完了過去・アオリスト/〔第19課〕µι動詞(2):τίθημι, ἵημι, εἶμι, δείκνυμι
第16回 〔第20課〕ω動詞の能動相現在・未来・第2アオリストの分詞,分詞の用法(1):限定詞としての分詞,状況説明の分詞
第17回 〔第21課〕ω動詞の能動相アオリストの分詞,µι動詞の能動相現在・第2アオリストの分詞,分詞の用法(2):分詞の独立的用法,動詞の補語としての分詞
第18回 〔第22課〕接続法:能動相現在・アオリスト,主文における用法,条件文
第19回 〔第23課〕希求法(1):能動相現在・未来・アオリスト,主文における用法,目的文
第20回 〔第24課〕希求法(2):条件文,間接話法,他
第21回 〔第25課〕直説法中・受動相(1):現在,未来,能動相欠如動詞,他
第22回 〔第26課〕直説法中・受動相(2):未完了過去,第2アオリスト,再帰代名詞,所有形容詞,他/〔第27課〕直説法中動相アオリスト,事実に反する仮定の条件文,過去の可能性を表す文
第23回 〔第28課〕接続法・中・受動相現在・中動相アオリスト,他/〔第29課〕希求法・中・受動相現在,中動相アオリスト・未来
第24回 〔第30課〕受動相アオリスト・未来,行為者を表すὑπό + 属格,他
第25回 〔第31課〕能動相完了・過去完了・未来完了
第26回 〔第32課〕中・受動相完了・過去完了・未来完了,行為者の与格
第27回 〔第33課〕命令法(1):ω動詞/〔第34課〕命令法(2):µι動詞
第28回 〔第35課〕µι動詞型の変化をする第2アオリスト,動形容詞,他/〔第36課〕数詞
あくまでも予定なので,受講者の習熟度を見ながら,授業を進める速さを調整する.
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時に指定した教科書の「練習問題」(希文和訳)を,教科書と「ヒント」を参考に,次の授業までにやっておくこと.
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり1時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 授業で当てられた「練習問題」の訳を,訳の正確さ,特に,教科書の説明や「ヒント」をどれだけ活用できたかという観点から採点する.そして,それらを元に,理解度・習熟度の進歩具合を見た上で,先に示した「到達目標」を踏まえて,総合的に評価する. |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト: 水谷智洋 『古典ギリシア語初歩』 岩波書店,1990年 ISBN: 4-00-000829-3
参考文献: テキスト(教科書)には語彙表が付いているので、辞書を用意する必要はないが、標準的な辞書や文法書などについては、初回の授業時に紹介する。また、練習問題の「ヒント」と「解答」はmanabaで逐次公開する。
その他特記事項
質問は,授業時にも受け付けるが,manaba の「個別指導(コレクション)」でも受け付ける.授業担当者〔伊藤〕との連絡は「学内メール」を用いて下さい.manaba にメールアドレスを公開しておきます.
参考URL
なし.