シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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後期教養演習(心理学) | 2024 | 前期 | 火5 | 文学部 | 山科 満 | ヤマシナ ミツル | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-IF3-U300
履修条件・関連科目等
特に強く推奨するのは「入門・心理」「脳科学」「統計学基礎」の3科目。その他、「心理学概論」「臨床心理学概論」「脳科学」「生物進化論」「生命倫理」「精神保健学」「健康・医療心理学」「精神疾患とその治療」のうちいくつかの科目を履修していることが望ましいです。これらの科目が全く履修できていない人には、内容的に履修は無理と思われます。
履修希望者が20名を超える場合は、抽選を行います。ただし、学びのパスポート所属の学生さんにはこの限りでは無く、希望者は全員受け入れます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
科学的心理学の論文を読むことを通して、心理学・臨床心理学の知識の獲得や、知識の前提となるものの考え方を学びます。まず基礎的な論文を全員で読み、後半は各自の関心に沿ってテーマを決め論文を選び、それをプレゼンしてもらいます。
「心理学」という学問ほど、一般に抱かれているイメージと、実際の学問の方法・内容のギャップの大きいものはないと思います。現代の心理学は、科学的な手続きを経て積み上げられた事実に基づいて、人の心を理解しようとする学問です。この演習では、「心」に関する素朴な疑問を出発点として、「科学的な問い」を立て、その問いに対する答えに迫ろうとする「科学論文」を読めるようになることを目指します。
演習形式での授業を前提としていますが、受講者の人数によって、運営方法は大きく変わらざるを得ないところがあります。少人数であれば、各自の疑問を出発点にして問いを立て、科学論文の読みを通して個人的な疑問の解決に戻るプロセスを重視します。
科目目的
テーマに沿って科学的論文を検索し選び出し、それを読み込むことを通して、科学的心理学における「考え方」や、「ひとの心について、現在までに分かっていること」の一端に触れることを目的とします。
到達目標
①ひとの心についての疑問を、科学的な問いに置き換えることができる
②テーマに合わせた、信頼性の高い科学的論文を検索によって選び出すことができる
③科学的心理学の「方法」について、考え方を理解できる
④科学的心理学の論文について書かれている結論を、日常生活に場面に置き換えて理解できる
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション、演習の方向性についてのディスカッション(何をやりたいか)
第2回 科学的論文の読み方に関する基礎知識(講義)
第3回 科学的論文の読み方ー記憶に関する実験
第4回 科学的論文の読み方ー臨床心理学の調査論文
第5回 科学的論文の読み方ー性格論(ビッグファイヴ)の論文
第6回 受講生による発表(前半1回目)
第7回 受講生による発表(前半2回目)
第8回 受講生による発表(前半3回目)
第9回 新たなテーマについての、グルーブディスカッション
第10回 受講生による発表(後半1回目)
第11回 受講生による発表(後半2回目)
第12回 受講生による発表(後半3回目)
第13回 全体でのディスカッション
第14回 授業を振り返っての講評(まとめ)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 期末に授業内での議論を踏まえて、各自で設定した課題に沿って2000字程度のレポートを書いていただき、それを評価します。 |
平常点 | 70 | 発表の内容と授業内の発言を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
精神科医として30年以上、さまざまな分野・場所で臨床活動を行ってきました。また、2006年に臨床心理士資格を取得し、精神分析的心理療法の実践とスーバービジョン経験を重ねてきました。他大学では学生相談室附属の診療所で精神科医として大学生の診療にも携わっています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
臨床精神医学の立場から、科学的心理学論文を解説することがあります。
テキスト・参考文献等
参考文献:『心理学・社会科学研究のための調査系論文の読み方改訂版』(東京図書、2020年)
その他特記事項
積極的な議論が行われることを期待します。