シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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博物館教育論 | 2024 | 前期 | 月2 | 文学部 | 黒尾 和久 | クロオ カズヒサ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-MG2-Y319
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
学ぶという行為とその意義について、博物館の機能・役割との関わりの中で受講者に考えさせる講義を行う。授業の概要は、ガイダンス(第1回)にて、教育の意義について博物館の機能との関わりから概説し、博物館教育の意義と理念(第2~5回)について、日本における博物館のあゆみを踏まえた講義を行い、次に、博物館の利用と学び(第6~8回)では、利用者の視点にたって、博物館における学びの多様性や現代博物館において模索されてきた教育実践や新旧の教育理論について概説する。続いて、博物館教育の実際(第9~11回)では、実際の現場における博物館教育について、国立ハンセン病資料館における見学実習を行いながら具体的に紹介し、講義のまとめとして、博物館教育の課題(第12~15回)で、博物館リテラシー論を念頭におきつつ、現代博物館の抱える教育課題(理念とその方向性)について、主として平和教育、人権教育に関連する博物館を題材にとりあげる。
科目目的
博物館における教育の特質および意義・理念について学び、博物館から発信される情報の活用方法および情報発信に関する課題について理解させることを本講義のねらいとし、博物館教育はいかに行われるべきかを考える態度を身につけることを到達目標とする。
到達目標
博物館の教育的役割とその方法について、自分自身の専門領域に引きつけつつ、その考えを他者に説明できるようになること。
授業計画と内容
*内容や順番を変更・調整することがあります。
*ゲスト講師による特別レクチャーを実施することがあります。
第1回 学ぶということの意義 豊かに生きるとはどういうことか 博物館の機能の関わりから考える
第2回 博物館教育の意義と理念① 博物館機能の中の教育 目的と方法
第3回 博物館教育の意義と理念② 博物館史と教育観の変遷~浜田青陵著1929年『博物館』を読む
第4回 博物館教育の意義と理念③ 博物館史と教育観の変遷~博物館法のなかの博物館像(『市民のなかの博物館』を読む①)
第5回 博物館教育の意義と理念④ 生涯学習社会のなかの博物館 博物館教育へ期待されること(『市民のなかの博物館』を読む②)
第6回 博物館の利用と学び① 客体的な学びと主体的な学び 博物館における学びの実態と特性(『市民のなかの博物館』を読む③)
第7回 博物館の利用と学び② 知識者養成と生活者養成の視座 「地域博物館論」「博物館世代論」再考(『市民のなかの博物館』を読む)
第8回 博物館の利用と学び③ 「博物館リテラシー」という考え方「知」の伝達に留まらない能力・態度の育成
第9回 博物館教育の実際① 博物館教育はいかにあるべきか 設置目的との関係 調査・研究、収集・保存機能との関係 展示業務とのバランス
第10回 博物館教育の実際② 国立ハンセン病資料館の見学 館内での企画・実践(設置目的と常設展示との関わり)
第11回 博物館教育の実践③ 国立ハンセン病資料館の見学 館外での企画・実践(フィールドミュージアムへの志向)
第12回 現代社会と博物館① 科学教育・平和教育と博物館~原発PR館、平和・戦争博物館を考える
第13回 現代社会と博物館② 人権教育と博物館~人権博物館の現在
第14回 まとめ~博物館教育の課題
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 期末レポート |
平常点 | 40 | 授業の小レポート課題提出、授業への参加など |
成績評価の方法・基準(備考)
学期末の課題レポートを評価の柱にする。そのほか出席、見学レポート、ミニレポートなどの平常点も評価点にする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
国立ハンセン病資料館学芸課長・学芸部長(2009~2017年度)
国立重監房資料館部長(2018年度~)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
それ自体は沈黙している「もの」をして「こと」を語る、博物館における「教育」の特性について考えてゆく。
テキスト・参考文献等
テキスト:①伊藤寿朗1993『市民のなかの博物館』吉川弘文館(2000円+税) ②君塚仁彦・名児耶明編2012『現代に活きる博物館』有斐閣(2100円+税) 要購入
その他、講義にて適宜、配布、紹介する。
その他特記事項
講義途中で、時事問題なども組み込むので、必ずしもシラバス通りの授業進行にならない場合がある。受講者と日程調整し、可能であれば国立ハンセン病資料館の見学を実施する(大学休業日を予定:交通費などは実費負担)。