シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特別活動の指導法 | 2024 | 後期 | 月5 | 教職 | 中條 克俊 | チュウジョウ カツトシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
QC-TC3-C901
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
特別活動の目標・内容・方法についての講義と、manabaでのコメント提出を通したやりとり・グループワークといった双方向・多方向的な活動を行うことで、特別活動を指導する上で何を考える必要があるのか、何を手がかりとすればよいのかを知り、特別活動とはどのようなものかについて考える。
科目目的
全ての児童生徒の自己実現に向けて、教師として果たす役割は何か、特別活動の領域で今何を求められているのか、指導理論や方法論から迫る。
自分たちが受けてきた「特別活動」がどのようなものであったかをふり返り、自分事として捉えながら考えを深めていく。
履修に当たっては、自ら学ぶ姿勢を大切にし、教育への意欲と課題意識を持って授業に臨んでほしい。
到達目標
本講義は、特別活動の指導内容に関する基礎的・基本的な知識や、特別活動の動向などに関する知識を身につけ、特別活動の単元計画を作成するために必要な指導目標や指導内容、評価規準、指導観などやその関連性について理解することを第1の目的としている。その上で、最終的に特別活動の指導計画を作成することを第2の目的としている。
なお、到達目標は、次の通りとする。
1.特別活動の指導内容に関する基礎的・基本的な知識を習得し、説明することができる。
2.特別活動の動向などに関する知識を習得し、説明することができる。
3.特別活動の指導目標、指導内容、評価規準、指導観及びその関連性を理解し、説明することができる。
4.特別活動の単元計画を作成することができる。
5.相互のやり取りや活動に積極的に参加している。
授業計画と内容
1. 本講義の進め方・特別活動の全体図
2. 学級活動・ホームルーム活動について考える①:学級集団と学級文化
3. 学級活動・ホームルーム活動について考える②:学級と友人関係
4. 学級活動・ホームルーム活動について考える③:学級集団での活動を指導する
5. 生徒会活動について考える①:生徒会役員と生徒の自主的運営
6. 生徒会活動について考える②:委員会活動をどのように構成するか
7. 学校行事について考える①:学校行事の目標・内容、計画を立てる
8. 学校行事について考える②:学校行事で気をつけるべきこと
9. クラブ活動と部活動の歴史と現在
10. 特別活動の内外での進路指導と生徒指導
11. 特別活動における指導案の作成
12. 総合的な学習(探究)の時間の原理と年間指導計画
13. 総合的な学習(探究)の時間の単元計画と評価
14. 特別活動についての総括:実践の多様性等
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
(1)講義内容を振り返り、理解不十分と思われる項目または用語を確認すること。
(2)社会情勢に敏感に反応し、新聞記事、インターネット等を活用して積極的に情報を収集・分析して、現
代の教育事情を把握すること。
(3)社会的視野を広げるために、教職課程に関する文献、資料を読むこと。
(4)博物館、美術館等での文化財鑑賞並びに内外の映画鑑賞を通して、文化的素養を高めること。
(5)教育に関する研究会に積極的に参加し、研究者・現場の先生方から多くを学ぶこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 与えられた教育テーマと課題図書から学んだことをレポートにまとめ、発表する。基礎知識の習得状況とレポート内容を総合的に判断して評価する。 |
平常点 | 50 | 授業への参加・貢献状況、グループワークの発言内容、毎回のリアクションペーパー、提出する小レポートなどより総合的に判断して評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1981年4月、全国的に「校内暴力の嵐」が吹き荒れる中、36年間の埼玉県公立中学校社会科教員の人生がスタートした。「果てしなき暴力教室」とマスコミで報じられ、「日本一の荒れる学校」とまで言われた 埼玉県南部の中学校が講師の教員人生の原点である。毎日深夜にまで及ぶ生徒指導の連続は、描いていた教員生活と現実は大きくかけ離れ、挫折と心機一転巻き返しの繰り返しであった。以後、定年退職するまで、「校内暴力の嵐」から学んだ以下の5点を教訓に現場第一主義(目の前の子どもたちと向き合う)の教員をめざすことになった。
①教師の権威を笠に着た力まかせの指導をしない教育。「理解・共感・一致」を大切にする生徒指導。
②目立たない子どもにこそ目を向け、一人ひとりの子どもたちと向き合う教育。
③子どもと共に学び、個を尊重する集団づくりをめざす教育。
④競争原理に走らず、点数学力以外の学力(生きる力・思考力・判断力・表現力)を育てる教育。
⑤すべての学習は平和学習を追究する教育。暴力の否定・非行克服から始まった平和学習の継続。
教員経験年数を重ねていくうちに、教科主任、研修主任、進路指導主事など責任ある仕事を任され、教員人生の後半は学年主任として学年教員団のまとめ役としてチームワークある教育活動をめざした。
学級活動・生徒会活動・学校行事に専念し、学校づくりに授業づくりにのめり込み、放課後は水泳部顧問として生徒に負けられるかと一緒に泳いだトレーニングという具合に仕事は多種多様であったが、楽しかったから続けることができたといえよう。教師の仕事は「苦あれば楽あり」で、やりがいはある。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
1981年4月から2017年3月までの36年間を埼玉県公立中学校社会科教員として子どもたちと共に積み上げてきた教育実践と一教員のライフヒストリーを講義でくわしく伝えていきたい。ここでは、講師自身が獲得した体験的教師教育論のポイントを示しておく。
(1)願望としての教師像
①社会派教師 ②授業の達人 ③醒めた熱血教師
(2)教員は職人です―技を盗みクリエイティビティ(独創性)をめざす
①職人気質 ②職人技 ③職人魂
(3)教員はルポ・ライターです―地域を探訪(ルポルタージュ)し教育実践記録を残す(ライター)。
(4)失いたくない教育信念
①教育は人なり ②教えることは学ぶこと ③すべての学習は平和学習
(4)子どもから見た教師論ー子どもが嫌う教師
①不公平な教師(気に入った子だけえこひいきする教師)
②比較する教師(兄弟姉妹、友人そして学力の優劣だけで比較する教師)
③自慢話ばかりする教師(いばってエラソーなことばかりいう教師)
教育は教員の全人格が問われていることを忘れてはならない。子どもたちの尊厳を踏みにじり、自信満々だが中身のない教員の授業は空疎である。一方、子どもたちからも学ぶ姿勢を持つ教員の授業はゆたかである。子どもの今は未熟かもしれないが、「後生畏るべし」である。子どもを見下すのではなくリスペクトして共に学びあう姿勢は教育実践に見事に反映されていく。
講師の実務経験と獲得した教育的理論に基づいた講義をめざし、受講生の意欲と創造性を高めたい。
テキスト・参考文献等
《テキストー事前に購入しておいてください》
『君たちに伝えたい③朝霞、校内暴力の嵐の中から生まれたボクらの平和学習。』(中條克俊著、梨の木舎、2017年)
《参考文献》
授業内で適宜紹介するが、一例として以下の文献の講読を推奨する
『学習指導要領解説特別活動編』(各小中高)(2018年)
その他、適宜授業で紹介します。
その他特記事項
初回の授業において、この科目の進め方などについての詳細な説明を行います。