シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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倫理学概論Ⅱ | 2024 | 後期 | 水4 | 教職 | 米田 達也 | ヨネダ タツヤ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
QC-TC3-A904
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「かけがえのない私」の生きる価値は、多様な他者との濃密なネットワークによって規定されます。相互のつながりの中で、〈よく生きるとはどういうことか〉を考え、〈よい行為とは何か〉を探索することが、倫理学の核心と言えるでしょう。
授業では、現代を生きる私たちに深く関わる倫理学のテーマを任意に選び出し、それについて「何がより正しく価値があるのか」を、西欧と日本を対比させる複眼的な方法をとりながら、できるだけ普遍的な視座に立って究明していくつもりです。
科目目的
この科目は、教職科目として位置づけられています。
したがって、授業での学習を通して、現代における多様な倫理的課題に対処するための「しなやか」な思考と態度を、一個の「人」(教師)として、主体的に構築できるようになること、それを目的とします。
到達目標
➀授業で扱った倫理学のテーマを、ほかでもない自分自身の問題として理解・検討すること。
➁日常生活における主体的な態度決定を支える指標と規範を、自分で考えるようになること。
授業計画と内容
第1回 「間柄」のネットワーク ~ 倫理学の理念とめざすもの
第2回 罪悪感の起源をさぐる ~ 東西2つのコンプレックス
第3回 善と悪の境界はどこにあるのか ~ 善悪互換(両義性)の中空構造
第4回 聖なるものとは何か ~ ユダヤ・キリスト教と日本の「神」観念
第5回 正義の基準をどこに求めるか ~ 功利主義と「道理」のコモンセンス
第6回 感性のファシズムとは何か ~ 全体主義と同調圧力(「空気」)
第7回 いのちの始まりは誰が決めるのか ~ 中絶論争と優生思想
第8回 脳死と臓器移植から何が見えるか ~ 「ヒト」の条件とパーソン論
第9回 いのちの価値づけに根拠はあるか ~ 種差別と「なめとこ山の熊」
第10回 自然環境といかに関わるべきか ~ エコロジーと「草木国土悉皆成仏」
第11回 美しいをどのようにとらえるか ~ 美のイデアと「幽玄」・「わび」
第12回 人の「絆」はいかにして結ばれるか ~ 義理(互酬性)と「利他」
第13回 死後の世界をどう考えるか ~ 臨死体験と悼みのグリーフケア
第14回 まとめ ~「倫理」をアップデートすること
※ 講義の内容や順序は、必要に応じて多少の変更もあるので、予めご了承下さい。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
➀授業前:manabaで、講義用プリントを予めダウンロードして事前に目を通し、講義内容の概要理解に努めること。その際、各項目のキーワードを丁寧に確認しながら、テーマの論点を整理しておくこと。
➁授業後:講義で指摘された重要事項やわからない語句の意味を必ずチェックするとともに、テーマの問題を自分の視点でとらえ直し、講義内容の理解度を深めるようにすること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 倫理学の主要な価値概念に関する基礎知識を理解した上で、授業で取り上げた各種のテーマを、独自の観点から整理して論じられるかどうかを評価します。 |
平常点 | 30 | 授業への参加・貢献度、受講態度(質疑応答での意見の表明、他の学生と協調して学ぶ態度や姿勢等)の状況を、評価の基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績(単位)評価の前提条件:出席率が70%に満たない者(公欠届またはそれに準ずる書類の提出、あるいは正当な事由の申告があれば、出席扱いにする)、また学期末の試験を受けない者については、E判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
特定のフィードバックは行っていないが、授業時間内に理解が進むよう工夫しています。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用しません。毎回の授業では、各テーマごとに関連するレジュメ等を資料として配布します。
参考文献
品川哲彦『倫理学入門』中央公論新社 2020年(中公新書)ISBN978‐4‐12‐102598‐2
松岡正剛『日本文化の核心』講談社 2020年(講談社現代新書)ISBN978‐4‐06‐518773‐9
それ以外は授業で適宜、紹介・指示します。
その他特記事項
専門的な予備知識は必要ありませんが、常識にとらわれない柔軟な感性と自分なりの問題意識をもって、随時、自分の意見を積極的に表明できるような姿勢のもと、毎回意欲的に出席されることを望みます(授業は、必ずしも1話完結とはかぎりません。前回の内容をふまえたものになることも多いと考えて下さい)。