シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国語科教育法3 | 2024 | 前期 | 火4 | 教職 | 笠井 正信 | カサイ マサノブ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
QC-TC3-A203
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
中学校・高等学校の国語科教員として求められる資質・能力の内、授業力について自身の課題として持つことをねらいとする。そのために国語科教育の様々な指導理論等を理解し、方法論の視点から言葉の学びをどう引き出すか、ということを考える。学習材、教材にどのような学習課題を発見して、どのような方法で追究すると学びが生まれるのか、言葉の学び方とはどのようなものか、実践例の検討や模擬授業などを通して、「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブ・ラーニング)の実現を目指した授業づくりを考えていく。そのうえで、国語科教員として求められる授業力にかかわる資質・能力とは何かを考え自分自身の課題を持つ。
今年度の授業の実施形態は、対面式授業を原則とします。また、manabaを通して資料配布やコースニュースによる解説、レポートの回収等を行います。
科目目的
この科目は、教職課程において各教科の指導法に位置付けられており、当該教科における教育目標、育成を目指す資質・能力を理解し、学習指導要領に示された当該教科の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに、様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付けることを目的とします。
到達目標
学習者にとって「主体的・対話的で深い学び」が実現されるような授業改善を図るために、国語科の授業方法の様々な指導理論があることを理解し、自分自身の伸ばすべき国語教員としての資質・能力の課題を明確にすることができる。
(1) 国語科教育の指導理論などを理解し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善のための問題点や課題を理解することができる。
(2) 国語科教育の理論や実践に学び、国語科の指導法のこれまでとこれからについて考え、どのような課題を解決して改善の方向に向かうかを考えることができる。
授業計画と内容
今年度は授業の実施形態に応じて、各回の内容を入れ替えることがあります。あらかじめ了承して下さい。ただし授業内容には変更はありません。
第1回:国語科の授業を構成する要素
国語科の授業の実際を振り返り、授業を構成する要素を分析的にとらえ、国語科の学習指導の意義について考え、この科目で探究すべき課題を明確にする。
第2回:国語学習環境整備と授業づくり
国語科の授業を支える学習環境として物的、人的に分析的に捉えることを通して、国語教室経営を行う国語教師の日常について考える。
第3回:国語科授業の過程と学びの深まり
学習者の学びの視点から授業をとらえ直し、どのような改善を図るべきなのかを考え、授業づくりを構想する。
第4回:発問・板書の役割と授業づくり
学びを促す装置としての発問や板書を理解し、情報機器や教具を活用する授業づくりを考える。
第5回:国語科学習指導案の工夫
国語科の授業を構想することを通して、学習指導案の様式とその役割を考える。
第6回:話すこと・聞くことの授業づくり
話すこと・聞くことの学習の模擬授業を通して、学習指導案の計画と学習者の学びがどのように関連していたかを考える。
第7回:書くことの授業づくり
生徒作品や文例を実際に推敲したり、批正したりすることを通して、実際の授業における評価と指導の実際について考える。
第8回:読むことの授業づくり①
読むことの学習の模擬授業を通して、思考力・判断力・表現力を培う指導のあり方について考え、授業についての認識を深める。
第9回:読むことの授業づくり②
読み比べや読書活動への発展などの単元開発を目指した模擬授業を通して、授業改善について考える。
第10回:古典の授業づくり
古典に親しむ授業づくりを構想することを通して、古典学習の目的について考える。
第11回:詩歌の授業づくり
詩歌の実践事例や模擬授業を通して、詩歌を味わうこととは何かを考える。
第12回:話し合い・交流活動とことばの学び
話し合いなどの交流によって深い学びを目指す授業づくりを通して、ことばの学びにおける対話の意義について考える。
第13回:創造活動とことばの学び
朗読劇や創造的な学習活動を通して国語学習を活性化する模擬授業を通して、どのような学びが生まれてきたかを考える。
第14回:主体的・対話的で深い学びを創り出す授業の工夫
国語科教育を方法論の観点から捉え直し、どのような問題点や課題があるのかを振り返ることを通して、国語の実践により深い関心や意欲を持つ。
定期試験
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎週約2時間の予習や復習を課すことになります。毎回の授業時に指示する内容(又はmanabaのコースニュース等での指示)によって予習内容や復習の内容を確認することが必要になります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 課題に対するレポートによる評価(40パーセント) 最終課題に対するレポ-トを作成して提出します。 |
平常点 | 30 | 毎週の授業に関する学習の振り返りによる評価(30パーセント) 学習内容に対する自分の考えをまとめ授業中の「交流」への参加を通して表現します。又は科目のmanabaのコースの「掲示板」も活用することになります。 |
その他 | 30 | 模擬授業等の準備及び実践に対する評価(30パーセント) 模擬授業のための学習指導案作成、教材研究等の準備や授業実践を行います。この授業の期間の中で1度は模擬授業を経験するつもりでいて下さい。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
科目のmanabaコースの「レポート」「掲示板」を活用してフィードバックを行います。結果として、授業の途中、最終レポート等で数回にわたり、全体、個人に対してフィードバックすることになります。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
模擬授業を通して、科目の学修内容に対する理解を深めたりすることをねらっているので、国語科の「授業づくり」という課題解決的な学習活動、アクティブ・ラーニングを授業の核としています。一人一人が受け身にならず積極的に取り組むことを期待しています。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業におけるICTの活用として、書画カメラ、パワーポイントなど使用します。「授業づくり」のアイデアの交流や模擬授業の実際での活用を想定したICT活用を行います。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当者は、32年間の中学校教員として実務経験を有しています。現在も中学校を中心に小学校や高等学校教員との交流を通して、国語教育の実践的な研究に取り組んでいます。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
実務経験を生かして授業内容を工夫しています。授業内容は、「授業づくり」を核とした課題解決的な学習活動をします。具体的には、模擬授業などの国語教室の実際から、国語科教育に関する諸問題について考え、理解を深めることになります。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
文部科学省(2017)『中学校学習指導要領』、『中学校学習指導要領解説 国語編』
文部科学省(2018)『高等学校学習指導要領』、『高等学校学習指導要領解説 国語編』
全国大学国語教育学会(2019)『新たな時代の学びを創る 中学校・高等学校 国語科教育研究』
【参考書・参考資料等】
各回の授業のテーマに合わせて、参考文献を紹介したり参考資料を配付したりする。