シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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社会科・公民科教育法1/公民科教育法Ⅰ | 2024 | 前期 | 火3 | 教職 | 中條 克俊 | チュウジョウ カツトシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
QC-TC3-A208
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
・講義を通して、我が国の社会系教科の成立と展開、学習指導要領の変遷、新教育課程における社会科・公民科の学習内容と構造などの検討を通して、社会科・公民科の目的、意義、課題を明らかにする。
・社会科・公民科における教材研究や教材づくり、学習指導案作成の仕方の演習を通して社会科授業づくりの基礎を体得する。
科目目的
この科目は、教職課程において各教科の指導法に位置付けられており、当該教科における教育目標、育成を目指す資質・能力を理解し、学習指導要領に示された当該教科の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに、様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付けることを目的とします。
到達目標
中学校社会科及び高等学校公民科の歴史的変遷や性格、学習指導要領に示された当該教科の目標や学習内容についての理解を深めるとともに、その学習内容の背景にある学問領域との関係を理解し、教材研究や学習指導案の作成に活用することができる。
授業計画と内容
第1回:オリエンテーション-自身の社会科・公民科授業体験を振り返る
第2回:近代学校カリキュラムにおける公民系教科の登場
第3回:我が国における戦前の公民系教科とその特色
第4回:初期社会科の成立とその性格
第5回:社会科・公民科学習指導要領の変遷と特色
第6回:新学習指導要領における公民科の構造・目標・内容
第7回:社会科・公民科における探求的な学習と学習指導
第8回:社会科学の研究成果を踏まえた教材研究の方法と教材づくり
第9回:生徒の社会認識や学力の実態を踏まえた授業設計
第10回:社会科・公民科の指導計画の内容と実際
第11回:社会科・公民科の学習指導案の作成方法
第12回:社会科・公民科学習指導案の作成(演習)
第13回:社会科・公民科における学習評価
第14回:まとめ-社会科・公民科の教員に求められる資質
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
(1)講義内容を振り返り、理解不十分と思われる項目または用語を確認すること。
(2)社会的視野を広げるために、公民科に関する文献、資料を読むこと。
(3)博物館、美術館等での文化財鑑賞並びに内外の映画鑑賞を通して、文化的素養を高めること。
(4)授業構成方法、生徒参加型の授業展開方法、授業のス キルなどを学んで学習指導案を作成するため
に、教材研究を行なうこと。
(5)社会情勢に敏感に反応し、新聞記事、インターネット等を活用して積極的に情報を収集・分析して授業
への活用方法を探り、学習指導案を作成すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 以下の3点で判断する。 ①単発の時事問題に関するミニレポート ②模擬授業の学習指導案 ③期末レポート (テーマ例)「私の社会科・公民科教育論」「課題図書を読 んで」 |
平常点 | 50 | 以下の3点で判断する。 ①授業への積極的参加・貢献度 ②意見表明の内容 ③リアクションペーパーの内容 |
成績評価の方法・基準(備考)
レポートと平常点から総合的に判断して、評価する。出席率が70%に満たない者、課題を提出しない者についてはE判定とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1981年4月から2017年3月までの36年間を埼玉県公立中学校社会科教員として子どもたちと共に多くの教育実践を積み上げてきた。社会科総体(地理的分野、歴史的分野、公民的分野)を視野に入れた授業づくりをめざし、子どもたちの社会認識を如何に育てるかを講師の研究テーマにしてきた。以下、公民的分野に関する講師の主な授業実践例を紹介しておきたい(カッコ内は授業づくりのポイント)。
憲法学習の授業展開例―大日本帝国憲法と日本国憲法(メディアの活用)
政治学習の授業展開例―現代政治と時事問題(メディアの活用)
経済学習の授業展開例―皿回しから始まる経済学習入門(メディアの活用)
国際理解学習の授業展開例(1)―日本軍「慰安婦」問題と日韓合意(メディアの活用)
国際理解学習の授業展開例(2)―SDGs・持続可能な社会に向けて(メディアの活用)
人権学習の授業展開例(1)―部落差別・黒人差別・民族差別問題(グループワークの活用)
人権学習の授業展開例(2)―LGBT・障がい者差別問題(グループワークの活用)
現代の課題の授業展開例(1)―高度経済成長と公害問題(ICTの活用)
現代の課題の授業展開例(2)―東日本大震災と防災教育(グループワークの活用)
現代の課題の授業展開例(3)―18歳選挙権と主権者教育(ICTの活用)
現代の課題の授業展開例(4)―沖縄と基地問題(グループワークの活用)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
埼玉県公立中学校社会科教員として子どもたちと共に積み上げてきた教育実践とその授業づくり過程を講義でくわしく伝えていきたい。
社会科、公民科授業では、教員主導の知識注入型の授業が多く見られるが、これからの教育に求められている力は自分の頭で考え自分の言葉で発表することができる思考力、発信力である。社会で通用できる力を身につけるために「暗記・再生型」(一斉学習)から「思考・発信型」(アクティブ・ラーニング)の授業への転換が求められている。公民的分野を中心にした講師の授業実践記録に基づいて、社会科の全体像を視野に入れた教育目標論、教材論、教育内容論、教育方法論、学力論、教師論、子ども論の探求をおこなうので、受講生は理論に根差した授業実践力を身につけてほしい。
その上で、中学校社会科公民的分野、高校公民科の学習指導案づくりとミニ模擬授業を通して、社会科・公民科教育の実践力ある教員の育成をめざしたい。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
《事前に購入しておいてください》
・『君たちに伝えたい④、ぼくが生まれた新宿、柏木団の人々と関東大震災。』
〈中條克俊著、梨の木舎、2023)
【参考書・参考資料等】
・・文部科学省(2017)『中学校学習指導要領解説 社会編』
・文部科学省(2018)『高等学校学習指導要領解説 公民編』
・『明日の授業に使える中学校《社会科》(第2版)』(2021年)大月書店
・その他、適宜授業で紹介する。