シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ベーシック演習Ⅰ | 2026 | 春学期 | 金4 | 商学部 | 河邑 肇 | カワムラ ハジメ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-AD1-01XS
履修条件・関連科目等
1年次配当の事前登録科目です。詳細はベーシック演習要項で確認してください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「Black or White? 日本の「優良企業」でなぜ過労死(Karoshi)が起きるのか?」
Karoshiという言葉は、2002年のオックスフォード英語辞典にその意味が初めて掲載されて以来、日本語がそのまま英語として認定されている、数少ない言葉の一つである。なぜか?それはKaroshi(過労死)という言葉によって表現されている現実が、世界の他の国や地域のどこにも存在しない現象だからだ。
これまでに公的に認定された過労死や過労自殺が発生した企業は例えば次のとおり。トヨタ自動車、電通、三井物産、三菱電機、みずほ銀行(旧富士銀行)、中部電力、東京海上日動火災保険(旧日動火災保険)、日立造船、Nikon、川崎製鉄、コマツ、日研化学、カルビー、オタフクソース、JTB、AGFなど。
ここには、皆さんが大学卒業後に働いてみたいと感じていた企業も含まれているだろう。
それではなぜ、世界でも日本でだけ過労死が発生しているのか。その仕組みを知り、過労死のない世界を展望するにはどうしたらよいのか,働き方に関する海外と日本の国際比較分析を通して明らかにすること、それがこの授業の目的である。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部スタンダード科目」として位置づけされている。この科目は、人文・自然・社会科学の幅広い分野にわたって設定された多様なテーマについて、討論・発表等を通じて大学生にふさわしい学修技法と研究のための基礎的能力を養うことを目的としている。
到達目標
まずは過労死の現実を具体的な事例の精査によって確認し、その要因を分析することで、日本企業において働くことの特質を理解すること。そのような現実が存在しない海外における働き方の特質を理解し、その要因を分析すること。さらに日本と海外の働き方の国際比較分析を通じて、日本においても過労死が発生しないようにするためには何が必要かを明らかにすること。それがこの授業の到達目標である。
授業計画と内容
(春学期)
第1回 特異な日本の採用・就職
第2回 入社式と新入社員研修
第3回 会社の共同体的上部構造
第4回 従業員組合ー「非常に非常識」な「労働組合」
第5回 会社による従業員の全時間掌握
第6回 自己変革できないBlack and White企業
第7回 「願うことはただ一つ、5時間以上寝たい」
第8回 「残業月平均15時間」の求人票
第9回 朝早くから夜遅くまで行動を管理され
第10回 災害対応による過労の末に
第11回 「給料泥棒!」と罵倒されて
第12回 脅迫された被害者なのに左遷されて
第13回 医療現場の過酷な労働
第14回 破れた新任女性教員の夢
(秋学期)
第15回 ある証券マンの過労死
第16回 トラック労働者の群像
第17回 工場・建設労働者の過労死
第18回 ホワイトカラーとOLの場合
第19回 斃れゆく教師たち
第20回 管理職と現場リーダーの責任
第21回 日本的生産システムと過労死
第22回 多発する20代若者の過労自殺と大学生の就活自殺
第23回 ハラスメントと過重労働のもたらす死
第24回 賃金不払い残業の手法と実態
第25回 日本的働きすぎと労働時間の二極分化
第26回 過労死が社会問題になって四半世紀
第27回 企業中心社会はいかにして成立したか
第28回 どうすれば過労死はなくせるのか?
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 平常点 | 100 | 授業への参加、授業での発言、レジュメの内容、議論の内容、など。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
熊沢誠『過労死・過労自殺の現代史ー働きすぎに斃れる人たちー』岩波現代文庫、2018年
野村正實『「優良企業」でなぜ過労死・過労自殺が?ー「ブラック・アンド・ホワイト企業」としての日本企業』ミネルヴァ書房、2018年
【参考文献】
鈴木良治『日本的生産システムと企業社会』北海道大学出版会、1993年
野村正實『トヨティズム: 日本型生産システムの成熟と変容』ミネルヴァ書房、1993年
森岡孝二『過労死は何を告発しているかー現代日本の企業と労働ー』岩波現代文庫、2013年
川人博『過労自殺(第二版)』岩波新書、2014年
渡邉正裕・林克明『トヨタの闇ー利益2兆円の「犠牲」になる人々ー』ビジネス社、2007年
鎌田慧『自動車絶望工場【新装増補版】』講談社文庫、2011年
出井康博『ルポ ニッポン絶望工場』講談社α新書、2016年
内田洋子、シルヴィオ・ピエールサンティ『イタリア人の働き方』光文社新書、2004年
熊谷徹『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか 』青春新書インテリジェンス、2015年
熊谷徹『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人 ドイツに27年住んでわかった 定時に帰る仕事術』 SB新書、2017年
堀内都喜子『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』 ポプラ新書、2020年
針貝有佳『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』 PHPビジネス新書、2023年
西村栄基『ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密』すばる舎、2024年
朴沙羅『ヘルシンキ 生活の練習』 ちくま文庫、2024年
【映像資料】
映画『蟹工船』1953年
映画『蟹工船』2009年
映画『アリ地獄天国』2019年(配信:アジアンドキュメンタリーズ)
映画『家族を想うとき(原題:Sorry We Missed You)』2019年
その他特記事項
特別なソフトウエアは使用しない。