シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スモールビジネス論 | 2026 | 春学期複数 | 月4,木2 | 商学部 | 砂川 和範 | スナガワ カズノリ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-MN3-33XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義は「スモールビジネス」という切り口から、現代のビジネスや社会の動きを幅広い視点で学ぶことを目的としています。私たちは仕事・家庭・地域・趣味など、多様な「顔」を持って生きていますが、効率性を重視する企業組織は、ときにその多面性を狭めてしまうことがあります。本講義では、そのような問題を「人間力(知性・感性・身体性の総合力)」という視点から考え、創造性や他者理解、失敗へのしなやかな向き合い方について学びます。
授業全体の背景には、ルネサンス以来の「人間の豊かさをどう育てるか」という問いがあります。経営学という枠組みを越えて、歴史・哲学・芸術・都市・家庭・文化、そして科学や技術など、多様なテーマに触れながら、みなさんが視野を広げ、ビジネスの世界を立体的に理解するヒントとなる知識を提供していきます。暗記ではなく、「感じる」「考える」学びを大切にし、思考の幅を広げることがねらいです。
スモールビジネスという領域は、単に「小さい企業の話」ではありません。社会の課題が複雑化するなかで、大企業中心の考え方では説明しきれない新しい動きが次々と生まれています。1999年の中小企業基本法改正は、その象徴的な出来事であり、スモールビジネスを古いモデルから脱却させ、起業や地域の挑戦を積極的に評価する方向へと進めました。現在はその枠組みも再検討されつつあり、スモールビジネスをめぐる環境はますます複雑で多様になっています。
そこで本講義では、スモールビジネスを理解するために次の七つの領域を学びます。
1.スモールビジネスをどう捉えてきたかというモデルの歴史
2.ビジネスにとっての「場所」や「空間」の意味
3.人と人とのつながり(社会ネットワーク/社会関係資本)
4.家族とビジネスの深い関係 (ファミリービジネス、家族社会学、家政学の応用問題)
5.観光・地域づくりとサステナビリティ
6.消費・創造性・クリエイティブエコノミー
7.経営思想・経営哲学・サイエンスの視点
これらは経営学だけでなく、社会学、文化人類学、地理学、観光学、都市研究など、さまざまな分野と重なり合う領域です。境界領域には、教科書だけでは学べない、今の社会を理解するうえでとても大事なテーマが多くあります。講義では、異なる分野の考え方を組み合わせながら、複雑な現代社会を読み解く練習をします。
また、ソーシャルイノベーション、シビックエコノミー、シェア経済、まちづくり、創造都市、サードプレイスなど、近年注目されるテーマにも触れます。こうした動きの中でスモールビジネスは、地域を支える新しい担い手として期待されています。さらに、ローカルに根ざしながらグローバルに行動する「グローカル企業」という視点も扱い、未来のビジネスのあり方を一緒に考えていきます。
「Small Business, Large Concern.」──小さなビジネスから、大きな世界が見えてくる。
本講義は、この言葉を合言葉に、受講生のみなさんが自分の興味に合わせて自由に考え、社会の未来を構想するためのヒントを提供します。スモールビジネスという入口を通して、現代社会・経済・文化の広いフィールドに触れる学びの場です。
科目目的
この科目は商学部カリキュラム上の商学部分野別専門科目経営系に位置付けられています。
経営学科目のなかで、スモールビジネスに固有のトピックについて講義するとともに、スモールビジネスを舞台にした様々な経営現象のもつ普遍的な問題について経営学から考える。また各トピックの内容に応じて関連する隣接領域の内容についても紹介解説を行う。例えば、社会学、文化人類学、経済学、地理学、観光学など。
到達目標
科目目的・到達目標
1.基本的な問題状況を理論、政策、歴史のかかわりで解説する。
2.スモールビジネスという実体的対象があると考える前に、スモールビジネスという視点にたって企業や市場、組織現象を考察することの面白さを理解する。
授業計画と内容
(1)イントロダクションー本講義の全体構成とコンセプト
(2)スモールビジネスの現状と捉え方から
■テーマ1「スモールビジネスを見る基本的視点と事例」
(3)スモールビジネスを捉えるモデル (1):二重構造と産業集積
(4)スモールビジネスを捉えるモデル(2):モデルの有効性と限界
(5)産業集積のダイナミズム:大田区機械金属工業のケース(前編)
(6)産業集積のダイナミズム:大田区機械金属工業のケース(後編)
(7)問題提起的考察:「弱さの力」と「ネットワーク」
■テーマ2「場所と空間からみたビジネス」
(8)場所と空間: 産業集積から市場空間へ(1)
(9)流通過程と商業集積、市場プロセス論: 産業集積から市場空間へ(2)
(10)事例: 「秋葉原」のメカニズム
■テーマ3「スモールビジネスをめぐる現象と視点」
(11)「ネットワーク」という視点 (1)スモールビジネスのネットワーク戦略
(12)「ネットワーク」という視点(2)社会ネットワーク分析の基礎
(13)「ネットワーク」という視点(3) 複雑系ネットワークと「スモールワールド現象」
(14)ネットワーカーとしての企業家:イノベーション戦略論と技術の歴史社会学からみたT. エジソン
■テーマ4「家族とビジネスとの関わり」
(15)家族とビジネス (1) :ファミリービジネスの特徴と課題
(16)家族とビジネス (2) : 家族システムとビジネス
(17)家族とビジネス (3) :ビジネス創造を考える相関社会科学的考察
■テーマ5「持続可能性の多面性と観光」
(18)持続可能な観光開発と企業家精神(1)大井川鉄道の事例:衰退産業における事業創造
(19)持続可能な観光開発と企業家精神(2) :事例分析をめぐる経営理論的探究
(20)持続可能な観光開発と企業家精神(3) :事例分析をめぐる経営理論的探究
(21)持続可能な観光開発と企業家精神(4):事例分析をめぐる観光学的探究
(22)持続可能な観光開発と企業家精神(5):事例分析をめぐる観光学的探究
(23)“Mobilities”(移動):観光学の最先端と展望
■テーマ6「創造性とビジネス」
(24)創造的消費ー自動車から考える(1) :製品開発、デザインの歴史にみる成功と失敗
(25)創造的消費ー自動車から考える(2) :消費形態の多様性と創造性から考える
(26)創造的消費ー自動車から考える(3) :事例分析から「消費」概念を再考する
■テーマ7「科学とビジネスをめぐる歴史と思想」
(27)大学の機能変容ー実学の再考ー(1) :科学と市場、大学とビジネス
(28)大学の機能変容ー実学の再考ー(2) :「実学」思想の歴史と経営思想・経営哲学
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
近視眼的な実用的知識のみならず広い視野を滋養する歴史、思想哲学、社会科学的な問題関心を広く持つこと。
また日経四紙の新規事業創造・ベンチャービジネス・中小企業・スモールビジネスに関する記事に、常日頃から意識的にあたること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 中間試験 | 35 | 授業において解説したトピックの理解度を確認するとともに、その応用力を評価する。テスト形式は○×選択方式で実施する。 |
| 期末試験(到達度確認) | 35 | 授業において解説したトピックの理解度を確認する。テスト形式は○×選択方式で実施する。 |
| 平常点 | 28 | 出席点。皆勤はボーナス点を付与する。 |
| その他 | 2 | 発言や優れたフィードバックなどクラス運営への貢献に応じてボーナス点を付与することがある。 |
成績評価の方法・基準(備考)
中間テスト、期末テストの成績分布に応じて、公平性を担保したうえで、評価基準を緩和、変更することがあります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
講義資料を毎回manabaにて事前に配布します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
〔参考書〕
その他特記事項
〇利用するソフトウェアについて
出席確認については、Responを使用します。
また課題出題・提出、授業についてのQ&Aなどについてはmanabaを使用します。