シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本史学特殊研究ⅡB | 2025 | 後期 | 木4 | 文学研究科博士課程後期課程 | 榎原 雅治 | エバラ マサハル | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JH6-116L
履修条件・関連科目等
日本中世後期の研究史や近年の研究動向についての基礎的知識を習得していること。日本中世史に関する講義、演習は並行して履修してほしい。日本史特殊研究ⅡAと継続して履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本史演習で取り上げる『看聞日記』と同時代には、公家や僧侶の日記が多数残されている。それらも併読することによって、多角的な観点から、この時代の政治や社会をより深く理解することを試みたい。本年度は『公名公記』を題材として、『看聞日記」とは違った観点から、同時代がどのように記述されているかを検討する。近年、この時代に関する研究は急速に進んでおり、研究論文も多い。それらも参照しながら、当該期の政治、社会についての考察を深めていきたい。
科目目的
『公名公記』は翻刻された刊行物がなく、西園寺公名自筆本を写真で読み進める。そのため、室町期の崩し字の解読する必要があるが、崩し字で書かれた文章は文字の形だけで読めるものではない。その時代の政治的・社会的な構造、記主を取り巻く人物関係、用語や文体の特徴などに関する知識を総動員しなければ読むことができない。日本史演習で取り上げる『看聞日記』や関連する研究論文で得た知識を応用して、テキストを正しく読解することを目的とする。
到達目標
中世史料を自分の力で正確に読み、学術論文を書ける基礎学力を身につけることを到達目標とする。『看聞日記』『公名公記」ともに、さまざまな記述にあふれており、多様な観点から分析できる内容をもっているので、参加者がそれぞれに課題を設定して、関連する他の史料や研究論文を参照しながら、室町期の政治、社会についての新たな知見を示すよう努力してほしい。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション(授業計画)
第2回 『公名公記』永享12年6月上旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第3回 『公名公記』永享12年6月中旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第4回 『公名公記』永享12年6月下旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第5回 『公名公記』永享12年7月上旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第6回 『公名公記』永享12年7月中旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第7回 『公名公記』永享12年7月下旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第8回 『公名公記』永享12年8月上旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第9回 『公名公記』永享12年8月中旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第10回 『公名公記』永享12年8月下旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第11回 『公名公記』永享12年9月上旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第12回 『公名公記』永享12年9月中旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第13回 『公名公記』永享12年9月下旬記の解読と関連史料をふまえた室町期社会についての考察
第14回 前期授業を通じての総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業参加者による輪読とするので、参加者は全員事前に自分で解読を試みておくこと。崩し字に習熟するには復習が不可欠であるので、授業時に読んだテキストは必ず、復習すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 報告の担当を決め、授業時に報告する。 |
平常点 | 50 | 発言の積極性、予習状況、他の受講生とのコミュニケーション |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
講読する史料から、各自の関心に従って課題を見つけ、小報告を行う。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
オンラインによる授業も取り入れる。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト 『図書寮叢刊 看聞日記』
参考文献
横井清『室町時代の一皇族の生涯 『看聞日記』の世界』(講談社学術文庫)、2002年
桜井英治『室町人の精神』(講談社学術文庫)、2009年
松岡心平編『看聞日記と中世文化』 森話社、2009年
榎原雅治『室町幕府と地方社会』(岩波新書)、2016年