シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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公共経済学 | 2024 | 前期複数 | 火4,金2 | 経済学部 | 中村 彰宏 | ナカムラ アキヒロ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-PB2-01XX
履修条件・関連科目等
特にありません
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
まず、公共経済学がどのような視点から社会を分析するかを明らかにします。市場機構の資源配分機能について理解するとともに、市場機構による資源配分結果の評価について解説する。市場が効率的な資源配分を導かないケースをカテゴライズし、項目ごとにその理論背景と政策による具体的な補正方法について解説します。また、資源配分の効率性以外の公正面からの政策の在り方についても解説します。講義では、実際の政策を例に挙げながら公共経済学の諸概念を解説します。
科目目的
公共経済学の考え方の理解を目標とする。
到達目標
公共経済学は、市場が十分に機能しないケースにおいて、政府をはじめとした「公共」部門が果たす役割を明らかにします。様々な市場への政府介入根拠や、介入の在り方を経済学的な視点から明らかにすることから、様々な市場を分析する際の基礎的な理論でもあります。本講義では、将来的に学習すると想定される関連分野の学習に必要な基礎的な理論を習得することを目標とします。具体的には、下記の到達目標の達成を目指します。
・どのような場合に政府が市場取引に介入する方が良いのかを理解・習得する
・どのような政策が市場で得られる成果をより良い状態にするかを理解・習得する
授業計画と内容
1. イントロダクション・公共経済学とは
2. 消費者行動の捉え方
3. 生産者行動の捉え方
4. 厚生経済学の基本定理
5. 市場機構の効率性
6. 効率と公正
7. 市場の失敗と政府の失敗
8. 情報の非対称性、不確実性、リスク
9. 情報の非対称性と不確実性への対応
10. 外部性・私的限界費用と社会的限界費用
11. 金銭的外部効果と技術的外部効果・限界外部効果
12. 外部性への対応策:課税と補助金
13. 外部性への対応策:交渉による解決
14. これまでの復習と理解度の確認
15. 公共財の理論
16. 公共財の最適供給
17. 公共財の自発的供給
18. リンダール均衡と具体的な公共財の供給
19. ゲーム理論の初歩
20. 自然独占性、費用の劣加法性
21. 自然独占性への対処方法:参入規制
22. 自然独占性への対処方法:価格規制
23. インセンティブ規制
24. 再訪:政府の失敗、効率と公正
25. 所得再分配政策の考え方
26. 間接補助政策と直接補助政策
27. 公共経済学で見る日本の産業政策・規制
28. 総括・まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義で扱うキーワードを、インターネット等で予習・復習することを期待します。
講義後は、講義中に不明確であった点を可能な限り掲示板等で質問してください。掲示板で質問することにより他の学生とも情報共有させてください。テキストで回答することは難しいことも多いため、質問等に対しては次の講義での回答になります。
講義のフィードバックと理解度確認を兼ねて、単元ごとにmanabaのアンケート機能を用いた確認を行います。回答結果は、平常点にも加算されますので回答期限に注意して回答してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 25 | manabaでオンライン上の確認問題を配布し回答してもらいます。指定した一定期間(予定では授業時間を含む前後3時間程度)で回答してもらう形式です。 |
期末試験(到達度確認) | 75 | 期末テストを実施します。相対評価となります。最高得点をとった人の点数が満点となります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
評価割合のパーセントについては、中間試験の問題数等によって、一桁%程度の範囲で割合が変更される可能性があります(全体が100となるように調整します)。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
個別質問に対しても、基本的にはクラス全体への回答をします。そのため、質問等は、できる限り掲示板等でもらえるとありがたいです。ただし、テキストで回答することは困難なことも多いため、質問等への回答は、次の回の講義で説明するほか、動画を撮影しての回答とすることがあります。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
講義内で、リアルタイムで皆さんにフィードバックをもらうために、manaba内の機能を使うことがあります。その際は、スマホからのアクセスで十分です。講義に出ているけれど、スマホを持っていないケースはその時に伝えてもらえれば大丈夫です。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
総務省(郵政省)での勤務経験があります
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
特にICTの分野、具体的には、携帯電話市場やインターネットコンテンツ市場などで議論される政策視点について、具体的な政策事例を講義内で取り上げて議論します。公共政策の理論を学ぶ中で、身近で具体的な政策を実例として理論にあてはめて考えることは、学んだことを応用できるようになるために有益だと考えています。
テキスト・参考文献等
テキストは指定しません。講義資料をpdf形式で、事前にmanabaにアップロードします。講義は資料をダウンロード・印刷して臨んでください。
参考文献について、公共経済学の講義は、かなり標準化されています。そのため、講義で取り扱うトピックの多くは、標準的な「公共経済学」の教科書であればカバーされています。参考文献については、講義中にも適宜紹介しますので、それらを参考に適宜自身にあった本・記事・論文(オンライン含む)などを参考にしてください。