シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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計測と制御(旧-20) | 2024 | 前期 | 他 | 理工学部 | 樋口 知之 | ヒグチ トモユキ | 4年次配当 | 2 |
履修条件・関連科目等
本科目はカリキュラム改正を行いましたので、
「時系列解析」
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授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
時間とともに変化するデータ、つまり時系列データはあらゆるところで観察される。この時系列データの統計的モデリングの方法について講義する。時系列データの統計的特性が時間に依存しない時系列を定常時系列、そうでないものを非定常時系列と呼ぶ。実世界で観察される時系列データは、ほぼ非定常時系列データであるため、非定常時系列データの統計的モデリング法のみ取り扱う。非定常時系列モデリング法を支える数理と、モデル内のパラメータ等の推定アルゴリズムを解説する。実社会の時系列データは多次元であり、最近その次元は増える一方であるが、理論等を理解することが主たる目的であるため、一次元時系列データを扱い、理解の促進をはかる。
科目目的
時系列データは、実世界では典型的な、また現実を考えると本質的なデータのタイプである。その予測には条件付き確率分布のモデル化が必須であるため、統計学および機械学習の分野ではその重要性にかかわらず、学べる機会が少ない。一方、初学者向けの時系列解析は、平均と共分散が時間に依存しない、定常時系列の理論と分析手法から始まる。しかしながら、実世界のデータはほぼすべて非定常である。授業では、卒業研究のテーマで時系列解析を行う学生向けに、非定常時系列データを解析する上での心構えと基本的な知識を解説する。特に、実解析にあたり必須となるモデリングのスキルおよび、モデリングを計算機上で実現するための計算アルゴリズムを解説する。
到達目標
以下を到達目標とする。
・定常時系列データと非定常時系列データの違いが説明できる。
・非定常時系列データを定常時系列データに変換する具体的な手段を、問題に即して挙げられる。
・非定常時系列データの特性を統計モデルとして表現できる。
・マルコフ性が説明できる。
・逐次ベイズフィルタのアルゴリズムが解説できる。
・シンプルな状態空間モデルに対して、粒子フィルタでもって状態ベクトルの推定を行うアルゴリズムが書ける。
・カルマンフィルタと平滑化アルゴリズムの、操作的かつ情報処理的意味を説明できる。
・実際の時系列データの予測に関する戦略が立てられる。
授業計画と内容
第1回 概論: 離散時刻時系列
第2回 定常性と非定常性
第3回 非定常時系列解析手法の応用例の紹介
第4回 自己回帰(AR)モデル、パワースペクトル分析
第5回 トレンドモデル
第6回 季節調整モデル
第7回 状態空間モデルと逐次ベイズフィルタ
第8回 状態ベクトルの拡大法とパラメータ推定
第9回 粒子フィルタの基礎となる数学
第10回 粒子フィルタのアルゴリズム
第11回 乱数発生法とリサンプリング
第12回 粒子フィルタの応用
第13回 カルマンフィルタと平滑化アルゴリズム
第14回 スパースモデリング(LASSO、圧縮センシング、NMF)の概説
◎ 以上は目安である。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 40 | 授業への参加、受講態度(授業内での課題への取り組みやアンケートへの回答への姿勢)の状況を基準とする。 |
その他 | 60 | 2,3回毎に、小テストを行う。前回の小テスト以降の講義内容の基礎知識が習得できたかどうかを評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:
(1)樋口知之 著、予測にいかす統計モデリングの基本 改訂第2版―ベイズ統計入門から応用まで 、講談社、2022、ISBN: 978-4065285701
参考文献:
(1)北川源四郎 著、時系列解析入門、岩波書店、2005、ISBN: 978-4000054553
※テキスト(1)で取り扱わない、カルマンフィルタおよび平滑化アルゴリズムが解説されている。
※R言語による解説が追記され
「Rによる 時系列モデリング入門」、岩波書店、2020、ISBN: 9784000050159
として改訂出版されたばかり。
(2)野村俊一 著、カルマンフィルタ―Rを使った時系列予測と状態空間モデル―、共立出版、2016、ISBN: 978-4320112537
※テキスト1をよりコンパクトにし、ややアドバンストな内容を取り扱っている。実データ解析を丁寧に示している。
(3)馬場真哉 著、時系列分析と状態空間モデルの基礎 RとStanで学ぶ理論と実装、プレアデス出版、2018、ISBN: 978-4903814872
※具体的にデータ解析をする上で、手に取りながらプログラムを試せる有用な教科書。
その他特記事項
この科目は教職(情報)の必修科目です。 ※2019年度入学生まで
参考URL
https://researchmap.jp/matrix/