シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マルチメディア情報処理 | 2024 | 後期 | 水4 | 理工学部 | 趙 晋輝 | チョウ シンキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-PI3-8C67
履修条件・関連科目等
「線形代数」、「確率統計」、「ディジタル信号処理」の履修が必要である。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
AIや機械学習における、深層学習の多層ニューラルネットをはじめ、メディア処理技術の基本原理と方式を紹介する。
まず、メディア情報の担い手である信号を空間として捉えるとき、内積空間から位相幾何学また微分幾何学的な構造を利用して、脳の情報処理をコンピュータで実現する人工神経回路網と機械学習の基礎理論を紹介。
具体的に、ニューラルネットの基礎から、教師なし学習(自己組織学習)、空間の線形分離と層状ネットワーク、そして教師付き学習を解説し、誤差逆伝搬法も含め、さらに深層学習とSVMそしてカ―ネルマシンなどの技術を紹介。特に、深層学習に対するAdversarial exampleやGAN、AE,VAEなどの最新課題についても言及。
次に、色彩科学の基礎知識と理論そして色彩情報処理の基本方式を紹介。特に人間の色彩知覚における非客観性、非再現性と非線形性の対応するために、リーマン空間を導入し、色彩情報処理への応用と色弱補正を言及する。さらに、上記理論の発展形として、多様体学習方式を紹介。
そして、直交射影の理論と最適直交変換、独立成分分析の理論と、パターン認識やデータマイニング及び著作権保護のための不変特徴量などの理論と最近の動向についても紹介する。
科目目的
AI人工知能とヒューマンメディア情報処理の基本理論と基本方式を習得すること。
到達目標
信号空間と内積空間の概念、Schwartz不等式の理解。教師なし学習、層状ニューラルネットによるパターン認識、教師付き学習方式、特に逆誤差伝搬法の理解。色彩情報の表現と、表色系と色空間と色度座標の概念。色空間のリーマン幾何学性質と色弁別閾値。直交射影と線形予測の正規方程式の導出。KL変換の性質と計算。
授業計画と内容
第1回 内積と信号空間の幾何学
第2回 脳とニューロンコンピューター
第3回 連想記憶、自己組織と教師なし学習
第4回 空間の線形分離と層状ネットワーク
第5回 教師付き学習とパーセプトロン
第6回 多層ネットの学習とDeep learning
第7回 カーネルマシン概要と諸例
第8回 敵対学習と生成ネットGAN
第9回 人間の色覚と色彩情報基礎
第10回 混色と凸結合、色度図と色度座標
第11回 表色系と色空間のリーマン幾何学
第12回 直交射影と音声の線形予測モデル
第13回 最適直交変換とPCA
第14回 非線形PCA,AE,VAEと多様体学習
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各回講義後演習問題とクイズに対する解答に基づき復習を行い、講義内容の理解と問題の解き方、考え方を確認すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 70 | 基本概念の定義と基本定理の結論を記憶し、その意義を理解する。基本方式とアルゴリズムの原理と導出を理解し、応用問題に適用して答えを求められる。 |
レポート | 30 | 基本概念の定義と基本定理の意義を理解して、毎回授業の演習問題とクイズを正しく解答できる。また、基本方式とアルゴリズムの原理と導出を理解し、プログラム課題に適用してC言語により独自にプログミングして実装することができる。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業期間中に、プログラム課題を出題して、レポートを提出してもらう。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業内容の理解度を高めるために、授業時間中から授業終了後30分以内に、クイズという形でマナバによる小テストを実施する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:講義の際にプリントを配布する。
参考文献:[1] C.M.ビショップ「パターン認識と機械学習 上、下」Oxford Univ. Press、1995
[2]Ian Goodfellow, Yoshua Bengio他 「深層学習」KADOKAWA
[3] 篠田、藤枝 「色彩工学入門」森北出版
[4] Rosenfeld,Kak著、長尾訳 「ディジタル画像処理」 近代科学社
その他特記事項
参考URL
jchao@ise.chuo-u.ac.jp http://www.ise.chu-u.ac.jp/ise-labs/jchao-lab/