シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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言語・記号論 | 2024 | 前期 | 月4 | 理工学部 | 金澤 忠信 | カナザワ タダノブ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-LG1-HB05
履修条件・関連科目等
言語学および記号論についての予備知識は必要ありませんが、言語や記号についての好奇心は不可欠です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
私たちは「言語」や「記号」を四六時中用いて大学生活、日常生活を営んでいますが、ごくありふれたものであるがゆえに、ふだんほとんど意識することはありません。この科目では、まずそもそも「言語」とは何かを問い、そしてこれまでの「言語」の問い方の歴史をたどります。特に20世紀後半に興隆した記号論あるいは構造主義の理論および方法論の基礎を学びます。さらに、それらの理論・方法論を応用した研究や芸術作品を読解・鑑賞します。
科目目的
20世紀後半に興隆した記号論や構造主義は、21世紀に入って下火になったというよりは、もはや常識になったと考えてよいでしょう。それは言語学の理論をモデルにしながら、理系も含め様々な学問分野にも適用・応用されました。この「言語・記号論」は、いわゆる「文理融合」を念頭に置いて、理工学部の学生にとっても役立つような、記号論の理論、方法論、応用例などを分かりやすく紹介・解説します。
到達目標
言語の本質および言語と思考の関係を理解する。「言語」について様々な問い方がある(あった)ことを知る。話される言語も、書かれる言語も、数理言語も、同じ言語「体系」であることを認識する。身の周りの社会的・文化的事象を記号論的に分析・考察する能力を身につける。さらに、将来的には、この科目を通じて知り得た言語理論・記号理論を駆使して、複雑で多層的な社会を読み解き、新たな社会のあり方を模索・創出する人材になる。
授業計画と内容
第1回 言語とは何か
第2回 言語と思考
第3回 言語と歴史/言語の歴史
第4回 一般言語学
第5回 記号と体系
第6回 記号学の兆し
第7回 音韻論
第8回 構造人類学
第9回 神話の構造
第10回 心の記号論
第11回 絵画の記号論
第12回 映画の記号論
第13回 都市の記号論
第14回 まとめ(到達度確認)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回授業中に問い・課題を出します。それについて調べ、考え、自分なりの答えを書いてミニレポートとして提出してください。また、適宜参考文献や映画、絵画、音楽などの芸術作品を指定しますので、それを読んだり見たり聞いたりしておいてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 100点満点で、60点以上が合格の目安。 |
平常点 | 40 | 毎回授業時に出される課題にそってミニレポートを執筆しmanabaに提出。授業についての感想や質問を書いてもよい。 |
成績評価の方法・基準(備考)
①期末試験[問1]穴埋め問題(40点)、[問2]語句・用語の説明(30点)では、用語・概念がしっかり身についているかどうか、[問3]論述問題(30点)では、理論・方法論を理解し、自分であげた例に適用しながら説明することができるかどうかが問われます。
②原則的に、授業数の3分の2以上の出席およびミニレポートの提出が必要です。ミニレポートは、その質・量を評価の対象とします。授業の内容を踏まえたうえで、指定された課題にきちんと答えているかどうか、論理的で分かりやすい文章であるかどうかが問われます。次の授業で、意見・感想の紹介、質問への回答をします。試験が苦手な人あるいは上位の成績を目指す人は、毎回のミニレポートをしっかり書くようにしてください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaの活用
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
■資料は毎回配布します。
■参考文献:
★『プラトン全集2 クラテュロス・テアイテトス』水地宗明・田中美知太郎訳(岩波書店、1974年)
★エドワード・サピア『言語』安藤貞雄訳(岩波文庫、1998年)
★B・L・ウォーフ『言語・思考・現実』池上嘉彦訳(講談社学術文庫、1993年)
★今井むつみ『ことばと思考』(岩波新書、2010年)
★フェルディナン・ド・ソシュール『新訳ソシュール一般言語学講義』町田健訳(研究社、2016年)
★ロイ・ハリス、タルボット・J・テイラー『言語論のランドマーク』斎藤伸治・滝沢直宏訳(大修館書店、1997年)
★ロマーン・ヤーコブソン『一般言語学』川本茂雄監修(みすず書房、1973年)
★クロード・レヴィ=ストロース『構造人類学』荒川幾男他訳(みすず書房、1972年)
★J.=M. ドムナック編『構造主義とは何か』伊藤守男・谷亀利一訳(平凡社、2004年)
★内田樹『寝ながら学べる構造主義』(文春新書、2002年)
その他の参考文献については適宜指示します。