シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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多国籍企業論 | 2024 | 前期 | 金2 | 経済学部 | 小森谷 徳純 | コモリヤ ヨシマサ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-NE3-62XX
履修条件・関連科目等
関連科目:国際経済学,国際経済政策,産業構造論
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき,現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
本講義ではグローバルな環境における企業に関する内容を扱います。そこでは「どこから」と「だれから」という2つの視点が重要になります。まずは「どこから」を理解するために,貿易理論の話をし,そして「だれから」を理解するために,内部化理論の話をします。
次にそれらに基づいて,多国籍企業が直面する各種の問題や課題を経済学的に考えます。具体的には国際的な立地選択,ライセンシングやアウトソーシング,そして租税回避行動という企業行動について学びます。また多国籍企業に直面する政府の対応についても講義をします。
なお本講義では現実を知ることと,その現実を経済学的に理解することの2つを両立させることを心掛けています。
科目目的
グローバルな環境における企業を経済学的に考えられるようになることを本講義の目的とします。
到達目標
目標は以下の通りです。
1. 多国籍企業の実際の行動を把握すること
2. 多国籍化するという企業行動の中から最低1つは経済学を用いて適切に説明できるようになること
3. 多国籍化した企業の行動の中からも最低1つは経済学を用いて適切に説明できるようになること。
授業計画と内容
1. ガイダンスおよびイントロダクション: 多国籍企業に関する事実
2. 伝統的貿易理論(1): リカード・モデル
3. 伝統的貿易理論(2): ヘクシャー=オリーン・モデル
4. 現代の貿易理論(1): 新貿易理論と新々貿易理論
5. 現代の貿易理論(2): フラグメンテーション/産業集積
6. 国際的生産ネットワーク
7. 内部化理論
8. 海外進出の方法(1): 輸出か直接投資か
9. 海外進出の方法(2): 直接投資かライセンシングか
10. アウトソーシング
11. 多国籍企業の技術移転と技術のスピルオーバー
12. 国際課税(1): 国際課税制度
13. 国際課税(2): 多国籍企業の租税回避行動,タックス・ヘイブンと租税競争
14. 総括
*各トピックで,比較的新しい論文を1本紹介することを考えています。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
レジュメや資料は基本的にmanabaで事前入手できるようにしますので,講義前に読んでくるように努めて下さい。これは講義を「ゼロから教えてもらう場」ではなく「理解を高める場」にするためです。
講義後は与えられた課題に取り組みながら自らの理解を再確認するように努めて下さい。
また日頃から直接投資や多国籍企業いうキーワードを頭において,積極的にニュースを見聞きするように心掛けて下さい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 講義内容を理解しているかどうか。トピックを経済学に基づいて議論できるか |
平常点 | 30 | 小テストと課題。講義内容を理解しているかどうか |
成績評価の方法・基準(備考)
小テストと課題の出題は合わせて複数回行ないますが,小テストを実施せず課題のみ,あるいはその逆になる可能性もあります。
期末試験の内容の一部を持ち帰りテスト(=レポート)にすることがあります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
簡単な提出物を「manaba」と通して提出してもらい,その一部を授業時間内に活用しています。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
テキストは指定しません。レジュメや資料を配布します。
【参考書】
伊藤恵子・伊藤匡・小森谷徳純『国際経済学15講』新世社,2022年(ISBN: 9784883843572)。
*国際経済学(国際貿易)のテキストであれば何でも構いません。
奥村皓一・夏目啓二・上田慧『テキスト多国籍企業論』ミネルヴァ書房,2006年(ISBN: 9784623038930)。
【推薦書】
清田耕造『拡大する直接投資と日本企業 世界のなかの日本経済:不確実性を超えて』NTT出版,2015年(ISBN: 9784757123199)。
冨浦英一『アウトソーシングの国際経済学―グローバル貿易の変貌と日本企業のミクロ・データ分析』日本評論社,2014年(ISBN: 9784535556911)。
Head, Keith (2007) Elements of Multinational Strategy, Springer (ISBN: 9783540744382).
その他特記事項
オフィスアワーを積極的に活用して下さい。他の授業と時間が重複している場合は,事前に連絡をもらえればオフィスアワー外でも対応します。