シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
情報社会と倫理・職業 | 2024 | 後期 | 金5 | 理工学部 | 家本 繁 | イエモト シゲル | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-IE1-HB31
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、情報とは何か、インターネットの歴史、情報化によるビジネス環境の変化、人工知能やビッグデータの影響、プライバシー保護の問題、著作権や特許など情報資産である知的財産の保護と活用の問題、監視社会、生命科学の進歩によりもたらされる生命と情報の新たな関係、教育の情報化等など、情報社会を様々な切り口から概観しながら、情報社会における労働観や倫理上問題となるテーマを取り上げていく。
講義には反転授業を取り入れ、①提示されたテーマに関する資料等を元に予習をし、②授業内では予習状況を確認し、テーマについて教員・学生同士で議論をする形で実施していく。なお、②では、可能な限り毎回具体的事例を取り上げ、履修者の皆さんそれぞれに解決策を提示して頂く。これは具体的事例の検討を受講者各自が行い、そしてそれぞれ自分とは異なる見解を理解することによって、倫理観をベースとした普遍的なものの見方、考え方を習得することを目的としているからである。
倫理や常識という問題は、多くの場合、絶対的な正解はなく、数年前まで正解とされていたものが間違いと評価されることも十分にあり得る。自分の考えを整理して説得力のある意見を提示できることを期待している。
科目目的
現代の情報通信技術の進歩はめざましく、現実の空間と情報の支配するサイバー空間の区別を曖昧にし、そして、一個人の何気ない行いが世界の情勢に多大な影響を与える事例も珍しくなくなってきた。
他方で、これまでは些末なテーマでしかなかったセキュリティ、プライバシーなどの問題が、情報社会の影の部分の表出という形で社会に大きく投げかけており、さらに近年、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータなどの登場で、これまで議論されてこなかった問題が生じてきている。
我々が、情報社会をよりよく生きていく上で、情報通信技術の現状、情報社会の法制度、情報社会の中で現在生じている問題などについての基礎的な知識を身につけつつ、取り得る労働観や倫理観の涵養を目指す。
到達目標
現在生じている情報関連の様々な問題に対し、疑問の目を向けられるようにする。その際に、自ら「問い」をたて、自説のみならず他者の見解に耳を向け、そして解決に導くための行動力を身につけられるようにする。
授業計画と内容
近年問題となった事例も紹介しつつ、情報社会について様々な角度からの情報を提供していく。
講義の進捗状況によって、講義内容に変更があり得ることに注意。
1 イントロダクション(講義およびディスカッション)
2 情報とは、情報社会の歴史:デジタル化、ネットワーク化の急速な進行と社会の変化(演習およびディスカッション)
3 情報技術と人間の未来:人工知能、モノのインターネット、ビッグデータなど(演習およびディスカッション)
4 倫理とは:具体的事例を考え、議論することにより多様な考え方があることを理解し、SNSの利用などにおける「自由」とは何かについて考える(演習およびディスカッション)
5 情報セキュリティの侵害と対策:セキュリティ侵害事例、技術と法の関係 (演習およびディスカッション)
6 個人情報保護とプライバシー:個人情報保護法とその改正(演習およびディスカッション)
7 知的財産権:産業財産権・著作権の制度、侵害事例(演習およびディスカッション)
8 科学情報の伝達と理解:科学者・技術者と一般人との情報格差、科学情報の伝達における課題(演習およびディスカッション)
9 ネットビジネスの発展と特性:インターネットの歴史、電子商取引、べき法則など(演習およびディスカッション)
10 ソフトウェア産業とITエンジニア:ソフトウェア・情報処理サービス産業,およびITエンジニアの仕事(演習およびディスカッション)
11 シェアリング・エコノミー:ICTを活用した新しい経済活動とその価値(演習およびディスカッション)
12 コンテンツビジネス:ICTを活用した新しい経済活動とその価値(演習およびディスカッション)
13 イノベーションとデザイン思考:ユーザー(顧客)のニーズを深く理解することで得られる新しい価値(演習およびディスカッション)
14 これからの情報社会(演習およびディスカッション)
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
普段から情報と社会の問題に関する新聞、雑誌記事に関心をもって読むこと。毎回講義前にmanabaにアップロードする講義資料に目を通し、ポイントを理解した上で出席すること。復習として講義で取り上げた事例などについて自分の考えをまとめてほしい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 100 | 毎回の授業の理解度、ディスカッションへの参加、自らの問題意識と考察を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
manabaを通じた質問に対応する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト・参考文献等
豊田雄彦、加藤晃、鈴木和雄『情報と職業 改訂4版』電気書院、2023年3月
梅本吉彦『情報社会と情報倫理 改訂版』丸善出版、2020年1月
駒谷昇一、辰己丈夫『情報と職業 改訂2版』オーム社、2015年11月
「キャリア教育」文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/index.htm
上記以外の資料は授業中に配布します。
その他特記事項
特に履修条件はないが、情報の技術面だけでなく、その法や倫理面にも関心がある者を対象にしている。
本科目は、教員・学生同士のディスカッションを中心としたアクティブ・ラーニングを実施している。学生たちの積極的な授業参加を歓迎する。新聞、雑誌等で情報と倫理に関するニュースに常に目を通し、自ら考えることを習慣化していて欲しい。
ディベートなどの関係で、授業時間100が超過する場合もあるが、大幅に超過する予定はない。