シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 演習Ⅰ | 2026 | 春学期 | 火4 | 商学部 | 小野 有人 | オノ アリト | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-11XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・卒業論文はセット履修科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕ジェンダー格差を考える
本演習では、学生が(1)金融・経済に関する特定のテーマについて主体的に学び、(2)自分自身の研究テーマをみつけて卒業論文を作成すること、を目指します。(1)について、本年度は「ジェンダー格差を考える」をテーマとします。
ジェンダー格差の解消と女性活躍の推進は、日本のみならず世界中で大きな課題となっています。経済学では、ジェンダー格差がどのように生じてきたか、その原因や解決策は何かについて、多くの研究が積み重ねられてきました。2023年には、この分野で先駆的な研究を行ってきたクラウディア・ゴールディン教授(ハーバード大学)がノーベル経済学賞を受賞しています。また近年は、一般向けの良書も数多く出版されています。本演習では、ジェンダー格差に関する書籍や専門的な研究論文を手がかりに、データを用いた実証分析の方法を学び、人々の価値観にも関わる問題をどのように考えていけばよいかを一緒に学んでいきます。
演習Ⅰ(3年次春学期)では、ジェンダー格差を経済学に基づき考察している文献を輪読します。受講生が経済学の実証分析に関する基礎的な知識を習得して、ジェンダー格差について論理的に考察できるようになることがゴールです。
演習Ⅱ(3年次秋学期)では、ジェンダー格差に関する実証分析を行っている、より専門的な文献を輪読します。また、その準備作業として、統計学・データ分析のテキストの輪読・実習を行います。卒業論文の作成に必要となる実証分析のスキルを習得することがゴールです。なお、参加者と相談のうえ、輪読の代わりにグループワークを行う可能性があります。
演習Ⅲ(4年次春学期)では、卒業論文作成の準備作業を行います。具体的には、卒業論文のテーマ選び、関連文献の収集とその内容の報告、データ収集などを行います。進捗状況を、教員・他のゼミ生に報告しながら、研究テーマを確定し、データベースを完成させます。また、卒業論文のスケルトン(論文の「骨格」を示した文書)案を作成します。
演習Ⅳ(4年次秋学期)では、卒業論文を作成します。分析結果を教員・他のゼミ生に報告しながら、スケルトンを肉付けし、卒業論文を完成させます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置付けられています。この科目での学習を通じて、学生がESG投資に関する認識を深めるとともに、「主体的学習能力」(商学部ディプロマ・ポリシーの<卒業するにあたって備えるべき知識・能力・態度>の一つ)を習得することを目的としています。
到達目標
(1) ジェンダー格差について自分なりの考え方を持ち、説明できるようになること。たとえば「ジェンダー格差を解消するためにはクォータ制を導入すべきである。」という主張に対して、賛成か反対か、その論拠は何かを説明できるようになること。
(2) 学術論文のスタイルに即した卒業論文を作成できるようになること。具体的には、研究テーマの意義、検証可能な分析仮説の設定、仮説を検証するための方法の考案、分析結果の導出とその考察、を分かりやすく伝える論文を作成すること。
授業計画と内容
※以下を予定していますが、ゼミ生と相談のうえ授業内容を変更する可能性があります(輪読テキストの変更、グループワークの実施等)。4年次の演習III、IVのうち、[]内は2020年度卒業生の事例です。
演習Ⅰ
第1回 ガイダンス(自己紹介、輪読分担の決定など)
第2回 牧野(2023)序章
第3回 牧野(2023)第1~2章
第4回 牧野(2023)第3~4章
第5回 牧野(2023)第5~6章
第6回 牧野(2023)第7~8章
第7回 中間まとめ
第8回 牧野(2023)終章、大湾(2025)序章
第9回 大湾(2025)第1章
第10回 大湾(2025)第2章
第11回 大湾(2025)第3章
第12回 大湾(2025)第4章
第13回 大湾(2025)第5章
第14回 まとめ
演習Ⅱ
第15回 ガイダンス(輪読分担の決定など)
第16回 畑農・水落(2022)序章、第1章
第17回 畑農・水落(2022)第3章
第18回 畑農・水落(2022)第4章
第19回 畑農・水落(2022)第5章
第20回 畑農・水落(2022)第6章
第21回 畑農・水落(2022)第7章
第22回 畑農・水落(2022)第8章
第23回 畑農・水落(2022)第9章
第24回 中間まとめ
第25回 データベースを探す
第26回 研究論文輪読(1):シンプルな回帰分析を行っている実証論文を読む
(例:山本勲(2014)、「上場企業における女性活躍状況と企業業績との関係―企業パネルデータを用いた検証―」、RIETI Discussion paper Series No.14-J-016)
第27回 研究論文輪読(2):因果関係に留意したより専門的な実証論文を読む
(例:Onozuka, Y (2016), “The Gender Wage Gap and Sample Selection in Japan,” Journal of the Japanese and International Economies, 39, pp.53–72)
第28回 まとめ
演習Ⅲ
第29回 ガイダンス(卒論研究テーマ候補、基礎的文献の報告)
第30回 卒論関連文献の輪読(1):卒論研究テーマ候補に関する基礎知識の習得
第31回 卒論関連文献の輪読(2):基礎知識のさらなる習得
第32回 卒論関連文献リストの作成:基礎的文献を踏まえた文献リスト作成
第33回 卒論関連文献のサーベイ(1):文献リストに基づく文献サーベイメモ作成
第34回 卒論関連文献のサーベイ(2):文献サーベイメモ改訂
第35回 卒論関連文献のサーベイ(3):文献サーベイメモ完成
第36回 卒論研究テーマの絞り込み:研究の問いを立てる、先行研究を調べる
第37回 卒論研究テーマの予備調査(1):先行研究のサーベイメモ作成
第38回 卒論研究テーマの予備調査(2):先行研究のサーベイメモ完成
第39回 卒論研究テーマの予備調査(3):利用データの予備調査(作業)
第40回 卒論研究テーマの予備調査(4):利用データの予備調査(報告)
第41回 卒論研究テーマの予備調査(5):データベース作成作業
第42回 まとめ:研究テーマの確定、スケルトン案の報告
演習Ⅳ
第43回 ガイダンス(卒論完成に向けたスケジュールの確認)
第44回 予備的分析(1):データ概要の報告、主変数の構築
第45回 予備的分析(2):要約統計量の報告
第46回 予備的分析(3):単回帰
第47回 卒論中間報告(第1回):研究の問い、分析仮説、単回帰の報告
第48回 分析方法の検討(1):分析方法の提案
第49回 分析方法の検討(2):分析方法の修正
第50回 分析作業(1):分析を行う
第51回 分析作業(2):前回に続き、分析を行う
第52回 卒論中間報告(第2回):実証分析結果の報告
第53回 分析作業(3):中間報告へのフィードバックを踏まえた修正作業
第54回 卒論中間報告(第3回):第2回中間報告からの修正点の報告、分析結果のまとめ
第55回 スケルトン完成
第56回 卒論最終報告会
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
● テキスト輪読の授業にて、プレゼンテーションを割り当てられた担当者は、十分に下調べ(たとえばテキストを読んで分からなかった箇所について他の文献等を調べるなど)を行ったうえでレジメを作成し、発表することが求められます。
● テキスト輪読の授業にて、プレゼン担当者以外の受講生は、事前にテキストの該当箇所を読んだうえで、理解できなかった点、発表者のプレゼン内容について疑問に思った点などを授業中に発言することが求められます。
● 卒論作成の進捗が遅い場合は、授業時間外に研究を進め、進捗状況を教員に報告することが求められます。
● 演習参加者と相談のうえ、合宿、プレゼンテーション大会への参加などを行う可能性があります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 40 | ・(3年次)担当するプレゼンテーションの準備を十分に行ったか、プレゼンテーションの構成や説明は分かりやすいか、を総合的に評価します。 ・(4年次)卒論の研究計画書/スケルトンを期日内に作成・報告したか、その内容(教員やゼミ生からのコメントに適切に対応したか等)、を総合的に評価します。 |
| 平常点 | 60 | ・授業中の討論への参加、プレゼン内容について意見・疑問等を発言したか(30%)。 ・課題の提出状況(30%)。 ・無断欠席・遅刻は大幅な減点対象とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
以下の文献をテキストとします。
● 牧野百恵、『ジェンダー格差―実証経済学は何を語るか』、中公新書、2023年、ISBN: 978‒4121027689
● 大湾秀雄、『男女賃金格差の経済学』、日本経済新聞出版、2025年、ISBN: 978‒4296118366
● 畑農鋭矢・水落正明『データ分析をマスターする12のレッスン〔新版〕』、有斐閣(有斐閣アルマ)、2022年、ISBN: 978‒4641222052
〔参考文献〕
● クラウディア・ゴールディン、『なぜ男女の賃金に格差があるのか―女性の生き方の経済学』、慶應義塾大学出版会、ISBN: 978-4766428476
● 「特集:女性活躍を阻む壁を、経済学で乗り越える」、『経済セミナー』2025年2・3号
● 「特集:女性活躍指針」、『証券アナリストジャーナル』2024年5月号
その他特記事項
〔募集人数〕
15名程度
〔募集方法〕
● レポート(manabaの「レポート」にて提出)
● 面接試験
〔課題図書〕
なし
〔国外実態調査〕
実施しない
〔利用するソフトウェア〕
Stata(※使い方は指導します。未経験者でも大丈夫です。)
〔注意事項〕
演習は、参加者が主体的に取り組むことが基本要件です。意欲・熱意を持った方の参加を歓迎します。
参考URL
過去のゼミについては以下を参照してください。
https://valley68.com/lectures/