シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 金5 | 経済学部 | 宮錦 三樹 | ミヤキ ミキ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
事前に「自分の地域の魅力と課題」というテーマでエッセイを提出してもらいます(A4一枚程度)。エッセイの内容に関連して教員が面接を行います。
<関連科目>
財政学・地方財政論・経済学部PC講習eラーニング(エクセル)の授業等を並行して履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:「データ分析を通じて地域の課題を考える」
皆さんが住む地域は、どのような課題を抱えていますか。少子高齢化、若者の域外転出、社会インフラの老朽化、待機児童問題、子どもの貧困、オーバーツーリズムなど、地域に共通するものから特有のものまで様々でしょう。
宮錦ゼミでは、これらの課題はどのような要因で生じ、地域にどのような影響を及ぼしているのか、課題解決に向けた政策は果たして期待された効果を上げているのか、などについて、データ分析を通じて考えます。そこから、エビデンス(科学的根拠)に基づいた地域政策を提言することに挑戦します。また、地域課題の現場を見て、政策担当者のお話を聞く視察やフィールドワークも積極的に企画します。
科目目的
みずから主体的にグループワークや個人研究に取り組んでいく中で、地域課題を発見する能力および、課題の原因と発生メカニズム、課題が及ぼす影響などについて検証できるデータ分析能力を身につけることを目的とします。
到達目標
【演習1】
①グループワーク、プレゼンテーション、ディスカッションなど主体的学びの姿勢を身につける。
②地域政策の形成プロセスを理解する。
③データの探し方、見方、使い方を知ったうえで、回帰分析の基本的知識を身につける。
【演習2】
①グループワーク、プレゼンテーション、ディスカッションなど主体的学びの姿勢を身につける。
②グループでのリサーチのなかで、自ら地域問題を発見し、適切なデータを集めてデータ分析(回帰分析等)を行い、分析結果に基づいた地域政策を提言できる。
【演習3】
①グループワーク、プレゼンテーション、ディスカッションなど主体的学びの姿勢を身につける。
②個人でのリサーチのなかで、自ら地域問題を発見し、適切なデータを集めてデータ分析(回帰分析等)を行い、分析結果に基づいた地域政策を提言できる。
③他のゼミ生の論文に対して、的確に批判できる能力を身につける。
授業計画と内容
※以下の計画は、あくまで授業内容の順序を示しており、各回と当該内容が必ず対応するものではありません。ゼミ生の理解度や進行スピードにより柔軟に取り組みます。
【演習1】
<前期>テキストを輪読しながら、地域政策の形成プロセスを学び、データ収集および分析の基礎を習得する。
第1回 オリエンテーション(演習の進め方の説明、グループ分けなど)
第2回 地域課題の発見と地域政策の形成プロセス
第3回 グループ実習「地域政策の形成プロセスに関するワークショップ」
第4回 データ(統計)の集め方
第5回 データ(統計)の見方・使い方
第6回 グループ実習「収集データの基礎的分析」
第7回 アンケート調査の方法
第8回 グループ実習「自治体アンケート調査の基礎的分析」
第9回 回帰分析の考え方(相関関係)
第10回 回帰分析の考え方(最小二乗法)
第11回 回帰分析の考え方(仮説検定の考え方)
第12回 個人実習「ExcelやSTATAでのデータ分析の実践」(第2~3回の内容)
第13回 個人実習「ExcelやSTATAでのデータ分析の実践」(第4~6回の内容)
第14回 個人実習「ExcelやSTATAでのデータ分析の実践」(第9~10回の内容)
★夏季休暇には,ゼミ合宿(2〜4回生合同)やフィールドワークを予定します。
<後期>グループリサーチ開始(便宜上、同じテーマを3~5回分で設定していますが、リサーチの進行次第で柔軟に変更があります)
第15回 前期の学習内容の振り返り
第16回 グループリサーチ「研究分野に基づくグループ分け」
第17回 グループリサーチ「課題の発見」
第18回 グループリサーチ「課題の発見」
第19回 グループリサーチ「課題の発見」※グループ間で共有
第20回 グループリサーチ「地域政策の形成プロセス」
第21回 グループリサーチ「地域政策の形成プロセス」
第22回 グループリサーチ「地域政策の形成プロセス」※グループ間で共有
第23回 グループリサーチ「仮説の設定」
第24回 グループリサーチ「仮説の設定」
第25回 グループリサーチ「仮説の設定」※グループ間で共有
第26回 グループリサーチ「先行研究リサーチ」
第27回 グループリサーチ「先行研究リサーチ」
第28回 グループリサーチ「先行研究リサーチ」※グループ間で共有
【演習2】グループリサーチの継続(後期には経済学部プレゼン大会に出場します)
第1回 オリエンテーション(新規ゼミ生のグループ分けなど)、グループリサーチ「データの収集」
第2回 グループリサーチ「データの収集」
第3回 グループリサーチ「データの収集」※グループ間で共有
第4回 グループリサーチ「データの構築」
第5回 グループリサーチ「データの構築」
第6回 グループリサーチ「データの構築」※グループ間で共有
第7回 グループリサーチ「データの基礎的分析」
第8回 グループリサーチ「データの基礎的分析」
第9回 グループリサーチ「データの基礎的分析」※グループ間で共有
第10回 グループリサーチ「データ分析・仮説の検証」
第11回 グループリサーチ「データ分析・仮説の検証」
第12回 グループリサーチ「データ分析・仮説の検証」
第13回 グループリサーチ「データ分析・仮説の検証」
第14回 グループリサーチ「データ分析・仮説の検証」※グループ間で共有
★夏季休暇には,ゼミ合宿(2〜4回生合同)やフィールドワークを予定します。
第15回 グループリサーチ「データ分析・結果の検証と考察」
第16回 グループリサーチ「データ分析・結果の検証と考察」
第17回 グループリサーチ「データ分析・結果の検証と考察」※グループ間で共有
第18回 グループリサーチ「政策提言の考察」
第19回 グループリサーチ「政策提言の考察」
第20回 グループリサーチ「政策提言の考察」※グループ間で共有
第21回 グループリサーチ「プレゼン大会資料や報告準備」
第22回 グループリサーチ「プレゼン大会資料や報告準備」
第23回 グループリサーチ「プレゼン大会資料や報告準備」
第24回 グループリサーチ「プレゼン大会資料や報告準備」
第25回 ゲストスピーカーの講演①(予定)
第26回 ゲストスピーカーの講演②(予定)
第27回 ゲストスピーカーの講演③(予定)
第28回 1年の振り返り
【演習3】卒論執筆と指導
第1回 演習論文の書き方について
第2回 問題意識の確認とテーマに関する議論
第3回 テーマの決定と研究手法の確認(平行して先行研究の調査開始)
第4回 先行研究の調査①
第5回 先行研究の調査②(平行してデータ整備)
第6回 調査した先行研究の概要の報告・まとめ(平行してデータ整備)
第7回 データの確認・記述統計
第8回 データ分析
第9回 データ分析の進捗報告と改善
第10回 データ分析の進捗報告と改善(平行して論文執筆)
第11回 論文執筆(進捗報告)
第12回 論文執筆(進捗報告と改善)
第13回 完成論文(報告と改善)
第14回 完成論文の提出
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキスト輪読にあたっては,事前に伝える該当箇所を読んでゼミに臨むこと。
グループでの研究が始まれば,ゼミ時間以外にも,メンバーで話し合ってサブゼミを設けるなど、能動的に学ぶ姿勢が求められます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 実習での作成資料等の提出状況を中心に評価します。 |
平常点 | 70 | 平常点、授業参画度(グループワークやディスカッションへの取組み、質問の投げかけへの反応など)を中心に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
政府系研究機関において政府統計のマイクロデータを用いた分析を担当し,教育政策の立案に対する実証的エビデンスを提供。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
公共政策の立案現場では,統計などのデータやその分析結果から得られたエビデンス)を用いて,社会の課題把握,政策の目的提示,政策の効果測定などに役立てるEBPM(Evidence-Based Policy Making)が重要視されている。研究実務経験から,政策決定現場におけるEBPMの視点を授業に活かせるよう工夫する。
テキスト・参考文献等
<テキスト>
林宣嗣・林亮輔(編著)高林喜久生・林勇貴・高崎滋之・能瀬昴介『地域データ分析入門 すぐに役立つEBPM実践ガイドブック 第3刷』日本評論社 2022年
<参考文献>
・水落正明 ・畑農鋭矢(2017)『データ分析をマスターする12のレッスン−データ入手の方法から分析まで』有斐閣
・森田果(2018 )『実証分析入門 データから「因果関係」を読み解く作法』日本評論社
・山本勲(2015)『実証分析のための計量経済学』 中央経済社
・田中隆一(2015)『計量経済学の第一歩-実証分析のススメ』 有斐閣ストゥディア