シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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応用認知心理学 | 2024 | 前期 | 月2 | 理工学部 | 檀 一平太 | ダン イッペイタ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-HI2-CA13
履修条件・関連科目等
「認知脳科学」の履修は原則必須である。単位未取得の場合は、担当教員との面談に基づいて、履修可/不可の判断をする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
応用認知心理学では、人間の思考の傾向と歪みを把握したうえで、物事や情報を見聞きしたままに受け取らず、客観的かつ分析的に理解する思考法を身に付ける。いわば、認知心理学的思考に基づいたクリティカルシンキングシンキングである。その原点は、アリストテレスが体系した伝統的論理学にあり、帰納法、演繹法といった論理的推論により、情報を的確に処理する技術として、既に確立された感がある。しかし、本講義では、従来の伝統的クリティカルシンキングにはとらわれず、近年の認知・脳科学的知見を取り入れた新たなアプローチを展開する。すなわち、人間の思考特性を把握した上で、それを制御し、効率的な思考を実践する技術の習得を目指す。学習内容を単なる知識ではなく、知恵として身に着けるために、プレゼンテーションを通したアクティブラーニングを実践する。また、学習機会の拡大のため、積極的に英語文献の読解を取り入れる。
科目目的
応用認知心理学の目的は、人間の思考の傾向と歪みを把握したうえで、物事や情報を見聞きしたままに受け取らず、客観的かつ分析的に理解する思考法の習得である。さらに、思考法の変化を理論に基づいて認識し、現実世界での自らの行動制御と他者、社会理解に役立てることを目指す。
到達目標
本講義の目標は、通常の論理的思考を越えた、メタ認知的な論理的思考を身につけることである。前年度の認知脳科学で触れた人間の思考特性に関する知識を、知識として終わらせるのではなく、実践応用に資する「知恵」として昇華させることを目標とする。本講義を通して、現代の理系人として相応しい教養を身につけていただきたい。
授業計画と内容
(1)「応用」認知心理学の必要性
(2)伝統的論理学と演繹法、帰納法、帰納的推論
(3)伝統的論理学:プレゼンテーション
(4)思考のバイアス1-確率の錯誤
(5)思考のバイアス:プレゼンテーション1
(6)思考のバイアス2-回帰の錯誤
(7)思考のバイアス3ーヒューリスティクス
(8)思考のバイアス4:プレゼンテーション2
(9)思考のバイアス5ー認知心理学的特性
(10)思考のバイアスープレゼンテーション3
(11)メタ認知
(12)社会的規範と認知
(13)講義総括プレゼンテーション
(14)到達度確認
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
重要参考文献の内容は講義中、随時登場するので、講義期間中に全て読破することを強く推奨する。ビデオプレゼンテーションの作成、その準備としてのテキスト読解など、授業時間外の学習量は多いと覚悟していただきたい。適宜、講義に関連する英語論文を配布し、自主学習課題とする。読解については、小テストで確認する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 25 | 講義内容に関する筆記試験 |
レポート | 50 | 講義内容を発展させたビデオプレゼンテーション |
平常点 | 25 | 出席及び小テスト |
成績評価の方法・基準(備考)
欠席が4回以上の場合、基本的には単位は不可とする。
達成基準:本講義で概説した関連トピックについて、単なる暗記ではなく、実践的運用が可能になること。プレゼンテーションは発展的内容が主で、小テストと到達度確認は知識の確認が主となる。
注記:留学、教育実習、競技会出席、病欠等、正当な理由によって講義が受けられない場合は、代替措置を考慮するので、速やかに連絡すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
ビデオプレゼンテーションを多用するので、作成環境は各自整えておくこと
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
認知心理学の産業応用として、食品認知に関する技術開発(独立行政法人食品総合研究所)、医療応用に関する技術開発経験(自治医科大学先端医療技術研究開発センター)を有する。また、本学においても、多数の企業との共同研究を通して、認知心理学的知見の応用を実践している。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
常に産業応用という出口を意識したトランスレーショナルな研究開発の手法を学べるように配慮する。
テキスト・参考文献等
重要参考文献:「考えることの科学」(中公新書)、ファスト&スロー上下(早川書店)、人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか(新曜社)、クリティカルシンキング入門編・実践編(北大路書房)。その他、関連英語論文を読書課題として多数配布する。
講義内容はレジュメとして、講義の前または後に配布する。
講義の進行に伴い、課題テキストは適宜閲覧可能とする。
その他特記事項
推奨参考書は講義開始時までにホームページ、学科掲示板で公開するが、講義の進行に応じて変化するので、適宜チェックすること。
感性工学・認知科学教育研究クラスターに所属を希望する学生に関しては、予め、担当教員に相談の上で、他学科履修を認める。
参考URL
http://brain-lab.jp