シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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物理化学1 | 2024 | 後期 | 月2 | 理工学部 | 岡島 元 | オカジマ ハジメ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-BC1-NZ30
履修条件・関連科目等
『基礎物理化学』の履修を前提とする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
化学熱力学の重要かつ基礎的な事項について理解を深める。エントロピーや熱力学第2法則は「なぜある化学反応は起こるのに別の反応は起こらないか」を説明するために重要な概念であり、ギブズエネルギーは自発的な変化の方向を説明する指針である。これらの知見を純物質の相転移にあてはめ、化学熱力学の基礎を学ぶ。また、ギブズエネルギーの観点から、化学平衡(気相反応)がどのように表されるかも学ぶ。
科目目的
『基礎物理化学』で学習した熱力学の基礎(熱力学第1法則)をもとに、本科目『物理化学1』では、化学熱力学の重要事項を学ぶ。「なぜある化学反応は起こるのに別の反応は起こらないか」「一定の温度・圧力のもとでの自発的変化の指針は何であるか」を理解するために、熱力学第2法則からエントロピーという概念やギブズ自由エネルギーを導入し、物質の変化が熱力学においてどのように表現されるかを学習する。これに基づいて物質の相を支配する理論や相図と相律について理解を深め、さらに、混合物の化学熱力学を学ぶための基礎知識を得る。
到達目標
エントロピーの概念を理解し、熱力学第2法則を理解する。ギブズ自由エネルギーを学習し、相平衡・化学平衡を支配する要因について理解する。以上の新たに学ぶ概念を自分の言葉で説明できるようになる。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス,熱力学第1法則とその限界
第2回 熱力学第2法則と最大効率の熱機関:熱機関の効率
第3回 熱力学第2法則と最大効率の熱機関:カルノーサイクル
第4回 エントロピーの導出とその変化
第5回 さまざまなエントロピー変化
第6回 エントロピーの分子論的解釈
第7回 熱力学第3法則と絶対エントロピー
第8回 反応の自発性と自由エネルギー
第9回 熱力学関係式
第10回 ギブズエネルギーの圧力・温度変化
第11回 相平衡・相境界の予測
第12回 純物質の相図,ギブズの相律
第13回 化学平衡(気相反応)
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回提示する資料等を参考に講義内容を復習し、演習問題を解くことで理解を深め、次回の予習をする。不明な点があれば、manabaの掲示板機能などを活用して質問する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | エントロピーの概念を基軸とした熱力学第二法則の理解に加え、ギブスエネルギーによる自発変化の方向性と相の安定性・化学平衡の基礎を理解しているか。 |
レポート | 20 | 講義後に提示する演習課題に取り組み、毎回の講義内容や(関連する)それ以前の講義内容を理解して解答できているか。 |
平常点 | 10 | 講義時にRespon等を使って行うアンケート・クイズ・コメントシートに答え、積極的に講義に参加しているかを評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
期末試験とレポート(演習課題)、平常点を総合し、60%以上の正解により合格とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎回の講義後に提示する演習問題に対して、その解答を次回の授業時に公開し、解説する。
授業時間内に解説が行えない場合や補足事項がある場合は、manabaの掲示板機能を活用して説明を行う。
問題に対する質問・コメントシートへの回答も、manabaの掲示板機能により行う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
毎回の講義や演習についての理解度確認を、Responを使った履修生参加形式で行う。
それまでの講義資料を学習していることを前提に、講義中にResponやmanabaを使って小課題に答える部分的な反転授業を行う。これらの講義運営については、講義中、あるいはmanaba コースニュースにて適宜指示する。
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaを活用して、講義内容に関する質問に答える。
Webexの録画機能を使って講義内容の一部を配信する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:P. W. Atkins・J. de Paula 著, 千原 秀昭・稲葉 章・鈴木 晴 訳『アトキンス 物理化学要論(第7版)』, 東京化学同人, ISBN; 9784807909773