シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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産業科学技術演習A | 2024 | 夏季集中 | 他 | 理工学部 | 加藤 俊一、庄司 裕子、阿部 敬由、飯沢 篤志、鴻上 和彦、小柳 優都、須田 久美子、福田 朋紀、矢 | カトウ トシカズ、ショウジ ヒロコ、アベ ノリユキ、イイザワ アツシ、コウガミ カズヒコ、コヤナギ ユト、スダ クミコ、フクタ トモノリ、ヤノ エミ | 1年次配当 | 1 |
科目ナンバー
SE-OC1-SN09
履修条件・関連科目等
全学年対象。特に履修上の条件はない。いずれかの年次に、産業科学技術論A、B、C、産業科学技術演習Bも併せて履修することを勧める。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
科学技術の急速な進歩は、私たちのライフスタイルやビジネスの方法・社会のあり方の劇的な変化を引き起こしています。その一方で、気候変動などの地球規模での自然環境の変化も、私たちの環境に対する今までの考え方の是非を問いかけています。私たちは、将来の暮らし・ビジネス・社会をどのようにデザインしていく必要があるのでしょうか?
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、全ての人類が発展を遂げながら生存を続けられることを目指して、国連で採択された17の目標です。これは、人類の「ありたい未来・あるべき未来」を表現したものともいえます。また、これは日本政府が提唱している未来社会のイメージ Society 5.0 とも対応しています。しかし、これらの課題をよく見ると、一つのアイデア・技術だけでは目標の実現は難しく、様々な分野・アプローチの取り組みを総合して進める必要があることもわかります。
本演習では、日本を代表する企業・グローバル企業として、また、その一員として、未来社会のイメージを描きながら、男女共同参画などダイバーシティ(多様性)を生かしつつ、SDGsにも貢献している経験を踏まえて、ファシリテータとして指導をして戴きます。
受講生は、提示されたSDGsの課題(群)に対し、どのようにアプローチして解決策・解決の道筋を考えるかを、近年、産業界で注目されて導入されている「デザイン思考」「ペルソナ分析」などの手法を実体験しながらグループワークなどの形で取り組みます。
また、このような過程を通じて、トップ企業は、SDGsやSociety 5.0をどのように理解している人材を必要としているかを深く理解し、また、そのレベルに達するような力量を修得します。
(参考) SDGsの17課題:
G1: 貧困をなくそう
G2: 飢餓をゼロに
G3: すべての人に健康と福祉を
G4: 質の高い教育をみんなに
G5: ジェンダー平等を実現しよう
G6: 安全な水とトイレを世界中に
G7: エネルギーをみんなにそしてクリーンに
G8: 働きがいも経済成長も
G9: 産業と技術革新の基盤を作ろう
G10: 人や国の不平等をなくそう
G11: 住み続けられるまちづくりを
G12: つくる責任つかう責任
G13: 気候変動に具体的な対策を
G14: 海の豊かさを守ろう
G15: 陸の豊かさも守ろう
G16 平和と公正をすべての人に
G17: パートナーシップで目標を達成しよう
科目目的
ダイバーシティ推進・SDGs達成に先進的に取り組む企業が、どのような未来社会を築きたいと考え、ダイバーシティ(多様性)を生かすために男女共同参画など「G5: ジェンダー平等を実現」しつつ、どのように取り組みを進め、SDGsにも貢献しているのかを、課題演習を通じて深く理解する。
また、そのようなトップ企業が、SDGsやSociety 5.0をどのように理解している人材を必要としているかも課題演習を通じて深く理解し、自らのキャリア形成に活用できる知見を得る。
到達目標
[社会的責任の観点]
(1) 日本を代表する企業やグローバル企業が、どのような未来社会を実現する必要があると考えているか、その背景となる課題認識のロジックを理解する。
(2) 目標とする未来社会を実現するために、企業・その一員は、どのようなアプローチで実現を図ろうとしているか、課題解決の道筋のロジックを理解する。
(3) 課題解決の道筋が、SDGsの諸課題とどのように関連しているかを理解する。
[科学技術的観点]
(1) 「デザイン思考」「ペルソナ分析」など、近年、技術開発・製品開発・サービス開発・ビジネス開発で採用が進んでいる手法を学び、自らがその手法を活用できるようにする。
(2) SDGsの課題を解決するために、様々なアイデア・技術・知識が、科学技術分野の違いを超えてどのように組み合わされて取り組まれているかを理解する。
(3) 大学で学ぶ知識が、SDGsの課題解決の過程で、どのように利用・応用されているかを理解する。
[ダイバーシティ(男女共同参画)・キャリアデザイン的観点]
(1) グループワークやアクティブラーニングを経験することで、グループのメンバーとも協力しながら、かつ、主体性を発揮して課題解決に取り組める姿勢を身につける。
(2) グループワークを通じて、メンバー間に着眼点・意見・考え方・経験などでの様々な多様性があることが、より良い解決策の創出に必要であることを理解する。
授業計画と内容
ガイダンスは、産業科学技術論Aのガイダンスと、併せて実施します。
第1~4回【担当企業:リコー】
「人類の未来のための持続可能性の推進Driving Sustainability for Our Future」(リコー)
リコーグループでは、私たちの使命を「世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、生活の質の向上と持続可能な社会づくりに責任を果たす」としています。この使命を達成するために、持続的な企業価値の向上に徹底的にこだわり、社会課題解決による持続的な企業価値向上を継続しています。事業を通じた社会課題解決では、Prosperity(持続可能な経済)、People(持続可能な社会)、Planet(持続可能な地球環境)の3領域に対し、4つの重要社会課題「"はたらく"の変革」「生活の質の向上」「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」を設定し、それぞれに対応するSDGs実現に向けて課題に取り組んでいます。
本演習では、SDGsの中でリコーグループが取り組んでいる「G3 すべての人に健康と福祉を」「G4 質の高い教育をみんなに」「G7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「G8 働きがいも経済成長も」「G9 産業と技術革新の基盤を作ろう」「G11 住み続けられるまちづくりを」「G12 つくる責任つかう責任」「G13 気候変動に具体的な対策を」から課題を選び、グループワークで、課題解決の道筋・解決法の考案に取組みます。
第5~8回【担当団体:建設産業女性定着支援ネットワーク(旧称:建設産業女性活躍推進ネットワーク)】
現代は、社会経済環境が予測不可能な不安定で困難な時代だと言われています。その一方で、建設産業は、直接、「今」の地球環境に働きかけ、その結果が地図に残る、また、結果を「100年先」に残そうとする仕事です。だからこそ、未来を描けなければ、今を適切に変えることはできません。では、建設産業は、そこで仕事をする人たちは、どのような未来像を描いているのでしょうか?
建設産業は、女性が活躍しにくい産業の一つと考えられてきましたが、今では、男女問わず誰もが働きやすい業界とすることを目的に、例えば、女性が「働きがい」を感じ、「働きやすさ」の保証された環境を実現するための取り組みが国レベルで進み始めています。
どのような取り組みを通じて、男女問わず誰もが働きやすく、かつ、地球環境にやさしい未来社会を作るのか、その過程で、どうSDGsの実現に貢献するのか、建設産業と関連の強いSDGsの課題を選び、グループワークで、課題解決の道筋・解決法の考案に取組みます。
(*) 第9~12回は、特定の企業としてではなく、国土交通省が応援している企業横断的な組織「建設産業女性定着支援ネットワーク(旧称:建設産業女性活躍推進ネットワーク)」にご協力いただきます。
第9~12回【担当企業:凸版印刷】
「ふれあい豊かでサステナブルなくらし」(凸版印刷)
今、私たちはまさに時代の大きな転換期に直面しています。地球規模で関心が高まる気候変動などの大きな課題を前にして、企業は全力でその解決に取り組まねばなりません。
凸版印刷は、「情報・文化の担い手として、ふれあい豊かなくらし」に貢献する企業であると同時に、「社会的価値創造企業」としてその事業活動を通じて人類・社会の未来の持続的な発展のためにために貢献することを目指しています。具体的には、全社的な活動では、環境配慮・持続可能な生産、従業員の健康・働きがい、また、事業活動では、サステナブルな地球環境、安全安心で豊かなまちづくり、心と身体の豊かさと人のエンパワーメントに取組んでいます。
SDGsの「G4 質の高い教育をみんなに、G9 産業と技術革新の基盤を作ろう」を課題に、グループワークで、課題解決の道筋・解決法の考案に取組みます。
第13~14回 まとめ、補習、レポート提出など
(注:担当企業の都合により内容が変更となることがあります。)
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
演習は、企業の担当者の指示・ファシリテーションを受けながら、グループワークを中心に行います。
授業終了後にも随時、授業での指示・アドバイスを踏まえ、グループ内で意見・アイデアを共有・比較・相互に検討し合って、グループワークを進めます。
次回までに、進行状況のまとめと報告を用意します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 担当各社から出される課題に対して、作成・提出したレポートを評価する。 |
平常点 | 50 | 出席とともに、担当各社の授業への感想・質問を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
担当各社から出されるグループワーク課題と平常点を総合して評価する。
できるだけ毎回出席してグループワークに参加することを期待していますが、必ずしも、出席回数(感想・質問の提出回数)やレポート提出回数で、足切りをするわけではありません。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
企業の皆さんの利便性も合わせて考えて、manabaとともに、他の情報共有・コミュニケーションのためのアプリを使ってフィードバックを返す場合もあります。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業は、主に、オンライン会議のプラットホーム CISCO Webex meetings(中央大学の標準的なプラットホーム)を用いて実施する予定なので、PC、タブレット端末、スマホなどで、授業に参加してください。
状況が許せば、教室にて、特別なアプリを利用する集合型のグループワークに取り組む場合もあります。
(注:タブレット端末やスマホでは、オンライン会議で使える機能に制限があるため、可能であれば、PCでの授業参加を推奨します。)
授業中には、Webex meetingsのBreak out sessionの機能を用いて、グループワーク(グループに分かれて意見交換)を行います。
受講者間の感想の共有や意見交換、また、各社の担当の方からのフィードバックのために、この授業用に設定する受講者のワークスペース Slack やホワイトボード Jamboard を用いる場合もあります。
プレゼンテーションは、Webex meetingsの画面共有機能を用いて、手元のPCから、PowerPointなどのプレゼンツールを使ってプレゼンします。
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業は、主に、オンライン会議のプラットホーム CISCO Webex meetings(中央大学の標準的なプラットホーム)を用いて実施する予定なので、PC、タブレット端末、スマホなどで、授業に参加してください。
状況が許せば、教室にて、特別なアプリを利用する集合型のグループワークに取り組む場合もあります。
(注:タブレット端末やスマホでは、オンライン会議で使える機能に制限があるため、可能であれば、PCでの授業参加を推奨します。)
授業中には、Webex meetingsのBreak out sessionの機能を用いて、グループワーク(グループに分かれて意見交換)を行います。
受講者間の感想の共有や意見交換、また、各社の担当の方からのフィードバックのために、この授業用に設定する受講者のワークスペース Slack やホワイトボード Jamboard を用いる場合もあります。
プレゼンテーションは、Webex meetingsの画面共有機能を用いて、手元のPCから、PowerPointなどのプレゼンツールを使ってプレゼンします。
授業の記録映像(録画)をとるかどうかは、各社の担当の方の判断にお任せしています。記録映像がある場合でも、その視聴は、中央大学の Google drive を用いて、学内限定・受講生限定です。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
本科目の担当教員全員が、企業で、研究者・技術者・企画・人事などの業務を担当されている方々で、兼任教員としてご出講戴きます。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
企業で、研究者・技術者・企画・人事などの業務と、SDGs実現やダイバーシティ推進をどう結び付けて取り組んでいるかなどを、演習での疑似的な実務体験を通して指導していただきます。
テキスト・参考文献等
SDGsに関する基礎知識:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
https://www.un.org/sustainabledevelopment/ (英語)
https://www.un.org/sustainabledevelopment/sustainable-development-goals/ (英語)
Society 5.0に関する基礎知識:
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
男女共同参画に関する基礎知識:
http://www.gender.go.jp/about_danjo/society/index.html
その他特記事項
後期には、ガイダンスは実施しません。履修希望者は、前期開講の産業科学技術論A、B、Cの第1回目のガイダンスに出席してください。前期授業の初回には、ガイダンスと共に外部講師をお招きして、SDGsに関する基礎的な理解のためのミニ講演会を実施します。
本科目は「産業キャリア教育プログラム」の一環として実施する。同プログラムの規定の単位数を修得すれば、通常の成績証明とは別に、同プログラムを修得した証明書Certificateを発行する。