シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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複素解析学1 | 2024 | 前期複数 | 火3,金2 | 理工学部 | 澤野 嘉宏 | サワノ ヨシヒロ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
SE-AN3-1B20
履修条件・関連科目等
数学A,Bおよび解析学第1を履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
複素平面とベキ級数について解説後、複素数における微分やコーシー・リーマンの関係式について解説する。また、複素積分を定義し、コーシーの積分定理について述べる。コーシーの積分公式を導き、級数展開や留数とそれらの応用について解説する。
科目目的
複素解析は現代数学の要として位置づけられている。したがって、現代数学を学ぶに当たり当該科目は必須である。この科目の目的は複素関数の正則性を理解させ、留数定理が運用できるようにすることである。
到達目標
複素数と複素数平面についての基礎的な理解を深めて,複素解析の豊かな世界を概観する。
複素数独特の計算技法に習熟し,それに立脚した計算ができないと科目の理解をできたとは言えない。他方で,既習事項を組み合わせて,この授業で得られた結果を再検証できるようになることも重要な要素である。
そのうえで,複変数を複素数とした複素数値関数の微分積分の基礎に習熟する。
とりわけ、コーシーの積分定理を中心とする理論展開について理解し、ベキ級数や留数に関連する計算ができることを目標とする。
授業計画と内容
1.複素線積分とコーシーの積分定理およびその変形
2.正則関数とオイラーの定理
3.周期関数の積分へ対する複素線積分の応用
4.ディリクレ積分
5.一様収束と正則関数
6.開写像定理,最大値原理,一致の定理
7.複素対数関数,単連結領域
8.積分の三角不等式の注意
9.留数の計算
10.不定積分
11.リゥビルの定理と代数学の基本定理
12.中間まとめ
13.後半の授業についてのガイドライン
14.ローラン展開に基づく孤立特異点の分類,6.1節
15.一次分数変換,3.2.3節
16.べき級数とその収束3.3節
17.シュワルツの補題8.5.2節(定理8.4.2の直前まで)
18.等角写像,8.5.2節(この節の残り)
19.特異点除去と解析接続,6.2節
20.偏角の原理およびルーシェの定理,8.4.1節
21.偏角の原理およびルーシェの定理の応用8.4.2節(フルビッツの定理を含む)
22.ζ(2)の値,問題7.7(この個所は節ではないが,問題とその解答を移すことで,予習とみなす。)
23.有理形関数の構造,8.4.3節
24.***鏡像の原理
25.***モンテルの定理
26.***リーマンの写像定理
27.まとめ
28.補足
***の内容は指定された教科書にはない
内容なので,PDFファイルを用意する.
(注意1)中間まとめまでについては授業を実際に行い、演習の時間の占める割合は低くする予定である。1~13回,27,28回は対面実施
(注意2)中間まとめの時点でいままでの授業で扱った事項をきちんとノートに取っているか
確認する予定である。
(注意3)中間まとめまではこの授業の全体を概観するための重要なパートであり,
残りの回でこれらの回を補充しながら理解を深める方式である。
(注意4)***の回についてはmanabaに予習ファイルを与えるので,そのファイルを事前に
写してくること
(注意5)8回目以降学期のどこかで中間まとめを実施する予定であるが,
ここで書かれているような回になるかについては,実際の授業の進捗状況や
新型コロナの感染状況などによって変更がありうる。
(注意6)「節」があるのは参考書の対応箇所である。
(注意7)この授業は6月以降はオンラインにする予定である。ただし,27,28回は対面実施
(注意8)以下の事項は既習事項として扱う.
*コーシー・リーマンの方程式
*複素数平面
*複素数平面と図形
*収束半径
ただし,これらは授業中にpdfファイルを用いて説明しないだけのことで,
授業内課題の中ではたびたび登場する.
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習をしてから授業に臨むこと。(8回目以降)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 複素線積分などに習熟すること |
期末試験(到達度確認) | 40 | 複素数の関数の性質を深く理解し、複素数を広義積分へ応用できるようになること。 |
その他 | 30 | 授業内課題 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
①出耒 光夫 澤野 嘉宏 野井 貴弘 著
②[詳解]複素解析学
③日本評論社,2022年出版,東京
⑦ISBN 978-4-535-78970-8
その他特記事項
なし