シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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統計力学及演習2 | 2024 | 後期複数 | 月2,水4 | 理工学部 | 香取 眞理 | カトリ マコト | 3年次配当 | 3 |
科目ナンバー
SE-PH3-2B10
履修条件・関連科目等
統計力学及演習1の内容を理解していること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
講義と演習のペアとして構成されたカリキュラムである。講義中に毎回、進度に合わせた課題問題を出題する。これに解答するための時間も授業中にとる。毎回出題の課題問題の答案は「小レポート」として講義中に manaba で提出してもらう。解答例は次回の講義中、あるいは manaba の機能を使って解説する。提出された小レポートは TA が採点しmanaba 上で講評するとともに、各自に点数を通知する。到達度確認(期末テスト)を行う。
科目目的
3年生前期で学んだ熱力学がマクロな現象に対する理論であったのに対して、統計力学は原子や分子といったミクロなレベルから熱現象を定式化する。原子や分子に対する理論として2年生後期と3年生前期で学んだ量子力学の知識の上に立ち、古典統計力学と量子統計力学を3年生後期に集中して勉強して身に付けることが本科目の目的である。量子力学と統計力学は現代物理学の基礎を成している。本科目をマスターすることにより、4年生の卒業研究を開始するのに必要な物理学理論の修得が一段落することになる。
到達目標
統計力学は、ミクロ(微視的)な粒子の運動を記述する物理学である力学や量子力学と、系のマクロ(巨視的)な状態を記述する熱力学とをつなぐ理論である。よって、単独ではその存在意義はない。原子や分子といったミクロな存在に対する物理学の知識と、我々の世界はそういったミクロな存在が膨大な個数集まって形成されているのであるという認識があって、初めて統計力学を学ぶことの意味が理解できる。本講義では、統計力学における標準的な題材を、なるべく平易に解説する。統計力学のユニークさを正しく感じ取り、自然現象やさらには社会現象に対して今後物ごとを考えていく際の思考の糧となるよう、統計力学に慣れ親しむことを到達目標とする。
授業計画と内容
下記のように、標準的な題材を用いて統計力学を解説する。
第1回 ボルツマン定数とボルツマン因子
第2回 理想気体のエネルギー等分配則と定積比熱の公式の導出
第3回 確率分布と確率密度関数
第4回 6N 次元位相空間と分配関数
第5回 ハイゼンベルクの不確定性原理と分配関数
第6回 分配関数とヘルムホルツの自由エネルギー
第7回 Boltzmann の式とミクロカノニカル分布
第8回 揺らぎと比熱
第9回 自由粒子系と独立同分布
第10回 グランドカノニカル分布
第11回 グランドカノニカル分布による理想気体の解析
第12回 ミクロカノニカル分布の方法による2準位系の解析
第13回 カノニカル分布の方法による2準位系の解析
第14回 磁性体としての2準位系
第15回 磁性体の物性
第16回 常磁性体の磁化過程と帯磁率
第17回 常磁性体のショットキー型比熱
第18回 振動子系:ミクロカノニカル分布による解析
第19回 振動子系:カノニカル分布からグランドカノニカル分布へ
第20回 振動数の異なる調和振動子の集まり
第21回 ボース分布関数とボース・アインシュタイン統計
第22回 理想ボース気体の密度と化学ポテンシャルの関係
第23回 ボース・アインシュタイン凝縮
第24回 理想ボース気体の比熱
第25回 ボソンとフェルミオン
第26回 フェルミ・ディラック統計とフェルミ温度
第27回 強くフェルミ縮退した系における計算
第28回 到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教科書の説明を読み、演習問題にチャレンジする。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 講義や演習で学んだことを正しく理解し、与えられた問題に正答を与えることが出来る。 |
平常点 | 50 | 毎週行う「演習」の成績を平常点として採点する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
随時、質問を受け付ける
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
演習問題の解答は、授業時間中に manaba のレポート・ページに提出してもらいます。これができるように、スマホやPCなどは、各自用意してください。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書:香取眞理著『統計力学』、裳華房、2010年、裳華房フィジックスライブラリー、ISBN 978-4-7853-2235-9
その他特記事項
参考URL
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/katori/home