シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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生物物理学 | 2024 | 前期 | 金1 | 理工学部 | 宗行 英朗 | ムネユキ エイロウ | 4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-MP4-2C30
履修条件・関連科目等
あらかじめ蛋白質科学・生化学の知識を持っていることは必須ではない。内容的には化学・生物学寄りの部分もあるので、そのような点に関しては自習をする心構えが必要である。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
細胞の80%は水から構成されているが、実際はタンパク質や核酸などの生体高分子がぎっしりと詰まった分子混雑環境下にある。そのような環境において、タンパク質は分子構造を変化させることにより、酵素反応や物質輸送、運動、シグナル伝達などの生命機能を発揮している。本講義では、熱力学の復習を兼ねて生化学的な平衡定数について学んだのち,蛋白質科学,酵素反応速度論,生体膜の機能などについて学び,生体分子の構造・機能を物理学的な観点から理解するための基礎を身につける。
科目目的
生命活動という興味の尽きない現象の理解は人類にとって一つの大きな目標であるといえるが,物理の立場でその問題にアプローチするには,それ以前に多くの知識を身に着けておく必要がある.本講義では生物分野に必要な熱力学,タンパク質科学,酵素反応速度論,拡散電位などを学び,現象論的な生命現象の理解の金字塔ともいえる神経興奮についてのHodgikin-Huxley式について簡単に触れ,その先の研究に資する素養を身に着けることを目的とする.
到達目標
本講義は、大学4年次の講義として専門的な研究に役立つ知識の習得を目的とする。下記で取り上げる事項について、講義開始時(4月上旬)の自分と同じ程度の知識を持った人に分かりやすく正確に説明できる程度の知識と理解を得ることが目標である。
授業計画と内容
講義はほぼ毎回最後に簡単な宿題を出す予定である。資料としてはプリントを配る予定であるが、前回、前々回に配ったプリントも講義中に参照することがあるので、持参しておくこと。
第1回 生物物理学とは何か
幅広い生物物理の分野で本講義の扱う範囲の概説.問題意識などを説明する.
第2回 平衡定数 1
濃度,反応速度,反応進度,自由エネルギー.
第3回 平衡定数 2
自由エネルギーと平衡定数の関係,生化学的な平衡定数.
第4回 水
水の物性,酸,塩基,pH,緩衝液など
第5回 アミノ酸
蛋白質の構造の概略,アミノ酸の構造,機能,
第6回 蛋白質の構造 1
蛋白質の一次構造,2次構造
第7回 蛋白質の構造 2
蛋白質の3次構造,4次構造
第8回 蛋白質の構造の安定化,機能
蛋白質を安定化する要因,機能,酵素
第9回 酵素反応速度論 1
ミカエリス-メンテン式,直線プロット
第10回 酵素反応速度論 2
King-Altman法,多基質酵素反応,遷移状態理論
第11回 生体膜
生体膜の機能,組成,性質,脂質,膜蛋白
第12回 拡散電位 1
Fickの第一法則,電場の影響,拡散電位,Goldman-Hodgkin-Katz の式
第13回 拡散電位 2
神経興奮,Hodgikin-Huxley式
第14回 分子モーター
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義時に出す課題を行うこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 試験の問題への解答から理解度を評価する. |
成績評価の方法・基準(備考)
基本的には期末試験の点数で決めるが,ボーダーラインのすぐ下にいる学生については,出席態度,的確な質問の有無などを考慮して10%程度の加算もあり得る.病気欠席などの正当な理由がある場合はレポートの提出も認める.
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:講義は特定の教科書に沿って行うことはしないが、「ヴォート生化学」(東京化学同人)を勧める。
参考文献:「バイオサイエンスのための蛋白質科学入門」(有坂文雄 著、裳華房)、「構造生物学」(A. Liljas 等著、 田中勲・三木邦夫訳、化学同人),「生物物理学」(鳥谷部祥著,日本評論社)等がよい。
その他特記事項
各自配布されたプリントを読み返したり、図書館で専門書を調べるなど予習復習をして理解に努めること。