シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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FLP演習A(国際協力) | 2024 | 通年 | 月6 | 学部間共通科目 | 中村 俊之 | ナカムラ トシユキ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
UW-IF2-F01S
履修条件・関連科目等
1. 開発途上国(アフリカを含む)の歴史、文化、社会、経済に関心を有していること
2. 開発途上国のみならず日本(主に地域)の諸課題に関心を有していること
3. ゼミ仲間と積極的に課題解決に向けた議論を交わす姿勢と意欲を持つこと
4. 授業時間外の学習(国際協力に関するイベント参加、国内地方自治体訪問等)に積極的に参加する意欲があること
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【テーマ】変わりゆく世界と新たな国際協力のありかた
途上国が直面する諸課題は近年ますます複雑化・グローバル化しつつあり、途上国のみの課題として解決することが困難になっています。環境問題等に代表されるグローバルな課題の解決に際しては、国を超えて解決策を見出す必要があります。また、途上国の抱える課題と日本の地域社会が抱える課題の解決を互いの共通点や相違点を見出すことによって、双方向での学びを深め、解決に導いていく可能性も検討され始めています。
本ゼミでは国際協力の基本的な考え方や課題を学びつつ、これまでの一方向的な「開発援助」ではなく、受益者のオーナーシップを重視した双方向の「開発協力」の優位性について理解を深め、新しい国際協力のありかたについて一緒に考えていきます。
科目目的
この科目では、演習を通じて、学生が開発途上国における課題とその解決に向けたオーナーシップとパートナーシップの重要性、諸課題の先進諸国(主に日本)との共通性について理解を深め、持続可能な社会の発展に向けた諸課題の解決策を具体的に提案ができるようになることを目的とします。
到達目標
途上国の諸課題についての調査・研究、実践的な活動やゼミでの協働作業を通じて、「課題発見力」「発想力」「構想力」「コミュニケーション力」など国際協力を始めとする国際プロジェクトの実施に貢献できる人材の育成を目指します。
授業計画と内容
授業計画は以下のとおりですが、履修者の希望、ゲストによる特別授業、各種イベント等によって変更されます。
【前期】
第1回 ゼミ運営のガイダンス
第2回 国際協力の歴史と今日的な意義
第3回 国際協力の目的・仕組み・現状
第4回 グローバル・アジェンダへのアプローチ(JICAグローバル・アジェンダ(JGA)を中心に)
第5回 プロジェクトの計画・実施・評価手法(プロジェクト・サイクル・マネジメントの概要)
第6回 JGAの関心分野Ⅰ、Ⅱ(発表)
第7回 JGAの関心分野Ⅲ、Ⅳ(発表)
第8回 ゲストスピーカーを招いてのJGA議論
第9回 途上国の課題と国内の課題(1)(共通点と相違点を考える)
第10回 途上国の課題と国内の課題(2)(社会起業家等による講演)
第11回 途上国の課題と国内の課題(3)(外国人との共生を考える)
第12回 国内現地調査の準備(1)(外部講師による講演)
第13回 国内現地調査の準備(2)(対象地域、行程・内容、役割分担)
第14回 国内現地調査の準備(3)(問題意識の整理、質問内容の検討)
(夏季休業期間に国内現地調査を実施予定)
【後期】
第15回 国内現地調査結果の報告(1)
第16回 国内現地調査結果の報告(2)
第17回 特別課外活動(グローバルフェスタ参加等)
第18回 特別課外活動成果発表
第19回 期末成果発表会準備(1)(テーマ議論、スケジュール確認)
第20回 期末成果発表会準備(2)(構想発表)
第21回 途上国の現状と課題(アフリカとTICAD)
第22回 期末成果発表会準備(3)(プレゼン試行①)
第23回 期末成果発表会準備(4)(プレゼン試行②)
第24回 期末成果発表会準備(5)(内容の最終確認)
第25回 開発成果最大化に向けた新たな取り組み
第26回 期末成果発表ふりかえり
第27回 期末成果論文指導
第28回 まとめ:3年次活動のガイダンス
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・ゼミでは前回ゼミを振り返るためのリアクション・ペーパー提出を求めます。
・国際協力の日(10/6)のイベント参加、JICA等開発事業関連機関訪問等で、開発を身近に学ぶ機会を持つことを推奨します。
・国内の社会問題等の現場を訪問する等個人、グループのイニシアティブでの自主調査を歓迎します。
(レポートの提出、ゼミ内でのプレゼンテーションをもって、正式のゼミ内活動と見なします。)
【実態調査】
・Aゼミでは、夏季休業期間中に国内現地調査を予定しています。また、Bゼミの夏に海外調査を予定しており、今年度後期から対象国・調査対象案件の選定、事前リサーチ及び旅程・訪問先のアレンジ等をゼミ生のイニシアティブで実施します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 期末報告会のための論文と学期中に提出するレポートの内容を評価。 期末報告会報告書を分担執筆する場合はそれに従って個別に評価するが、全体を共同執筆する場合は、全員を同評価とする。 |
平常点 | 30 | レポート、輪読のプレゼンテーションの内容、精度及び質問への対応の正確さを評価。 |
その他 | 30 | ゼミ運営への提案、現地調査の準備作業への参画、普段のゼミでの発言等貢献を評価。 |
成績評価の方法・基準(備考)
論文等課題提出物:40%、プレゼンテーション:30%、ゼミへの貢献(ゼミ内の議論への参画、ゼミ運営への率先・協力):30%
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
必要に応じて対面授業における遠隔授業の併用(ハイブリッド)、パワーポイントの各種機能の活用をおこなう。引き続き、遠隔授業が中心になる場合は受講生の数に応じてクリッカー等の活用を検討する。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当教員は国際協力機構(JICA)で30年以上にわたり、ODAの政策立案、企画、実施、評価などの実務を経験してきました。また、総務や人事などの管理部門においては組織運営や人材育成などにも従事しました。海外ではアフリカ7年、米国3年、計10年間の勤務経験があります。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
これまでの開発援助の経験をもとに、日本を含む新たな世界情勢の中で求められる開発協力のありかたについて、可能な限り実例を紹介しつつ、ゼミ生自身が考え、行動する機会の提供を心がけます。
テキスト・参考文献等
テキストは演習の中で指定します。参考図書は以下のとおりです。
・野林 健、納家正嗣編 『聞き書 緒方貞子回顧録』岩波書店(2015)
・戸堂康之『開発経済学入門(第2版)』新世社(2021)
・斎藤幸平『人新世の資本論』集英社(2021)
・伊藤亞聖『デジタル化する新興国 先進国を超えるか、監視社会の到来か』中公新書(2020)
・ウィリアム・イースタリー『傲慢な援助』東洋経済新報社(2009)
・野田直人『地域コミュニティ開発参加型・コミュニティの社会経済 国際協力の教科書シリーズ5 』有限会社 人の森(2017)
・李栄薫:編著『反日種族主義〜日韓危機の根源』文藝春秋(2019)
・落合陽一『2030の世界地図帳(2019)あたらしい経済とSDGs、未来への展望』SBクリエイティブ株式会社(2019)
・浅沼 信爾 、小浜 裕久『途上国の旅 開発政策のナラティブ』勁草書房(2013)
・大塚啓二郎『なぜ貧しい国はなくならないのか 第2版』日本経済新聞出版社(2020)
・黒崎卓、栗田匡相『ストーリーで学ぶ開発経済学-途上国の暮らしを考える』有斐閣(2016)
・高柳彰夫、大橋正明編『SDGsを学ぶ-国際開発・国際協力入門』法律文化社(2018)
・P. コリアー『最底辺の10億人』日経BP社(2008)
・W. イースタリー『エコノミスト 南の貧困と戦う』東洋経済新報社(2003)
・D. モヨ 『援助じゃアフリカは発展しない』東洋経済新報社(2010)
・J. サックス『貧困の終焉』早川書房(2006)
・ 佐藤寛編『テキスト社会開発:貧困削減の新たな道筋』日本評論社(2007)
・ 坪井ひろみ『グラミン銀行を知っていますか:貧困女性の開発と自立支援』東洋経済新報社(2006)
・ 渡辺利夫『開発経済学入門(第3版)』東洋経済新報社(2010)
・ A. バナジー、E. デュフロ『貧乏人の経済学:もういちど貧困問題を根っこから考える』、みすず書房(2012)
・ T. ピケティ『21世紀の資本』みすず書房(2014)
・ A. セン『貧困の克服:アジア発展の鍵は何か』集英社(2002)
・ J. スティグリッツ『世界の99%を貧困にする経済』徳間書店(2012)
・ M. P. トダロ、S. C. スミス『トダロとスミスの開発経済学』ピアソン(2010)
・ M. ユヌス『貧困のない世界を創る:ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義』早川書房(2008)
・中田豊一『対話型ファシリテーション手ほどき』認定NPO法人ムラのミライ(2016)
・大坪滋、木村宏恒、伊藤早苗編 『国際開発学入門』 勁草書房 (2015)
その他特記事項
・ゼミ生の主体的な演習活動を基本とするので、ゼミ生の積極的な参加、活動への提案を期待します。
・国際協力分野に関連するキャリア形成等、相談事項があればいつでも歓迎します。