シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
確率及統計 | 2024 | 前期 | 水3 | 理工学部 | 大野 航太 | オオノ コウタ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-PM2-2C05
履修条件・関連科目等
高等学校での確率および統計に関する知識を前提とする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
統計学の入門的な科目であり、データの収集法から, データの要約(統計的記述)の方法、データにつきまとう不確実性の確率による表現、不確実性を考慮に入れた統計的推測の方法までを体系的に学ぶ。具体的には、以下のような内容を含む。
記述統計学
データの種類に応じた適切な要約のしかたや結果の解釈のしかたについて学習する。質的変数については、棒グラフ・円グラフなどでの要約の注意事項、量的変数については、ヒストグラムや箱ひげ図、あるいは平均・中央値・最頻値などの代表値、また、標準偏差や分散などを用いた要約のしかた(や発展的事項)を学ぶ。さらに、質的な2変数や多変数の分割表(クロス集計表)での要約と注意すべき点、量的な2変数の散布図や相関係数での要約、単回帰分析についても学ぶ。
確率と確率変数
確率にはいくつかの定義があることと、その確率に関する基本的な性質、確率に基づいた不確実な事象の判断について学習する。とくに、条件付き確率とベイズの定理について強調して学ぶ。また、確率変数について、離散型と連続型のそれぞれの定義や性質を学び、簡単な関数で表現される分布や典型的な確率分布について、確率や期待値・分散などモーメントの計算法を学習する。
データの収集
適切に推測を行うためには適切にデータ収集しなければならないことを理解し、実験におけるフィッシャーの三原則、調査における各種の無作為抽出法などの工夫について学ぶ。
統計的推測
母集団分布と標本分布、パラメータと統計量といった専門用語を学ぶとともに、点推定や区間推定によるパラメータの推測法について理解する。さらに、パラメータに関する仮説検定の考え方についても理解する。これらについて正しく理解することが、本科目の中でクライマックスとなる部分である。
統計的な概念の理解を重視し, その数学的な背景には深くは踏み込まない。とはいえ、高等学校〜学部1年レベルの数学的知識があれば多くのことは理解できるので、必要に応じて数学的背景の概要や参考文献の紹介等を行う。
毎回 respon または manaba を活用した知識習得の確認を行う。
科目目的
統計学は、データに基づいて客観的に判断し科学的に問題を解決するための学問であり、データサイエンス時代の現代において日々の生活から産業や科学の諸分野においてなくてはならない必須のスキルである。
本科目では、
・統計リテラシー: 統計的な読み書き能力, 用語や概念の理解
・統計的推論力: 統計的な情報を読み取って, 正しく解釈する力
を身につけ、統計学を用いた資料や論文などを正しく理解し、批判的に考察できる力を体得することを目的とする。
その上で、
・問題の把握と明確化 Problem
・研究計画の作成 Plan
・データの収集 Data
・分析 Analysis
・分析結果の解釈 Conclusion
という統計的な課題解決サイクル(PPDAC サイクル)を自分で実行できるための統計的思考力の修得を目指す。
到達目標
具体的には、以下が皆さんの到達目標である。
・世の中に溢れる統計の誤用・悪用に気づき、正しい情報や問題点を読み取ることができる。
・データによって適切な要約法が異なることを理解し、適切な要約方法を自分で選択できる。
・不確実な事柄を確率や確率変数で表現し、それを用いて判断に活かすことができる。
・基本的なデータの収集法を理解し、必要に応じて適切なデータ収集法を選択することができる。
・点推定や区間推定を用いて、母集団についての推測を行うことができる。
・仮説検定によって自らが立てた仮説を検証するための考え方と方法を理解する。
上記は達成度リストでもある。授業期間中随時, そして半期が終了した時に上の到達目標を振り返り、自分の理解度・達成度の自己評価に役立ててほしい。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス、データの種類と可視化〜質的変数の関連
第2回 多元分割表〜相関係数
第3回 回帰直線、記述統計のまとめ
第4回 標本空間と事象〜事象の独立性
第5回 全確率の公式とベイズの定理〜連続型確率変数
第6回 中央値・期待値〜条件付き分布
第7回 共分散と相関〜幾何分布
第8回 ポアソン分布〜正規分布
第9回 中間到達度確認とまとめ
第10回 極限定理〜データの収集
第11回 母集団分布と標本分布〜区間推定とは
第12回 母平均の区間推定
第13回 仮説検定とは〜母平均の差の検定
第14回 到達度確認とまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
中間試験 | 40 | 中間試験を行う。範囲は試験実施までに行なった授業の内容となる。 |
期末試験(到達度確認) | 40 | 期末試験を行う。範囲は授業で行なった内容全てとなる。 |
その他 | 20 | 授業中に行う確認テストで理解を問う。 |
成績評価の方法・基準(備考)
・授業態度についても成績評価に含む。無駄な私語や立ち歩きなど、授業を妨害する様な態度をとった場合は減点を行う(最大100%)。良い取り組みが見られたものは評価に加味する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
計算演習を行なう。
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト: 日本統計学会編「改訂版 統計学基礎」東京図書 2015 ¥2,420
参考文献: 東京大学教養学部統計学教室編「統計学入門」東京大学出版会 1991 ¥2,800+税
Utts and Heckard「Mind on Statistics, 4th ed.」CENGAGE Learning 2012
その他特記事項
講義内容や評価方法の詳細は第1回の講義内で説明する。予習・宿題、講義内容や講義資料、重要情報等は manaba に掲載するので、必ず毎回確認すること。
参考URL
E-mail: kota.ohno@kc.chuo-u.ac.jp