シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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量子化学 | 2024 | 後期 | 火4 | 理工学部 | 藪下 聡 | ヤブシタ サトシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-BC3-2C23
履修条件・関連科目等
「量子力学及演習1,2」の内容を理解していること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
量子力学を基礎として、原子および分子の電子状態と化学結合を解説したのち、化学反応の起こりやすさを支配する因子や、簡単な分子の構造および振動・回転運動を、古典力学と量子力学を使って解説する。
科目目的
原子・分子をミクロな視点から原理的かつ論理的に理解することにより、多様な現象に横たわる普遍的な原理を学び、将来出くわす未知の問題を解決する能力を修得する。
到達目標
原子や分子の電子構造と反応性およびその振動・回転運動に関する基本的概念を理解することを目標とする。
授業計画と内容
第1回 導入。原子のイオン化エネルギー、光の吸収、発光、ハミルトンの運動方程式
第2回 前期量子論、シュレーディンガーの波動方程式
第3回 量子論の特徴、簡単な系への応用、波動関数の直交性と完全性、不確定性原理
第4回 重心座標と相対座標、極座標を用いたシュレーディンガー方程式
第5回 水素様原子のシュレーディンガー方程式、軌道角運動量
第6回 直交多項式を使った水素様原子の軌道とその特徴
第7回 水素様原子の軌道のまとめ、電子スピン、多電子原子
第8回 変分法、摂動論、多電子系の取り扱い、Slater行列式
第9回 等核二原子分子の電子状態、LCAO近似、共有結合
第10回 異核二原子分子の電子状態、イオン結合
第11回 混成結合、π共役系
第12回 ヒュッケル分子軌道法とHOMO-LUMO相互作用
第13回 Born-Oppenheimer近似と二原子分子の振動回転運動
第14回 多原子分子の振動回転運動
ただし、講義の進み具合などにより項目を変更することがある。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
自分で深く考える癖をつけるためにも講義の予習を推奨する。また授業で扱った内容に関して十分に復習し、次の授業にのぞむこと。
とくに量子化学の理解には、原子軌道や分子軌道、あるいは分子の振動・回転運動のエネルギー固有値と固有関数に慣れることが重要である。この目的のために、エクセルを利用して、簡単なシュレディンガー方程式を数値的に解くレポート課題にも取り組んでもらう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 特に前半の授業内容の理解度を、知識の正確さと数式の理解度などを通して確認する。 |
期末試験(到達度確認) | 30 | この授業全般の理解度を、知識の正確さと数式の理解度などを通して確認する。 |
レポート | 20 | エクセルを利用して簡単な系の固有状態を数値的に求める課題により、束縛状態の量子化とシュレーディンガーの微分方程式の境界条件の間の関係の理解を確認する。 |
平常点 | 20 | 教室において、クリッカー(respon)を利用した授業内小テストにより理解度を確認する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
予習・復習に役立つ参考資料をmanabaからダウンロードしてもらう。また参考書は講義中に適宜紹介する。
その他特記事項
参考URL
https://k-ris.keio.ac.jp/html/100011672_ja.html