シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
統計物理学 | 2024 | 前期 | 火5 | 理工学部 | 香取 眞理 | カトリ マコト | 4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-MP4-2C24
履修条件・関連科目等
統計力学及演習2を履修していること
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
古典力学と平衡統計力学のエッセンスを復習することから始める。局所平衡状態という概念を拠り所にして、ミクロな力学法則からマクロな流体力学的方程式が、どのように導き出せるのか述べる。その後、ボルツマン方程式とBBGKY階層性の基礎を勉強する。講義の後半では、散逸の度合いを表す輸送係数が、揺動カレント場の相関関数の時間・空間の双方にわたる積分で表すことができるという、有名なグリーン・久保公式の導出をメインにすえる。途中、確率過程の考え方を説明し確率微分方程式を解く。「力学法則から揺動散逸定理まで」総括する。
科目目的
3年生後期の「統計力学及演習2」では平衡状態に対する一般論を学習した。これに基づいて、本科目では、未だ一般論は完成していない非平衡統計理学について勉強することが目的である。
到達目標
非平衡統計力学の研究の流れを紹介する。熱平衡統計力学はボルツマンやギブスの理論により完成されたが、非平衡統計力学はまだ完成されていない。将来性のあるこの分野の魅力を伝えたい。古典力学に立脚して話を進めるが、通常は量子力学で使われる、演算子とか関数の内積、あるいはエルミート共役といった概念が、非平衡統計力学を記述するのに便利であることを示す。量子力学も統計力学も、ともに「揺らぎ」に対する理論であるという現代物理学的な視点を示したい。
授業計画と内容
第1回 ユニークかつユニバーサルな統計物理学
第2回 粒子系の力学モデル
第3回 熱平衡状態を表す確率分布
第4回 カノニカル分布の復習と n 粒子分布関数
第5回 熱力学極限とビリアル定理
第6回 流体場と局所平衡状態
第7回 オイラー方程式
第8回 ナビエ・ストークス方程式
第9回 ボルツマン方程式とリュウヴィルの定理
第10回 揺動場と相関関数
第11回 線形化されたオイラー方程式
第12回 オルンシュタイン・ウーレンベック過程
第13回 揺動散逸定理
第14回 到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教科書の各章末にある演習問題は自習することが望まれる。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 100 | 講義で説明した内容を正しく理解し、与えられた問題に正答を与えることが出来る。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
随時、質問を受け付ける
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:香取眞理 著「非平衡統計力学」1999年(裳華房)ISBN978-4-7853-2086-7
その他特記事項
参考URL
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/katori/home