シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
デザインの基礎 | 2024 | 前期 | 金1 | 理工学部 | 黒島 直一、佐藤 尚次 | クロシマ ナオイチ、サトウ ナオツグ | 1年次配当 | 2 |
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
黒島直一(兼任講師)・佐藤尚次の2名で分担する。
黒島担当分は景観設計の基礎である。まず「見ること」から始めて、よいデザインと悪いデザインを分ける基本法則を理解し、さらに自らデザインを行う基本的な考え方を身につける。
佐藤担当分は、はじめにデザインの概念に触れ、狭い意味での意匠設計ではなく、目的に応じた「形」の決定がデザインであることを理解する。後半は他の力学系専門科目との関係に意識して、材料や構造計算の結果と構造物の形状(全体的なデザインでなく、部分的な形に重点を置く)を関係づける。
科目目的
3年次・環境クリエーターコース必修科目「機能とデザイン演習」を目標に、企業の構造デザイン担当者(黒島)からの事例紹介、デザインの考え方の紹介を行う他、設計における断面決定のための基礎知識を、構造力学担当者(佐藤)が予習的な意味をこめて講義する。
到達目標
構造デザインに対する基本的な考え方を身につける。
「見た目をよくすること(意匠・景観)」がデザインなのではなく、構造物の様々な「目的」「要求性能」を理解し、それを形にして実現することがデザインである。これを概念的に理解し、他の専門科目の意義もあわせて位置づけられるようにする。
3年次の「機能とデザイン」「同演習」(演習は環境クリエイターコースの必修科目)で具体的な内容の学習をするので、そこに向けて基本的な概念構築をすることが科目の目的である。
授業計画と内容
黒島担当分
第1回 景観設計の基本(デザインを視るポイント)
第2回 美しい土木構造物(1)(よい事例・好ましくない事例)
第3回 美しい土木構造物(2)(優れたエンジニアの共通点)
第4回 表現力のある図面・スケッチ
第5回 歩道橋の景観設計(例)
第6回 歴史的構造物の保存・活用
第7回 まとめ
佐藤担当分
第1回 デザインの概念(意匠と設計・要求項目・評価項目と制約条件-見える条件と見えない条件)
第2回 「人」「環境」とのかかわり・経済的制約・法的制約
第3回 力学と設計(1)(全体とディテール、部材と継ぎ手、部材の分類)
第4回 力学と設計(2)(材料の特徴と形の合理性ー断面量の意味)
第5回 力学と設計(3)(荷重の性質、事故に学ぶ)
第6回 機能とデザイン演習に向けて;設計計算の流れ
第7回 まとめ
2人の担当者が交互に講義する予定であるが、都合により変更もあり得る。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
レポートや課題をこなすため、身の回りにある構造物を実際に眺めてみることや、スケッチを行うことなどを求めている。課題をこなすためだけでなく、日常的に見える景色がもつ「意味」を考えながら歩くことを強く求める。授業ノートを読み返し、授業中で触れられたキーワードを、自分で検索して理解を深める努力を継続すること。デザインをすることは各自の意識の問題であり、授業で何回か話を聞いただけで身につくものではない。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 100 | 佐藤担当分で2回、黒島担当分で数回のレポートを課して総合評価する。佐藤の最終レポートは単位の間違いや、断面合理化の取組みが不十分なものについては大幅減点する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当者のうち黒島先生は、所属する企業にて、構造システムプランニングやデザインを請け負って行う、専門家である。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
実際に設計した歩道橋等の作品を教材として提示(大泉学園駅前ペデストリアンデッキなど)。設計上の配慮点などを解説。
テキスト・参考文献等
教科書:(黒島担当分)鈴木圭 「橋梁デザインの実際-その歴史から現代のデザインコンペまで―」
コロナ社
(佐藤担当分)中井博・北田俊行 共著「新編橋梁工学」 共立出版(この講義では
参考書の位置づけだが、3年次「機能とデザイン」では教科書とする)
また2年生の「構造力学1、2」で教科書として指定している、
竹間弘、樫山和男「構造力学の基礎」(日新出版 3,200円+税)も
「断面の諸量」の説明で言及するので、入手しておくことを勧める。