シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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固体力学 | 2024 | 後期 | 月2 | 理工学部 | 西岡 英俊 | ニシオカ ヒデトシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-CV3-3Z14
履修条件・関連科目等
線形代数,微分・積分,解析学基礎,応用解析Ⅰ,応用解析Ⅱ,力学,材料力学、構造力学1・2、地盤工学1・2、コンクリート工学1・2を履修済みであること(または並行して履修していること)が望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
土木・建築に使われる材料の力学的性質を理解する上で、固体の力学は不可欠である。固体が液体と大きく異なる点はせん断剛性の有無であり、それにより固体力学の特徴が表れる。本講義では、あらゆる固体の力学を扱うための基本である応力・ひずみの概念やそれらの間の関係を学ぶ。さらに、弾性体・塑性体を取り上げ、その基本的性質と、固体の応力・変形を考える上での基礎知識を学ぶ。
科目目的
この科目では、学生が都市環境学科における卒業の認定に関する方針で示す「基礎及び専門知識・応用能力」のうち「(c)都市・環境の基礎となる土木工学の主要6分野のうち3分野以上を習得し,技術者としての知識と応用能力を身につける」ことを目的とする。
具体的には,この科目の学習を通じて,主に固体材料を用いる鋼構造分野,コンクリート構造分野,地盤分野に共通する力学的な専門知識の修得を目的とする。また,これらの分野において卒業研究を実施するために,さらには将来具体的な構造物を計画・設計できるエンジニアとなるために必要な応用能力の修得を目的とする。
なお,この科目は、環境クリエータコースにおいては選択必修科目,都市プランナーコースにおいては選択科目として位置付けられており,科目系統図においては力学分野に位置づけられている。
到達目標
社会基盤構造物の構造物材である鉄・鉄筋コンクリート・土の力学的性質の基礎知識として,
①等方線形弾性体の弾性論
②モール円を用いた2次元的な応力・ひずみの計算方法
③テンソルを用いた3次元的な応力・ひずみの計算方法の基礎
④固体材料の基本的な降伏基準
を習得する。
授業計画と内容
(1)構造物の設計・供用~構成材料の力学的性質,1次元の応力とひずみ,弾性・塑性・弾塑性,断面の向きと応力
(2)1次元の応力とひずみ(演習),弾塑性挙動(演習),断面の向きと応力(演習),真応力・真ひずみと公称応力・公称ひずみ
(3)真応力・真ひずみと公称応力・公称ひずみ(演習),多次元の応力とコーシーの式
(4)多次元の応力とコーシーの式(演習),多次元の変位とひずみ
(5)多次元の変位とひずみ(演習),変位・ひずみ・応力の座標変換
(6)変位・ひずみ・応力の座標変換(演習),主応力とモール円,主ひずみ
(7)主応力とモール円(演習),主ひずみ(演習),応力ひずみ関係式,
(8)応力ひずみ関係式(演習),応力のつり合い方程式・ひずみの適合条件式
(9)2次元平面問題での弾性論の基礎方程式,Airyの応力関数
(10)中間到達度確認,極座標系の2次元問題
(11)Airyの応力関数(演習)
(12)多次元応力場での降伏条件の表し方
(13)応力の不変量,主応力空間と偏差応力
(14)各種の降伏条件(演習),総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 1次元の応力ひずみ関係,弾性・粘性・塑性,断面の向きと応力など,固体力学の基本概念の理解度を評価する。(50点満点) さらに,多次元の応力とひずみの基本演算(主応力・主ひずみの算定,弾性構成則による応力・ひずみの変換)ができるかどうかを評価する。(100点満点) ⇒計150点満点 |
期末試験(到達度確認) | 20 | (100点満点):2次元平面問題について弾性論に基づき与えられた境界条件から材料内部の変位場・ひずみ場・応力場を計算できること,また,3次元問題を対象に与えられた応力場に対する降伏判定ができるかどうかを評価する。 |
レポート | 25 | 原則として毎週実施するmanabaレポート課題として,授業ノート作成と演習課題を提出し,講義内容の復習状況を評価する。 |
平常点 | 25 | 毎回の授業への参加状況と受講態度(responへの回答含む)により,予習状況および講義内容の理解状況を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績は,中間試験・期末試験の合計点(計250点満点)を2.5で除した素点に対して,「レポートおよび平常点に基づく補正率(0~100%)」を乗じた値を評価点とする。評価点が60点に達しない場合は不合格となる(E判定)。
「レポートおよび平常点に基づく補正率(0~100%)」は,全レポート課題と平常点の平均とする。なお,「レポートおよび平常点に基づく補正率(0~100%)」の評価基準は,普段の学修を着実に実施していることが確認できれば満点(100%)とし,不足があれば減点する減点法での評価を原則とする。
よって,中間試験・期末試験が全て満点でも「レポートおよび平常点に基づく補正率」が60%未満であれば評価点は60点未満でE判定となる。よって、普段から着実に学修に取り組むことが必要である。
なお、上記の評価基準の割合としては,「中間試験&期末試験」と「レポート&平常点」を掛け合わせるということは均等の重みで考慮することに相当することから,両者の合計が50%になるよう中間試験30%,期末試験20%,レポート25%,平常点25%との値で表記している。(中間試験と期末試験の比率は満点の比率に応じて配分)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
事前に配信する動画の視聴を指示し,その内容をレポート課題の授業ノート分に含める場合がある。
また,講義では,履修生に事前配信動画の内容の説明を求めたり,事前配信動画を踏まえた演習問題に取り組んでもらう場合がある。なお,講義時点で事前配信動画の内容の学修が不足していると判断した場合は,平常点を減点する。
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaおよびYouTube等で事前学習資料(動画の場合もある)を配信する
responも活用する。
このほかExcelの演習課題を課す場合がある。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
鉄道総合技術研究所:2001~2018年在職
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
第1回講義において,実際の構造物の設計業務において,本科目で修得する専門知識がどのように活用されているかについて講義する。
テキスト・参考文献等
テキスト:園田佳巨、島田英樹「工学基礎 固体力学」(共立出版),ISBN 978-4-320-08150-5