シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
振動と耐震 | 2024 | 前期 | 月5 | 理工学部 | 西岡 英俊 | ニシオカ ヒデトシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-CV3-3C11
履修条件・関連科目等
「線形代数」,「微分・積分」,「解析学基礎」,「力学」,「応用解析Ⅰ」,「構造力学Ⅰ」の内容を学修済みであることを前提として講義を行うため,これらが履修済みであること(あるいは並行して履修すること)が強く望まれる。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
構造物の振動問題・地震への対応(耐震設計)を理解するための基礎知識を習得する。
具体的には,道路や鉄道の橋梁のような構造物を想定した1自由度系の振動問題について,数学的なアプローチを復習するとともに,これらの実務における工学的な意味を説明する。
また,高層ビルのような多自由度系の振動問題について,固有値解析によりその振動モードの概念を説明する。このほか,地震動のスペクトル解析(フーリエ解析)の考え方を説明し,耐震設計で最も重要となる周期特性について説明する。
なお,本科目では,数学的に手計算で振動問題を解いた後に,演習でExcelを用いて振動問題を解き,波形や振動モードを図化することによって理解を深めていく。
科目目的
この科目では、学生が都市環境学科における卒業の認定に関する方針で示す「基礎及び専門知識・応用能力」のうち「(c)都市・環境の基礎となる土木工学の主要6分野のうち3分野以上を習得し,技術者としての知識と応用能力を身につける」ことを目的とする。
具体的には,この科目の学習を通じて,地震工学,特に鋼構造分野,コンクリート構造分野,地盤分野での耐震設計に共通する力学的な専門知識の修得を目的とする。また,これらの分野において卒業研究を実施するために,さらには将来具体的な構造物を計画・設計できるエンジニアとなるために必要な応用能力の修得を目的とする。
なお,この科目は、選択科目として位置付けられており,科目系統図においては力学分野に位置づけられている。
到達目標
構造物・地盤の地震時の性質や地震等の作用力に対する設計に必要な基礎知識として,
①1自由度系の線形の振動問題の解法
②多自由度系の線形の振動問題のうち固有値解析の解法
③地震動の周期特性の評価方法
④耐震設計における2段階設計法の設計思想
を修得する。
授業計画と内容
1.社会基盤構造物の振動問題,振動序論
2.1自由度系の非減衰自由振動
3.1自由度系の減衰自由振動
4.1自由度系の定常振動(周期強制外力)
5.中間到達度確認,1自由度系の定常振動(地盤変位強制加振)
6.Excel演習①(1自由度系の自由振動~定常振動)
7.2自由度系の固有値解析,Excel演習②事前課題説明
8.3自由度系の固有値解析,Excel演習②
9.1自由度系の不規則外力による振動問題(オンデマンド型)
10.1自由度系の数値積分,Excel演習③(ニューマークβ法)課題説明
11.Excel演習③,スペクトル解析概論, Excel演習④(FFT)課題説明
12.地震の基礎,地震動のスペクトル解析(オンデマンド型)
13.耐震設計の基礎(震度法),実務的な耐震設計法の概要(オンデマンド型)
14.Excel演習④(FFT),総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
中間試験 | 25 | 振動に関する用語や基本概念を理解しているか,および1自由度系の振動問題の計算ができるかどうかを評価する。 |
期末試験(到達度確認) | 25 | 多自由度系の固有値解析の計算および構造物の耐震設計に必要な用語や概念を理解しているかを評価する。 |
レポート | 25 | 原則として毎週実施するmanabaレポート課題として,授業ノート作成と演習課題(Excelでの演習を含む)に取り組み,講義内容の復習状況を評価する。 |
平常点 | 25 | 毎週の授業への参加と受講態度(responへの回答を含む)により,予習状況および講義内容の理解状況を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績は,「中間試験と期末試験の平均点」(100点満点)に対して,「レポートおよび平常点に基づく補正率(0~100%)」を乗じた値を評価点とする。評価点が60点に達しない場合は不合格となる(E判定)。
「レポートおよび平常点に基づく補正率(0~100%)」は,全レポート課題と平常点の平均とする。なお,「レポートおよび平常点に基づく補正率(0~100%)」の評価基準は,普段の学修を着実に実施していることが確認できれば満点(100%)とし,不足があれば減点する減点法での評価を原則とする。
よって,中間試験・期末試験が全て満点でも「レポートおよび平常点に基づく補正率」が60%未満であれば評価点は60点未満でE判定となる。よって、普段から着実に学修に取り組むことが必要である。
なお、上記の評価基準の割合としては,「中間試験&期末試験」と「レポート&平常点」を掛け合わせるということは均等の重みで考慮することに相当することから,それぞれを均等割りした25%と表記している。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
事前に配信する動画の視聴を指示し,その内容をレポート課題の授業ノート分に含める場合がある。
また,講義では,履修生に事前配信動画の内容の説明を求めたり,事前配信動画を踏まえた演習問題に取り組んでもらう場合がある。なお,講義時点で事前配信動画の内容の学修が不足していると判断した場合は,平常点を減点する。
また,Excelを使用した演習課題に取り組む。演習課題の説明時には,Excelの基本的な操作法を修得していることを前提として説明する。
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaおよびYouTube等で事前学習資料(動画の場合もある)を配信する
responも活用する。
各自のノートPCを活用したExcelでの演習を行う。
なお,Excelでの演習(宿題)において地震波形を処理するため,PCのスペックによっては計算に長時間を要する場合があるので,その場合にはICT教室(自習室)のPCを計画的に使用する。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
鉄道総合技術研究所:2001~2018年在職
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
第1回および第14回講義において,実際の構造物の耐震設計業務において,本科目で修得する専門知識がどのように活用されているかについて講義する。
テキスト・参考文献等
テキスト:平井 一男,・水田 洋司著,耐震工学入門(第3版・補訂版),森北出版,ISBN:9784627464544
参考文献:山田均・米田昌弘著,「応用振動学」,コロナ社
参考文献:伊津野和行・酒井久和著,Excelではじめる数値解析,森北出版