シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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精密機械材料Ⅱ | 2024 | 前期 | 火2 | 理工学部 | 米津 明生 | ヨネヅ アキオ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-MM2-4C12
履修条件・関連科目等
精密機械材料Ⅰの延長の科目なので、精密機械材料Ⅰの内容を理解していることが望ましい。また,必修の材料加工学Iと並行して学修する.
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
機械、機器、装置などあらゆる構造物を構成する最も基本的な材料である金属材料について、材料を構成する成分(元素)や熱処理によって、材料の微細組織がどのように形成され、それによってどのような機械的性質が得られるのかを学修する。なお、1年次の精密機械材料1では個々の原子(一対の原子)における弾性的な性質を主に講義したが、本講義では実材料の問題に近づけるため複数原子(原子の集団)中の欠陥や塑性変形などの機械的性質を取り扱い、それらを制御する(強度を向上させる)方法を学修する。詳細は、以下の授業計画に記載したとおりである。
科目目的
ものづくりを行う上で重要な強度設計では適切な材料選定は欠かせないため,本講義では材料学を学習することを第一の目的とします.本講義は精密機械材料Iのアドバンス編にも相当し,金属や鉄鋼材料を中心にその性質(機械的性質や加工性)の根源を原子レベルから学修することで,様々な材料へも展開できる普遍的な原理を学ぶことで材料選定の指針を得ること,またその他の必修科目である材料力学Iや材料加工学I,さらには数多くの選択科目へつながるような内容を学修します.また,下記のようにナノスケールの現象からマクロな強度設計法を習得できるような基礎を材料学の観点から養成することも目的としています.
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/science/guide/policy/
精密機械工学科の養成する人材像:ナノスケールからマクロスケールまでの現象の分析や計測・制御から、システム全体の設計までを通じて、国際人としての幅広い視野、物事への強い目的意識、そして論理的な主張方法を身につけた、先端技術の開拓に貢献できる人材を養成します。
到達目標
材料の加工、機械・構造物の設計や生産などのものづくりにおいて、適切な材料を選択できる知識が必要である。本講義では材料を構成する成分(元素)や熱処理によって、機械的性質(塑性変形抵抗や強度)がどのように変化するのかを理解することを目的する。ここでは、広く使われている金属材料を主体として、材料の微視組織の制御方法、材料の高強度化、そのメカニズムを理解することを目的としている。
授業計画と内容
1 機械材料とその製造プロセス
2 結晶構造,格子欠陥
3 拡散(フィックの法則,活性化エネルギー)
4 引張性質(応力とひずみ),硬さ
5 転位の運動(すべり変形の結晶学)
6 転位の運動(理想強度,転位における原子配列)
7 転位の運動(転位に働く力,増殖機構)
8 前半のまとめ,到達度確認(中間試験)
9 材料の強化法(加工硬化,再結晶化,回復)
10 材料の強化法(固溶強化,析出強化)
11 炭素鋼の状態図と組織
12 焼き入れ,焼き戻し
13 冷却速度の影響
14 添加元素の影響,オーステナイトの安定化
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義前:manabaの講義資料をダウンロードして,穴埋め箇所を埋める(参考書などからよく勉強する)
講義後:講義資料に基づき,自筆ノートを作成して,内容を復習する.また,課題レポートを実施する.
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 1)塑性変形および転位運動を理解していること 2)材料の強化法について説明できること |
期末試験(到達度確認) | 30 | 3)炭素鋼の状態図を理解し,その微視組織を説明できること 4)それぞれの熱処理の方法とその効果を理解していること |
レポート | 20 | 毎回の課題についてのレポート内容.加えて,関連した内容を自分自身で調べて論じている. |
平常点 | 20 | 毎回の小テストの点数による評価 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回のレポート・小テスト:40% および期末試験(授業内の一部で実施する「到達度評価」も含む):60% により総合的に評価し、6割以上を合格とする。ただし、出席は7割以上必要である。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
特定のフィードバックは行っていないが、授業時間内に理解が進むよう工夫している
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業中に、クリッカーやmanabaのアンケート機能を使い、即時に学生の反応を把握しながら授業を進めていく
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
2001年4月から2003年2月 キヤノン株式会社 生産技術本部
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
マイクロ・ナノスケールの視点から材料学の基礎・応用と産業界との関わりを講義する.
テキスト・参考文献等
毎回の講義前に,manabaより資料(空欄有り)をダウンロードしてください.「図でよくわかる機械材料学」,コロナ社,2010年発行,定価(本体3,000円+消費税)
その他特記事項
参考URL
yonezu@mech.chuo-u.ac.jp / http://mater.mech.chuo-u.ac.jp/