シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
応用数学Ⅰ | 2024 | 後期 | 土3 | 理工学部 | 有光 哲彦 | アリミツ アキヒコ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-AN2-4B07
履修条件・関連科目等
微分、積分を理解していること。理解していない場合は事前に学習をしておくこと。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講座はフーリエ解析について講義します。フーリエ解析は工学分野では幅広く利用され、特に機械力学、振動工学、音響、画像、制御、及び通信の分野で応用されています。本講義では、フーリエ解析の基礎から、応用までを講義します。
またフーリエ解析の応用や、EXCEL_VBA、数式処理によるフーリエ変換についても講義します。
科目目的
実験や数値シミュレーションのデータの解析を行う理論の総称であるフーリエ解析は、
特に機械力学、振動工学、音響、画像、制御、及び通信などの工学分野で幅広く利用・応用されています。
本講義では、フーリエ解析の基礎から、応用までを講義します。
予備知識として、微分・積分と三角関数の基本的な性質を仮定して、フーリエ変換の定義や意味、および道具としての使われ方を直感的に理解できるようにします。
到達目標
フーリエ解析を理解し、数学的解析能力が向上すること。その結果フーリエ解析を使えるようになること。
授業計画と内容
第1回 授業内容の説明(ディスカッション)
フーリエ解析の概念説明とその応用について。フーリエ解析で使用する微積分の説明。
第2回 周期関数における偶関数と奇関数について(ディスカッション)
周期関数を偶関数と奇関数に分けること、偶関数、奇関数のフーリエ係数との関連について
第3回 周期関数におけるとフーリエ級数展開とフーリエ係数の導出(演習含む)
古典的フーリエ級数展開とフーリエ係数の求め方について
第4回 フーリエ係数を求める演習と、フーリエ級数の収束。(演習含む)
フーリエ係数を求める演習
フーリエ級数が収束する場合と、しない場合について
区分的になめらかな周期関数の収束
第5回 複素フーリエ級数の導出とその意味
古典的フーリエ級数展開と複素フーリエ級数展開について
複素フーリエ係数の求め方について
第6回 複素フーリエ係数の求め方の演習(演習)
実際の周期関数について、複素フーリエ係数を求める演習を行う
第7回 離散フーリエ変換(演習含む)
離散データ列における、複素フーリエ係数の求め方(演習)
第8回 高速フーリエ変換
離散フーリエ変換の高速計算方法の考え方と、その方法について
第9回 非周期関数のフーリエ変換(演習含む)
非周期関数におけるフーリエ変換の説明と演習
第10回 フーリエ変換の性質とフーリエ級数の微分と積分
フーリエ変換の重要な性質(対称性、たたみ込み積分定理、時間推移、周波数軸移動など)
フーリエ級数展開の微分と積分について
第11回 離散フーリエ変換を行うときの注意事項に関する説明。
実際の離散データ列にフーリエ変換をする場合、正しいフーリエ係数を得るための注意事項、ウインドウ関数
第12回 フーリエ変換の微分方程式解法への応用
デルタ関数とフーリエ変換についての説明(微分方程式を解くときに重要)、熱伝導方程式への応用、振動解析への応用
第13回 フーリエ変換の画像処理への応用
二次元フーリエ変換について
二次元フーリエ変換を画像に適用し、ノイズ処理の例、EXCEL_VBA、数式処理によるフーリエ変換
第14回 フーリエ解析と関連する他の手法と、応用について、フーリエ解析の復習と総括
離散コサイン変換、デジタルフイルタ、ウオルシュ解析の考え方
フーリエ解析の復習と総括
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
(1)予習は教員が指示する予定内容について必ず目を通して出席すること
(2)復習は特に力を入れ、該当する部分の教科書ページを読んで理解を深め、疑問点を持ち越さないようにすること。どうしても解らない点は、次の授業で教員に聞くこと。
(3)課題でレポート提出がある場合は、必ず期日までに作成し、提出すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | ①フーリエ解析で使用する微分、積分ができること ②フーリエ係数・級数を求められること ③フーリエ変換の意味を理解していること ④フーリエ変換の応用についても理解していること |
レポート | 20 | ①フーリエ解析で使用する微分、積分ができること ②フーリエ係数・級数を求められること ③フーリエ変換の意味を理解していること ④フーリエ変換の応用についても理解していること |
成績評価の方法・基準(備考)
最終試験によって上記到達度を判定し、成績を評価する。
60%以上の達成度をもって合格とする。
なお、評価の重みは、期末試験80%、レポート20%とする。
到達度の評価基準は次のとおりである。
①フーリエ解析で使用する微分、積分ができること
②フーリエ係数・級数を求められること
③フーリエ変換の意味を理解していること
④フーリエ変換の応用についても理解していること
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
■ 2000年~2010年 ソニー株式会社 本社研究所:音響、映像信号処理研究開発、ならびに、車載事業
■ 2014年~2017年 中央大学理工学部精密機械工学科:機能性音環境創造、振動解析、生体信号処理など
■ 2017年~(現在) 株式会社フィート:音声認識・機械翻訳・音声合成、人工知能・音響工学応用分野
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記、先端の信号処理技術研究開発を中心とした実務経験に基づきプレゼン資料を参照し講義を展開する。
テキスト・参考文献等
テキスト:船越満明著「キーポイントフーリエ解析」(岩波書店 定価2,400円(税別))ISBN4-00-007869-0
その他特記事項
・授業の前半では基本的に教科書に沿って行い、演習問題を通じてフーリエ解析の理解を深める。後半では教科書に記載されていない事項があるため、スライドを用いて講義を行い、必要に応じてテキストを配布する。
・先生との連絡には、所定のメールアドレスを使うこと。
参考URL
連絡先(メールアドレス)
arimitsu@camal.mech.chuo-u.ac.jp