シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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送配電工学 | 2024 | 後期 | 金1 | 理工学部 | 亀田 秀之 | カメダ ヒデユキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-EL3-5C12
履修条件・関連科目等
本講義では交流の電気を主に学び、その中でベクトル図や対称座標法による解析手法の講義を行う。そのため複素計算計算やベクトルに関する知識は必要。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
重要なライフラインの1つである電気について,発生から消費までの輸送経路である電力系統について学ぶ。また,送・配電系統の特徴・性質に加え,電力系統の安定を阻害する事故とその性質,解析手法,さらに人、電力設備、電力系統を守る保護について理解する。加えて2011年に発生した東日本大震災以後に主に議論されてきた電力システム変革の概要を紹介する。
科目目的
電力系統は「作る」「送る」「使う」といった機能を持つ、人類が創出した最も巨大なシステムですが、本講義ではこの中の「送る」に相当する送配電に関する基本事項を学びます。
到達目標
電力系統の主要構成設備である送・配電線,変電所の設備と機能,電力系統の安定を支える保護に関する基本技術,あわせて電力系統の解析手法のうち単純故障に対する対称座標法の計算手法を習得する。
授業計画と内容
14回の講義の概要は下記の通りである。2回目以後の講義では適宜演習問題manaba経由で出題する。これらは復習のつもりで必ずやることが望ましい。次回の講義では演習の解説に加え、前回講義の中の重要ポイントについて復習を実施する。基本的には以下の順番・項目で講義を行うが、進捗状況などにより順番や内容の変更もありうる。
(1)オリエンテーション、電力系統の変遷と現状
オリエンテーションとして、単位の付与方法、授業方法など説明後、各回で行う講義についてその概要を紹介する。1回目の講義としては電力系統を中心とする歴史と現状および特徴,課題などについて解説する。
(2)(3)わが国の電力系統とその特徴
電力系統の定義を説明するとともに、電力系統の主要構成設備のうち、変電所、送電線などの設備について解説する。また、わが国の電力系統の特徴、および電力系統の構成法のうち、ループと放射状の得失について解説する。
(4)交流と直流、交流の基礎
交流と直流のメリット・デメリットおよび交流解析の基本事項について解説する。また、電力系統を解析する場合、送電網は、R,L,Cの直並列回路で構成される。そのとき、この計算方法の基本を理解している必要がある。このため、直列・並列回路の特徴を再度理解するとともに、ベクトル図について解説する。
(5)電力系統構成機器
架空送電線路を構成している,鉄塔,がいしなどについて説明する。あわせて地中送電線路の特徴と構成要素、さらに架空送電線路と地中送電線路との特徴を比較しながら学ぶ。
(6)(7)変電所
電力輸送の中継基地で電圧の変成、電力の集配を行う変電所について解説する。この中で、変電所を構成する主要設備、現状の課題を解消すべく検討されている将来像についても解説する。
(8)中性点接地方式
わが国では主に電圧階級に応じて広く適用されている各種中性点接地方式について特徴などを解説する。
(9)(10)対称座標法
電力系統を解析するには実効値解析と瞬時値解析があるが,実効値解析のうち対称座標法について解説する。また、各種単純事故を対象に対称座標法を用いた計算方法、および当該事故の特徴などについて解説する。
(11)(12)電力系統の保護
電力系統の保護を司る保護リレーについて、その基本事項を理解の上、代表的な送電線保護リレーであるPCM電流差動リレー、距離リレーの事故検出原理、さらに再閉路や母線保護について解説する。
(13)雷現象と電力系統の事故
雷の性質や特徴、さらに各種事故時の波形を見ながら特徴さらに代表的な大規模停電事故などを解説する。
(14)到達度確認
本科目に対する到達度を確認するための確認を行う。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
あら講義の講義の主要部分をまとめたレジュメを配布するので、予習の上、出席すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 本講義に関して各人の理解度を評価する到達度確認試験を最終講時に実施する。 |
平常点 | 20 | 受講状況を評価する。なお、カードリーダにて講義時に出席確認する。概ね講義開始より20分経過後の入室は遅刻、1時間以上経過後は欠席扱いとする。なお、感染症なした場合した場合には後日診断書などの提出があれば出席扱いとする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
基本的には上述による。ただし、全体の成績分布を考慮して加点などを行う場合もある。また、適宜演習を出題し、その次の回の講義で演習問題の解説を加える。この演習は提出を求める場合もあるので、きちんと実施しないと減点対象にもなりうる。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
(一財)電力中央研究所において、系統保護、停電の原因解明、超電導技術等の研究に40年弱携わってきた。また、超電導発電機の開発に関する研究組合への出向、電力会社での研修、アメリカでの客員研究員としての派遣、多数の委員会への参加経験もあり、都度そこでの経験なども講義中に披露する。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
例えば、事故原因解明や実施してきた試験・実験などの経験を該当する講義において話す。
テキスト・参考文献等
講義は基本的にpptを用いて行う。
当日使用するpptのうち重要部分は事前にmanaba経由で配布する予定であるが、予習・復習においては以下も参考にされたい。
道上勉著;「送配電工学」電気学会
亀田秀之、「保護リレーの基本原理と解析技術」科学技術出版
田辺茂;「よくわかる送配電工学」電気書院
他
その他特記事項
基本的に授業はpptを用いて行う。また各回の講義のうち重要ポイントについてはレジュメを配布する。
内容については重要な個所は復習や演習問題で理解の向上を図るが、事前学習とともにしっかりノートをとること。