シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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応用無機化学2 | 2024 | 後期 | 火3 | 理工学部 | 大石 克嘉 | オオイシ カツヨシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-MC3-6C08
履修条件・関連科目等
基礎無機化学,無機化学1,無機化学2を履修している事が望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この講義(応用無機化学)は,すでに1~2年生の時に履修・修得した基礎無機化学,無機化学1及び無機化学2の重要な基礎事項を再度確認・理解するとともに,それら事項がいかにして現在使用されている無機材料とリンクしているのかについて,詳しく解説するものである。
世の中では時に,新しくかつ優れた特性を持つ物質が見出され,創られ,稀にそれらは応用され,実際に使用されている。しかしながら,誰かが見出した物質の成り立ちや特性を理解する事なしに,人から言われたままに手だけを動かし微小な貢献のみをするような人は,オリジナルな物質や特性を見出す事は出来ない。この状況を回避するためには,大学もしくは大学院生の時代に,なぜこの物質が応用され使用されたのかについて基礎的に理解しておく事がとても重要である。これらを達成するためには,「基礎事項の深い理解」と「基礎事項と応用の橋渡しを見出す」事が必須であるが,少なくとも,「基礎事項の深い理解」には長い時間が必要であるので,これらを達成するためには大学もしくは大学院生の時代が最適な時期である。この時期を逃したら,就職後にそれらを達成する事は不可能だと思ってもらって差し支えない。
科目目的
本応用無機化学2は,応用化学科の3年生以上を対象とした選択科目である。この講義の内容を理解するためには,1,2,3年生で学んだ基礎無機化学,無機化学1,無機化学2などの内容を理解している事が望ましい。
到達目標
無機材料の最近の発展は特に著しく,電子工学、機械工学をはじめとするあらゆる分野に新しい機能を有する材料を提供している。この講義では,まず,物質の合成・製造方法の中で,単純な方法ではあるが非常に成功した例を知るために元素の製造過程を考え,これら例と基礎無機化学,無機化学1及び無機化学2で勉強した基礎知識との関係について考察する。その後,これまで発展してきた半導体産業の発展の基礎となったSiの精製法の化学工程,機能性無機酸化物の合成方法,X線や中性子線を用いた構造解析方法,物性の測定方法を講義する。同時に,具体的な応用例として,半導体のp-n接合を利用したLEDや発光材料,超伝導材料を例にとり,その過程の中でいかに化学の知識や方法がうまく利用されてきたかを紹介する。
授業計画と内容
第 1回 ファラデーの法則と交流発電から電荷間のクーロン力,ポテンシャルと電気陰性度まで
第 2回 化学結合,電気的中性則と固体の成り立ち
第 3回 Siの超高純度製造法と超高純度Si及びSiO2の使い道
第 4回 固体Siのエネルギー順位(バンド構造)と不純物の添加効果(p-n接合)
第 5回 超高純度SiO2ガラスを使用した光ファイバーの物理学的原理とその実際
第 6回 合成方法(固相反応法,錯体重合法,封管法など)
第 7回 電磁波の性質とX線の性質
第 8回 X線回折を用いた結晶構造の解析
第 9回 中性子回折を用いた結晶構造の解析
第10回 酸化物の組成とその構造
第11回 発光する物質とその構造
第12回 超伝導酸化物の組成と構造
第13回 超伝導酸化物の構造と超伝導特性
第14回 CO2と反応する酸化物とその構造
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
この講義の内容は学生の皆さんがすでに学んだ事柄の組み合わせを含むので,基礎無機化学,無機化学1,無機化学2の内容を正確に理解した学生にとっては,復習にあまり時間を必要としないでしょう。毎回の講義の内容を理解し,自身中にある知識を常に再確認する事が重要です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 14回の授業終了後に課される総合レポートの内容で,評価点が決まる。その際の基準は、第1回~第14回の授業の内容が理解・習得できているかどうかをもとにする。 |
平常点 | 40 | 毎回の授業の後に提出を促される”毎回の授業レポート(感想を含む)を教員が,個人裁量で評価し加点する。 その際の基準は、毎回の授業の内容が理解・習得できているかどうかをもとにする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎回の講義終了後,manaba上に,"応用無機化学2の講義メモ"という資料がアップされるので,その資料をダウンロードして,内容を確認し,理解する事が推奨される。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaにより、レポートの提出とフィードバックを行う。さらに、疑問点に対する質問の受付と返答を行う。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
本教員は,一般企業の総合研究所に勤務していた経験を持つ。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
本講義では,企業の研究開発の実際について少し講義する。
テキスト・参考文献等
テキスト:必要に応じて資料を配布する。
参考書 :シュライバー・アトキンス 無機化学(上) 第6版(1印) 東京化学同人
基礎固体化学(-無機材料を中心とした-) 村石治人[著] 三共出版 など
その他特記事項
担当教員(大石克嘉)のメールアドレスは,oh-ishi@kc.chuo-u.ac.jp,
居室は,5号館3階の5306号室です。オフィスアワーを利用して質問しましょう。
また,研究室のホームページは,http://sschems.chem.chuo-u.ac.jp/612www/ です。
参考URL
http://www.ide.titech.ac.jp/~hinode/home_jp.html