シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ロボット工学 | 2024 | 前期 | 水2 | 理工学部 | 大隅 久 | オオスミ ヒサシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-DR3-4C28
履修条件・関連科目等
力学,線形代数など,物理,数学全般にわたる基礎知識が必要です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ロボットという言葉の概念はきわめて広く,その解釈は研究者毎に異なるといっても過言ではありません。本講義では,機構・制御の観点から,現在研究されているロボットを典型的ないくつかの形態に分類し,それぞれのタイプのロボットについて,その特徴,動かし方の基本,最先端の研究を,映像を交えながら紹介していきます。ロボットの解析,設計,制御には多くの基礎知識を必要としますが,本講義では難しい理論ではなく,その基となる考え方を示します。そして,様々なロボットの持つ機構的な特徴,用途などを,簡単な例を用いながらわかりやすく解説します。
科目目的
本講義は,腕型のロボット,車輪型の移動ロボット,脚型の歩行ロボット等の構造とその特徴,機構の持つ特性の解析方法,制御方法の基礎を解説します。これらを通じて,ロボットの機構解析の基本を理解すること,ロボットの持つ構造と物理的特性の関係を理解することを目的とします。
到達目標
ロボット工学における到達目標は以下の通りです。
・2次元平面内マニピュレータの運動学,逆運動学が計算できるようになること。
・ヤコビ行列の意味が理解でき、2次元平面内マニピュレータのヤコビ行列を求めることができること。
・ヤコビ行列を基に、仮操作性楕円体を求めることができること。
・マニピュレータの静力学特性が理解できること。
・マニピュレータの動力学の計算方法が理解できること。
・動力学計算に現れるコリオリ力等の非線形項の物理的意味が理解できること。
・2次元平面内の車輪機構の運動学が理解できること。
・歩行ロボットの歩容、ゼロモーメントポイントが理解できること。
授業計画と内容
第1回 ロボット工学とは
第2回 ロボットの歴史
第3回 シリアルリンクマニピュレータの基本
第4回 シリアルリンクマニピュレータの運動学
第5回 シリアルリンクマニピュレータの逆運動学
第6回 シリアルリンクマニピュレータのヤコビ行列
第7回 シリアルリンクマニピュレータの静力学
第8回 シリアルリンクマニピュレータの動き易さ・力の出し易さ
第9回 シリアルリンクマニピュレータの動力学
第10回 コリオリ力,ジャイロ効果
第11回 車輪型ロボットの構造
第12回 車輪型ロボットの制御
第13回 歩行ロボットの構造
第14回 歩行ロボットの制御
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回授業前に,教員が配布した資料の予定内容箇所について目を通しておくこと。また,参考書などを利用して,該当項目を調べておく。復習課題では,授業で説明のあった内容を理解しているかを確認し,不明な点はmanaba、メール等で遠慮なく質問すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | シリアルリンクマニピュレータの運動学,逆運動学,ヤコビ行列,静力学,動力学,移動ロボットの基本,歩行ロボットの基本が理解できているかを評価する。 |
その他 | 20 | 毎回の授業終了時に出題される課題の解答から,その日の授業内容を理解できているかを評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回の授業終了時の課題を提出したことをもって、出席したものとみなします。出席率が70%に満たない者はE判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業で使用する資料は授業中に配布します。
参考書:
米田完,坪内孝司,大隅久著「はじめてのロボット創造設計」(講談社サイエンティフィク 2001)
米田完,大隅久,坪内孝司著「ここが知りたいロボット創造設」(講談社サイエンティフィク 2005)
日本機械学会「ロボティクス」(丸善 2011)
その他特記事項
本講義を通じて,ロボットのなにげない形態が持つ作業への最適性や,ロボットの研究対象としての奥の深さに興味を持ってもらうことを期待しています。
参考URL
osumi@mech.chuo-u.ac.jp