シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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医用精密工学 | 2024 | 後期複数 | 土3,土4 | 理工学部 | 太田 裕治 | オオタ ユウジ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-MD3-4C33
履修条件・関連科目等
とくになし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近年の科学技術の進歩は医療や福祉の質の向上に大きく貢献してきました。その一方で、今後は倫理や医療経済に関する問題が世界各国で社会的課題となることが予想されます。そこでは、科学技術をこの分野にどのように応用し、問題解決を図るかが一層問われることとなります。本講義では医療・福祉のための工学技術につき、理解を深めることを目的とし、基礎的な生理学的・工学的事項を踏まえた上で、各種の医療デバイス・機器システムについて講義します。「人に対する技術」は、皆さん自身に考えてもらうことが大切ですので、オンラインでグループワークなども行うこととしています。
#グループワークを行う関係上、受講者数を制限させて頂きます。
なお、2024年度の講義日程は以下の予定です(変更の可能性もあります)。また、受講者の合意が得られれば13時開始とします。(初回は定時開始です。)
9月28日(土)午後(3・4限)
10月5日(土)午後(3・4限)
10月12日(土)午後(3・4限)
10月19日(土)午後(3・4限)
10月26日(土)午後(3・4限)
11月2日(土)午後(3・4限)(学園祭の場合は以降、1週繰り下げ)
11月9日(土)午後(3・4限)
以上、全14回
科目目的
これまで、工学の各分野は、つくる「モノ」で分割され、その内部で発展を遂げてきた。これに対し、今後、工学の社会性は一層強まることが予想され、(SDGsに代表されるように)解決すべき課題に対し、どのように既存技術を組合わせる、もしくは、新規技術を創成することも求められる。前者はニーズ型であり、後者はシーズ型ということも可能である。医用工学や福祉工学では、前者の考え方が求められる。講義ではこの考え方についても説明し、グループワークを通じて、受講者に理解して貰うことを目標としている。
到達目標
医用工学・福祉工学は精密機械工学の新たな領域である。下記について学ぶことにより、この分野における創造的な課題解決能力を養う。
○電気的性質を中心とした生体の物理特性を理解するとともに、生体計測・制御の手法を学ぶ。
○最先端の各種医療機器・福祉機器の原理・利用法を理解する。
○医療福祉技術の開発の際の考え方を理解する。
授業計画と内容
概ね下記のスケジュールに従い講義する。
第1回 序論、ならびに、生体の電気的特性(1)
イントロダクションとして、理学、工学、医用工学の互いの関係性に関して講義する。さらに、それらの領域と人文学や社会科学とのかかわりについても講義する。学問分野を狭くすることなく、広くとらえる姿勢を理解すること。
生体を構成する細胞/組織とその電気的特性に関して講義する。生体システムが電気的に制御されていることを理解する。
第2回 生体の電気的特性(2)
生体の電気的特性(能動的性質/受動的性質)につき講義するとともに、電気を利用した各種計測・制御機器に関して解説する。
第3回 機能的電気刺激
生体システムは電気的に制御されており、機能的電気刺激法はそれを利用した治療技術である。基本的な応用例としての心臓ペースメーカならびに上肢・下肢筋の電気制御技術に関して述べる。機能的電気刺激の感覚系に対する応用例として、人工内耳、人工眼などの感覚補助技術につき述べる。また、感覚代行技術に関しても解説する。
第4回 生体磁気刺激(1)
生体の磁気的特性につき講義するとともに、非接触的な電気刺激法である磁気刺激法に関して講義する。
第5回 生体磁気刺激(2)
経頭蓋磁気刺激に関して講義する。本法が無電極電気刺激であること、その有用性を理解すること。さらには、生体電気信号を非接触で計測する技術の可能性に関して検討する。
第6回 生体の熱的性質
伝熱現象(熱伝導、熱伝達、輻射)に関して講義する。また、生体における熱バランス(ホメオスタシス)について解説する。
第7回 生体の機械的特性
バネ・マス・ダンパによる生体の機械的モデル(マックスウェルモデル、ケルビン・フォークトモデル)に関して講義する。また、血液の流体力学的特性について講義する。
〇各回に設けられるワークショップの進行度によっては熱的性質/機械的性質に入らないこともあります。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
本講義ではグループワークを実施します。グループごとにプレゼン資料を作成したり、効果的なプレゼンを工夫して下さい。
また、医療機器・福祉機器の展示会などにも是非足を運んで、技術に対する理解を深めて下さい。
http://www.jetro.go.jp/j-messe/
http://www.hcr.or.jp/exhibition/index.html
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 授業後に感想レポートを提出して頂きます。授業の内容を理解しているかで、評価します。 |
平常点 | 50 | 毎回出席をとり、その状況で評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考書は特に無し。
その他特記事項
医療や福祉分野への工学技術の応用は今後益々その重要性を増すと考えられる。講義で学んだことをもとに、これからも継続して関心を持って活動することを期待する。社会的要請の強い分野でもあり、工学の応用方法を論理的に考える能力を養うとともに、社会的・職業的に活用して頂きたいと思います。