シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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発変電工学 | 2024 | 前期 | 金1 | 理工学部 | 亀田 秀之 | カメダ ヒデユキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-EL3-5C11
履修条件・関連科目等
電磁気学と電気回路の基本は理解していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
電力系統を構成する発電設備、変電設備に関する講義を行う。電力系統の将来像は諸情勢の変化もあり流動的な面もあるが、電力系統の全体像を解説する。次いで、水力発電、火力発電、原子力発電、およびその他の発電方式の概要と基本原理を、さらに変電設備についても解説する。あわせて、エネルギー資源、環境など、電気エネルギー利用に関連する問題について現状を説明する。
科目目的
この科目はカリキュラム上の専門科目として位置づけられており、この科目での学習を通じて電力工学のうち発電・変電技術に関する基礎的な知識を習得するとともに、我が国のエネルギー状況に関する認識を深めることを目的としている。
到達目標
この科目での到達目標は以下の通りである。
・電力供給システムの全体像を把握する。ここでは送電系統から配電系統までを対象とする。
・各種発電方式の原理と社会環境における位置づけを理解する。
・日本のエネルギー問題を考えるための基本的知識を得て、将来への展望について考え方を持つ。
授業計画と内容
14回の講義の概要は下記の通りである。2回目以後の講義では適宜演習問題をmanaba経由で出題する。これらは復習のつもりで必ずやることが望ましい。この解説は原則翌週の講義で行い、講義で扱ったテーマの重要ポイントについて復習を実施する。基本的には以下の順番・項目で講義を行うが、進捗状況などにより順番や内容の変更もありうる。
第1回 オリエンテーション
オリエンテーションとして、単位の付与方法、授業方法など説明後、各回で行う講義についてその概要を紹介する。
第2回、第3回 電力系統と発電所
電力系統の主要構成設備を紹介し、発電所の電力系統での役割を説明する。また、わが国の電力系統の特徴などを解説する。
第4回、第5回 水力発電
水力エネルギーから電気エネルギーへの変換過程を説明し、あわせて、各種ダムや水車などの特徴、さらに水力発電の運転・保守、揚水発電の運転・役割などについて解説する。
第6回、第7回 汽力発電、火力発電
エネルギー資源が乏しい我が国における火力発電の概要、ボイラから発電機までの設備概要、効率向上策などについて解説する。
第8回 原子力発電
火力と原子力発電との相違を理解した上で、PWRとBWRについて各方式の構成と特徴などを解説する。
第9回 その他の発電方式と分散形電源
その他の発電方式として地熱発電などの発電方式などの解説を行う。
第10回 電力貯蔵
主たる貯蔵として電池があるが、各種電池の特徴、将来技術としてSMESなどについて解説する。
第11回、第12回 変電設備
変電設備は電圧の変成の他、電分の分配の役割がある。これに関わる設備の概要、さらに将来像について解説する。
第13回 発電所の保護の概要と分散形電源大量導入時の問題点
主に発電機の保護方法、さらに太陽光電池や風力発電に代表される分散形電源が比較的低い電圧階級の系統に大量に導入された場合に考えられる課題などを解説する。
第14回 とりまとめ
本科目に対する到達度確認を行う。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
世界およびわが国のエネルギー問題に関する新聞、TVなどの報道を注意して見るようにし、現在の日本のエネルギー情勢について、諸外国との比較を含め、最新の情報を得て知識を深めるようにする。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 最終講義時に到達度試験を実施し、その採点結果により評価を行う。 |
平常点 | 20 | 受講状況を評価する。なお、カードリーダにより、出席確認を行う。講義開始時間より概ね20分経過御は遅刻、1時間経過以上は欠席として扱う。なお、感染症など罹患した場合、診断書などの提出があれば出席扱いとする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
講義の内容に即したレジュメを事前に配布する。また、適宜演習問題を出し、翌週に解説を行う。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
講義中にできなかった質問などは適宜eメールなどで受け付ける。また、回答は講義時に披露し共有する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
(一財)電力中央研究所において、系統保護、停電の原因解明、超電導技術等の研究に40年弱携わってきた。また、超電導発電機の開発に関する研究組合への出向、電力会社での研修、アメリカでの客員研究員としての派遣、多数の委員会への参加経験もあり、都度そこでの経験なども講義中に披露する。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記の経験を生かして、変電所の保護、超電導発電機などについても授業の一部として講義する。
テキスト・参考文献等
テキスト:財満英一編著 「発変電工学総論」 電気学会 2007年発行 3,300円
その他特記事項