シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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電気機器設計 | 2024 | 後期 | 月3 | 理工学部 | 新 政憲 | アラタ マサノリ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-EL3-5C30
履修条件・関連科目等
「電気機器基礎」,「電気機器応用」,「電磁気学及演習1」,「回路基礎及演習1」 を履修済みであることを前提に講義を進める。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
電気機器設計に関して,三相同期発電機を例題としてその設計法と設計に必要な材料や規格,機器使用時に必要な注意事項の知識を習得する。あわせて三相誘導電動機の構造と用途,ならびに近年電機機器の特性評価や設計に使用される数値電磁解析の基礎事項について学習する。
科目目的
発電機,電動機,変圧器などの電気機器は,現代の電気文明を支える重要な役割を果たしている。本科目は,そのような電気機器の設計法を理解し実践できることを目的とする。
到達目標
機械エネルギーと電気エネルギーとの相互変換,ならびに電気エネルギーどうしの変換を担う発電機,電動機,変圧器などの電気機器は,現代の電気文明を支える社会基盤となっている。
本科目では電気機器の設計法を三相同期発電機を例題として学習し,
・電気機器の使用材料や規格
・電気装荷・磁気装荷の定義,容量に対する効率や寸法の関係
・三相同期発電機の設計と特性計算
・三相誘導電動機の構造と用途
・コンピュータを利用した解析例
・製図の基礎などの概要
を理解し修得することを目標とする。
授業計画と内容
[第1回] 電気機器の概要,規格と仕様(寸法・容量・温度上昇等)
設計の範囲と発電機の容量と冷却方法を理解し,適用すべき規格を認識し,その内容について理解を深める。
また,回転電気機械の構造と名称について理解する。
[第2回] 電気機器設計の原理(1)(各種回転電機の特徴と構造(1))
電気機械の種類を把握し,発電機設計の流れと製造工程の概要を理解する。
さらに,発電機の主要部品の名称と構成材料,構造について理解する。
回転電機の特徴(直流機)と概要を理解する。
[第3回] 電気機器設計の原理(2)(各種回転電機の特徴と構造(2))
回転電機の特徴(誘導機と同期機)と概要を理解する。さらに直流機の特性を理解する。
[第4回] 電気機器設計の原理(3)(各種回転電機の特徴と構造(3)と規格演習)
誘導機と近年応用の拡大する磁石式同期機の特性を理解する。
[第5回] 三相同期発電機の設計(1)(構造と電気装荷,磁気装荷)
同期機の設計手順に従って,電気装荷と磁気装荷を決定し,比容量と D2L の関係から発電機体格を決定して設計を進める。
[第6回] 三相同期発電機の設計(2)(構造と同期機演習)
巻き線の設計を行い,一極当たりの磁束の決定し,電機子コイルの設計を進める。
ac 数の確認して,良ければ,電機子の寸法を決定し,電機子コイルの設計を進める。
[第7回] 三相同期発電機の設計(3)(構造と仮設計)
電機子コイルの設計を継続し,固定子,回転子間のギャップを決定し所要アンペアターン数を計算する。さらに,電機子反作用を計算し,磁極寸法の決定,電機子鉄心外径を決定して設計を進める。
[第8回] 三相同期発電機の設計(4)(詳細設計と特性計算)
電磁鋼板の磁気特性について理解し,これを反映して磁気回路を見直し,磁気回路の断面積と無負荷定格電圧のアンペアターン数を計算して設計を進める。
[第9回] 三相同期発電機の設計(5)(特性計算と同期機演習)
これまでの設計を反映して電機子反作用の正確な計算を行う。これに対応して,各種アンペアターン数の正確な値を計算し,これを反映して界磁コイルの設計を行う。
同期発電機の基本特性図の作成と,効率計算を行う。
[第10回] 三相かご形誘導電動機の設計(1)(概要と用途)
誘導電動機の種類,部品名,構造と保護形式と保護構造を理解する。
[第11回] 有限要素法の基礎(1)
有限要素法の開発の歴史と,適用が拡大した背景である製品化,設計プロセスを理解する。有限要素法解析の初期作業である離散化モデル作成の流れと,第一ステップとしての要素分割について理解する。
[第12回] 有限要素法の基礎(2)
離散化モデル作りの工程を進め,要素分割,節点の定義を理解し,結果の整理の際の留意点を理解する。有限要素法の定式化の中の補間関数について理解を深める。計算条件設定のための境界条件の種類と設定の仕方を理解し,汎関数の導出と意味について理解する。
[第13回] 製図の基礎(線,文字,図記号,尺度,寸法公差等)
製図法の概要と,投映法と特に図面に使用される正投影法について理解する。製図に使用する用紙と線の種類と用途について理解する。
[第14回] 回転電気機械の開発の実例と総まとめ
回転電気機械の開発について実例に即して理解する。さらに,講義全体について総まとめと到達度確認を行う。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義の予習および復習を行うことを期待します。
授業前に講義資料(manabaからダウンロード)および教科書を読み,理解できたことと理解できなかったこととを認識し,問題意識をもって講義に臨むようにして下さい。
磁気回路計算,誘導起電力計算,電気回路の構成要素(インダクタンス,抵抗)特性値計算,ならびに電気機器の特性計算が出来るように,履修上の注意に記載した,「電気機器基礎」,「電気機器応用」,「電磁気学及演習1」,「回路基礎及演習1」の内容を復習しておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 講義内容に関する小テストを三回実施します。各10点満点として期末の成績に反映します。 |
期末試験(到達度確認) | 70 | 講義内容に即した筆記試験を実施ます。70点満点として期末の成績に反映します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
到達度試験・期末試験を受験,ないし期末レポートを提出するには60%以上の出席を条件とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
総合電機メーカで発電機,永久磁石モータの機器設計および開発を担当。
材料メーカで,永久磁石材料の実使用条件下での性能評価を担当。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
実務で修得した経験やノウハウ、および知見を活かして,講義する。
テキスト・参考文献等
教科書
・教科書「電気学会大学講座 電機設計概論4版改訂」
広瀬敬一,炭谷英夫,電気学会,オーム社を教科書として使用し,参照しながら講義を進める。講義の概要については資料を配布する。
参考書
・参考書「電気機器学基礎(改定2版),仁田旦三,古関隆章,数理工学社
その他特記事項
質問等が有れば,積極的に講義の前後に問い合わせをして下さい。