シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基礎有機化学 | 2024 | 前期 | 水3 | 理工学部 | 岩﨑 有紘 | イワサキ アリヒロ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-BC1-6A03
履修条件・関連科目等
高等学校レベルの有機化学の内容を理解していることを前提として授業を進めます。理解が不十分だと認識している人は、予習に割く時間を多めにしましょう。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
有機化合物、すなわち炭素の化合物は、全元素の化合物の中でも圧倒的に種類が多く、その性質もきわめて多彩です。実際に、社会生活や生命現象のあらゆる場面で有機化合物は主要な役割を演じています。本講義では、この有機化合物の構造、性質、反応性を理解するために必要な化学結合論や酸・塩基、共鳴、立体配座、立体配置などの基本概念を中心に学びます。具体的には、教科書「マクマリー有機化学 第9版 上」の1章~5章の内容を主に扱います。
有機化学を暗記科目だと思っている人は、その考えを捨てて下さい。有機化学は、整然とした理論の上に成り立つ系統的な学問です。この科目の内容に関して正しく理解が出来ていないと、後に続く有機化学1ー4および有機化学演習の理解が困難になりますので、学習には十分時間を取って下さい。
科目目的
この科目はカリキュラム上の必修科目として位置づけられていることから、学生がこの科目での学習を通じて、大学における有機化学に対する認識を深めるとともに、有機化学における基礎的な理論や概念を習得することを目的としています。
特に「有機化学1」以降の関連科目を履修する上で必須となる基本概念の習得を目的としています。
到達目標
(1)共有結合の成り立ちを理解し、説明できること。
(2)共有結合の電子の偏りが分子の反応性に与える影響を理解し、予測できること。
(3)アルカン、シクロアルカンの命名ができること。とりうる配座とエネルギーの関係を理解し、説明できること。
(4)立体化学の概念を理解し、様々な立体異性体を適切に区別できること。
授業計画と内容
第1回 有機化合物と電子の軌道
第2回 混成軌道の成り立ち
第3回 有機化合物の分子軌道
第4回 有機化合物の極性結合,電気陰性度
第5回 有機化合物の極性結合,共鳴構造
第6回 有機化合物の極性結合,酸と塩基
第7回 アルカンの構造と命名法
第8回 アルカンの立体配座
第9回 シクロアルカンの構造と命名法
第10回 シクロアルカンの立体化学
第11回 置換シクロアルカンの立体化学
第12回 不斉炭素と立体異性体,エナンチオマー
第13回 不斉炭素と立体異性体,ジアステレオマー
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各回の講義に先立って、教科書に目を通して内容を予習しましょう。また、講義後はノートに従って復習する習慣をつけてください。さらに教科書の章末問題等を解いて理解度を確認するようにしましょう。講義外での日常的な取り組みが、有機化学の習得に重要です。講義内容等に関する質問はいつでも歓迎します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 70 | 学期末試験の点数を70%の割合で考慮して成績を評価する。 |
レポート | 30 | 講義期間中に実施するレポートまたは小テストの点数を30%の割合で考慮して成績を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
基礎有機化学の各項目,すなわち「有機化合物を構成する電子の軌道,極性結合の性質,アルカン/シクロアルカンの性質と立体配座,不斉炭素原子と立体化学」,ごとの理解度で成績を判定する。各項目が最低60%の到達度を合格の基準とすると。全く理解できていない項目が複数ある場合(0%到達度)は不合格になる場合がある。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:マクマリー著, 伊東・児玉ら訳「マクマリー有機化学 第9版 上・中・下」(東京化学同人)有機化学(必修・選択必修)の講義で共通。第8版を持っている人はそのまま使うことができる。
参考書:S. McMurry著, 「マクマリー有機化学 問題の解き方(第9版) 英語版」(東京化学同人)
分子模型:HGS分子模型A型セット,有機化学入門用(1600円)
その他特記事項
教員免許を取得する予定の学生は,有機化合物の構造と性質と反応性との関係を十分に理解する。また,それらの自然界での生成のしかたおよび人工的な化学合成法について理解をする。人間社会での有機化合物の利用法,例えば医薬品や染料などの応用についても理解する。これらの事項について,化学を学ぶ中学生および高校生に,化学の重要性に興味を持ってもらえるように正しく伝える基礎学力を培うことを達成目標とすること。