シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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卒業研究Ⅱ | 2024 | 後期 | 他 | 理工学部 | 上村 慎治 | カミムラ シンジ | 4年次配当 | 3 |
科目ナンバー
SE-BI4-9A92
履修条件・関連科目等
学科において定めた科目と単位数を3年次終了までに取得する必要がある
前期に開講する「卒業研究I」を履修することを前提とする。
「卒業研究I」と「卒業研究II」とは同じ研究室で履修する。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
ただし,配付資料の大半が英文記載のものである
授業の概要
研究課題について、学生が主体的に、個別あるいはグループによる研究活動を行う、アクティブ・ラーニング科目である。研究活動には、研究計画の策定、文献調査、実験に必要な方法を習得するための訓練、実験の準備、その実施、結果の記録と解析および評価、その解釈と意義づけ、そのまとめと発表、これらを実施するための討議などが含まれる。これら一連の事項を継続的に行い、指定された日時に研究成果を発表し、報告書(中間報告書)を提出する。
科目目的
自主的に研究課題を選び,解決する力を養う。明確な成果を挙げることよりは,研究計画の策定、文献調査、実験手法の習得を目指す過程がもっとも重要である。成果をわかりやすくプレゼンテーションする能力を習得することも重要視したい。
<重要なポイント>
卒業研究で取り扱う研究課題は、すでに報告した結果があるのではなく,新しく斬新なものでなければならない。教科書にはもちろんのこと、専門書や他の学術論文には答えは見つからないことが、むしろ当然のことと理解すべきである。研究テーマの答えは、実験で調べるしかないが、その答えは、無数にある可能性もあるし、見当違いの仮説を立てると誤った答えとなるかも知れない。実験者にとって都合の良い結果や予測通りの結論を得ることよりも、そのような研究プロセスを経験することが、本科目が目指すべき重要なポイントである。後期の研究では,発表用に研究成果をまとめ,プレゼンテーションする演習も実施する。
到達目標
生命科学における特定の研究テーマについて、「授業の概要」に具体的に記した一連の研究活動のすべてを、学生自らが主体的に学び、教員の指導のもとで実施する。「卒業研究I」と「卒業研究II」をとおして、次の1)~4)を行う。ただし、必ずしも成果を出すことは求められない。研究に関わる一連のプロセスを自らが実施することをとおして、社会一般で要求される素養と大学卒業生に相応しい知的な能力を得ることを目指す。
1)学生自らが研究することを前提に、教員から課される課題(問い)を十分に理解する。
2)課題の解明に適した材料と方法を選び出す。
3)課題と、材料と方法とが整合していることを論理的に説明する。
4)課題を解明するための実験を自ら準備し、実施し、結果をまとめて、発表する。
「卒業研究II」では、1)~3)に加え、おもに4)を行う。「卒業論文」には、「卒業研究I」で行った内容を排除せず、卒業研究全体を論理的に記述する。特に、実験結果をとりまとめ、科学的に解釈して記述する。
授業計画と内容
本科目では、学生が主体的に学び、研究を実施する。「卒業研究I」で実施した内容も含めて研究内容をまとめ、卒業論文として提出することを念頭に履修する。学生が提案した独自の研究課題を実施するうえで、より具体的な「問い」(study question)を見出すこと、および、その解を見出す道筋(仮説や研究計画)を提案することが必要になるが、これを試みる。その後、それを、失敗をおそれず、実験的に証明することを試みる。その経過をまとめ、論理的に説明(発表)する。また、教員を含む研究室内外の共同研究者、および先輩や同輩とコミュニケーションをとり、適切な実験の技法や材料を学ぶことも重要である。これは、実験上の安全確保の観点からも必要である。
<学生が提案した独自の研究テーマに沿って>
1)卒業研究のテーマに関わる論文や論説を読み、その内容を簡潔にまとめる。
2)卒実験テーマに沿って、これまでの卒研生を含めた国内外の先駆者が報告する成果を理解しまとめる。
3)これまでの先駆者の研究成果を発展させる研究テーマについて、批判的な考察を行う。
4)独自の新テーマとして提案し、実験構想をまとめ、新しい仮説を立てる。
5)独自の新規研究テーマに関して、立てた新しい仮説をもとに予測される観察について考察する。
6)予測される観察を実現するための実験プランを練る。
7)計画した実験プランを具体的に実施するための道具立て、溶液、具体的な手順を考える。
8)実験を具体的に実施して、データ収集を行う。
9)集めたデータをもとに解析し、統計処理を経て結論を導き出す。
10)得られた結果をもとに立てた仮説を比べ、予測通りの観察となったかを評価する。
11)評価の結果をもとに、仮説を再検討する。
12)研究テーマに沿ったこれまでの文献情報をまとめて、研究成果を自己評価する。
13)成果を10-30ページほどの卒業論文としてまとめ提出する。
14)スライドを作成して、得られた成果を口頭発表、あるいは、ポスター発表する。
ただし、上の各項目は、順番に進行できることは極めて希で、単に、研究遂行のための形式的な指針である点はじゅうぶんに理解しておくことが重要である。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
提案されたテーマに沿った文献上の検索を頻繁に行い、関連する内容の論文の要旨、および多くは全文を詳細に通読して十分に理解する作業が求められる。また、取得したデータは迅速にとりまとめられる必要がある。その解釈も含め、相当の時間を要することが研究では往々にしてあり、学生諸君にはそのための時間を確保してもらいたい。指導教員の指示のもとに、関連する研究会や学会への見学や積極的な参加を推奨することもある。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・卒業論文、または卒業研究の作成等に対して専門分野に関する必要な論文作成、研究指導を行うことを基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 学期の途中で行うレポート提出の結果をもとに評価する。 |
平常点 | 50 | 卒業研究の進行状況を考慮しての評価を行う。 |
成績評価の方法・基準(備考)
「卒業研究II」として、学生が取り組んだ様態の全般を総合的な評価の基礎とする。指定された日時に卒業研究発表を行い、卒業論文を提出することを卒業の要件とする。
総合評価の基準は「卒業研究II」として学生に課された上記の項目の進捗度である。具体的には、まず、教員が課した課題と方法等に対する理解度、研究に関わる諸技術の習得への積極性、その習熟度、課題や結果を十分に理解できいるか、討論における積極性と主体性、論理性の高さ、研究室内での積極的なコミュニケーション、倫理感の高さなどが含まれる。
<具体的な評価対象は以下の項目である>
学問上規範とする点
・コントロール実験がどうあるべきかの具体的な理解ができている
・データ解析の手法を複数種類、習得して活用している
・統計学的な手法の意味を理解し、実験データの処理に応用する習慣がある
・実験ノートを正確に残す習慣ができている
・仮説の設定が明確である。
・研究テーマの目標を充分吟味・検討している
・実験手法・実験機器の取扱に習熟している
・対照実験のデザインが正しく行われている
・テーマの解決後の展開について構想を持っている
・得られた実験データの解釈が客観的である
・実験室内の機器類に関して、トラブルシューティングも含め熟知した上で活用できている
研究室内での規範となる行動
・他の研究者・学生の研究技術に興味を持っている
・他の研究者・学生の研究について積極的な質問を行う習慣ができている
・研究上の討論に常に積極的に参加している
プレゼンターション等、研究内容の紹介の技術
・学問的な裏付けを正確に理解し紹介できる
・質疑応答に明確な表現で回答できる習慣になっている
・研究の社会的な貢献を念頭に置いて研究を進めている意識が高い
・教科書的な知識と、分野独特の深い知識を明確に区別してプレゼンテーションできている
・他の研究者・学生の発表・論文を客観的に評価する能力がある
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
PC上で解決するタイプのプログラム課題,数値計算課題,シミュレーション課題,考察課題を提供する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
指導担当教員が個別に指示する。
その他特記事項
留学など、一般的な履修形態と異なる場合、この科目の履修に当たっては、担当の教員と十分に相談すること。