シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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映像メディア論 | 2024 | 前期 | 金2 | 総合政策学部 | 山崎 恆成 | ヤマサキ ツネナリ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-ME2-0002
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
映像(テレビドラマ、映画)の表現は日々進化する言葉のようである。言葉であるから、そこには文法がある。文法に基づき(ときには文法に反して)新しい映像表現が世界中で次々と生まれている。この授業では、まるで外国語を学ぶように、映像表現の基礎文法を学び、さまざまな作品の意図を理解し、分析していく力を養っていくというものである。
日本および海外のテレビドラマや映画を見ながら、毎回さまざまな基礎的な文法を学び、表現のディテールを分析し、作家の意図を考察していく。
科目目的
映像にしろ絵画にしろ、別に理屈をつけなくても、ただ見て楽しければそれで良いという考え方もある。しかし、映像表現を理解したとたんに、それまで見えなかったものが忽然として見えてくるようになり、目を洗われる思いをするはずである。そして、その理解がストーリーの理解と相まって、映像作品のより深い分析と批評のベースになると考える。
到達目標
この授業では、映像表現の基礎文法を身につけ、映像の読解力、分析力を上げる。映像を見る眼をつくる。映像表現を読み解く技術を学ぶこと。
授業計画と内容
1、オリエンテーション(180度のルールという映像における文法)
2、光と色について①(キアロスクーロ(明暗法)と照明、映画「Parasite」における光と影)
3、光と色について②(映画「Verdigo(めまい)」「West Side Story」の色彩計画、色の心理的意味)
4、光と色について③(色の文化的意味、緑と赤の意味)
5、撮影①(フレーム、リーディングライン、ドラマ「新空港占拠」のアングル)
6、撮影②(ミザンセーヌ、黒澤明のブロッキング)
7、撮影③(レンズ、POV、ドラマ「MIU404」~塚原あゆ子演出~のカメラワーク)
8、映像における俳優の演技について(スタニスラフスキー、メソッド演技、舞台の演技との違い)
9、編集について①(時間と空間の連続性を保つということ)
10、編集について②(モンタージュ理論、「カールじいさんの空飛ぶ家」のモンタージュ)
11、音について(サウンドデザイン、Netflix「イカゲーム」の対位法)
12、メタファー、モチーフ、スタイルについて
13、脚本について(アリストテレス的構造とコンテクスト構造、ドラマ「不適切にもほどがある」「ブラッシュアップライフ」の構成)
14、総括・まとめ(美しいと思うものの共通項、映像の未来について)
※講師は1983年から現在までTBSテレビ・コンテンツ制作局で主にドラマ制作(渡る世間は鬼ばかり、金八先生など)に携わってきた。実際の撮影現場で起こるさまざまな出来事も紹介しながら授業を進めていきたい。
※教材によって順番が前後することがあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業でとりあげた映像作品(映画、ドラマ)を観て、それについてメモを取り、分析することが好ましい。同じ作品を2度以上観ることを推奨したい。一度目はストーリーを追い、二度目は映像表現に注目して観る。二度目には一度目に気が付かなかったことがわかるはずである。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 授業内容を正しく理解しているかどうか。 |
期末試験(到達度確認) | 20 | 授業内容を正しく理解しているかどうか。 |
レポート | 10 | こちらの指定した映像作品を実際に観てもらい、それについての分析を試みてもらいます。ただし、このレポートは期末試験の問題のひとつとして組み込み、試験時間内に書いてもらいます。 |
平常点 | 40 | リアクションペーパーの提出。80%以上の出席が必須条件です。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1983年から現在までTBSテレビ・コンテンツ制作局で主にドラマ制作(渡る世間は鬼ばかり、金八先生など)に携わってきた。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
実際の撮影現場で起こるさまざまな出来事も紹介しながら授業を進めていきたい。
テキスト・参考文献等
テキストとしては、プリント(PowerPoint)を用意する。
参考資料DVD(動画)として、①アメリカのテレビドラマ「The West Wing (ザ・ホワイトハウス)シーズン1」②日本のテレビドラマ「中学聖日記」「MIU404」「最愛」(塚原あゆ子演出)
※オリエンテーションの際に説明するが、「中学聖日記」の第一話には基本的な映像表現がつまっている。また、「The West Wing (ザ・ホワイトハウス)シーズン1」のエピソード3は、照明、演技、モチーフを考える上で参考になる。
参考文献
マイケル・ライアン、メリッサ・レノス(田畑暁生訳)『Film Analysis 映画分析入門』フィルムアート社、2014年
※わかりやすい入門書である。
秋田麻早子 『絵を見る技術』 朝日出版社
※映像を読み解くことは絵(美術)を読み解くことに通じる。この本はアプローチの参考になる。
谷崎潤一郎 『陰翳礼讃』(中公文庫など)
※日本人の明かりに対する感性、美の感覚を考える上で参考になる。