シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
有機化学3 | 2024 | 前期 | 火2 | 理工学部 | 福澤 信一 | フクザワ シンイチ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-BC3-6B16
履修条件・関連科目等
必修の有機化学科目を単位修得済みであること,および有機化学2を履修していること(単位修得は問いません)。有機化学およびこれに関連する研究を行っている研究室で卒業研究を行う予定の人は履修することが望ましい。有機化学系の研究室に大学院進学を希望している人は必ず履修すること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ケトンやアルデヒドのようなカルボニル化合物の反応は多彩で、有機反応の中で最も面白くエキサイティングで,これらを学んでこそ有機化学を学んだと言えます。カルボニル縮合反応は,カルボニル化合物の組み合わせが多様で,反応も多様なため,多様な有機化合物を合成していくためには有効な合成法です。カルボニル縮合反応はFriedel-Crafts反応と並ぶ実用的な炭素-炭素結合形成反応で,両者は化学工業で最も頻繁に用いられています。本講義では,先ずカルボン酸,カルボン酸誘導体,ケトン,アルデヒドなどのカルボニル化合物の反応性について,次いでアミンの合成と反応に関して講義し,医薬品などのファインケミカルズ合成に応用する合成計画の立て方についてトレーニングします。基礎の有機化学から社会に役立つ応用有機化学へのつながりに関して理解できることを目指します。
科目目的
有機化学の基礎原理に関して理解を深める。
卒業研究や大学院の研究に必要な基礎有機反応・合成化学に関する理解を深める。
卒業後,教養人として有機化学の果たしている社会的役割,人々の生活を豊かにしていることを啓蒙する。
到達目標
本講義では,先ず、カルボニル基やカルボキシ基によって分子にもたらされる性質と反応性,特に求核アシル置換反応、カルボニル化合物のα置換反応、カルボニル縮合反応を理解し,次いでアミンと窒素ヘテロ環化合物の合成と反応に関し理解し,これらの反応を利用したファインケミカルズの合成計画がたてれることを目的とします。
1. カルボン酸の酸性度と置換基効果に関して理解する。
2. 求核アシル置換反応を理解し,反応機構を描けること。
3. カルボニル化合物のエノール・エノラートが関与する一連の反応について、その反応機構を含めて理解すること。
4. カルボニル縮合反応の中で,教科書に記載の人名反応とその反応機構を描けること,および有機合成反応への応用ができる。
5. 有機系科目の総仕上げとして,すべての有機化学反応を利用して多段階のファインケミカルズ合成計画が立てれること。
6. 化学を専門としない職業に就いたときに,その社会で活かせる教養としての有機化学の知識を身につけること。
授業計画と内容
第1回 カルボン酸の酸性度とニトリルの合成と反応:Hammett則
第2回 カルボン酸の求核アシル置換反応:エステル化反応,還元反応
第3回 酸ハロゲン化物・酸無水物の求核アシル置換反応
第4回 エステル・アミドの加水分解反応と還元反応
第5回 ケトーエノール互変異性とエノラートの化学
第6回 ケトン・アルデヒド・カルボン酸のαーハロゲン化
第7回 α水素の酸性度とエノラートのアルキル化
第8回 アルデヒド・ケトンのアルドール縮合反応
第9回 エステルの縮合および関連の反応
第10回 Michael付加反応,Robinson環化反応
第11回 エナミンの化学:Storkのエナミン反応,Mannich反応
第12回 アミンの合成と反応
第13回 Woodward-Hofmann則とフロンティア軌道法
第14回 分子軌道と有機反応
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義のスライドはほとんど教科書に記載してありますので,教科書をよく読み,予習の段階でハンドアウトの空白分は埋めておくと講義に集中できます。スライドの内容を写すよりも,講義を聴くことに集中して下さい。 講義中の宿題は全て自ら解答するように心がけてください。解答が難しい問題や質問がある場合は,オフィスアワーに相談に来てください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 100 | 学年試験の内容は,ニトリル・カルボン酸,カルボン酸誘導体,カルボニルαー置換反応,カルボニル縮合反応,アミン,分子軌道と有機反応から均等に出題する。各項目ごとの正解率が60%以上を合格基準とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
各項目ごと,すなわち「ニトリル・カルボン酸,カルボン酸誘導体,カルボニルαー置換反応,カルボニル縮合反応,アミン,分子軌道と有機反応」,それぞれの理解度(到達度)が60%以上を合格の基準とする(すべての項目に関して到達度60%以上)。全く理解できていない項目が複数ある場合は不合格となる。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:マクマリー著, 伊東・児玉ら訳「マクマリー有機化学 第9版 上・中・下」(東京化学同人)有機化学(必修・選択必修)の講義で共通
参考書:S. McMurry著, 「マクマリー有機化学 問題の解き方(第9版) 英語版」(東京化学同人)
その他特記事項
参考URL
https://sites.google.com/view/gousei2026