シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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生物無機化学 | 2024 | 後期 | 水2 | 理工学部 | 小松 晃之 | コマツ テルユキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-AC3-6C06
履修条件・関連科目等
これまでに学習した生化学、無機化学、物理化学の内容を再確認しておくこと。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
人間の体は60~70%が水であることは知られている。では残りは? そのほとんどがタンパク質である。体内には約10万種類のタンパク質が存在し、それぞれがきわめて効率の高い反応を行っている。タンパク質の半分は金属イオンを含む「金属タンパク質」である。つまり、金属タンパク質の構造と機能の解析は、生命現象の理解に直結する。遺伝子組換え技術を使えば、自然界には存在しない新しいタンパク質も合成できる。それらの人工タンパク質は基礎化学はもちろん、バイオテクノロジーや人類の健康・医療に大きな貢献をもたらしている。本講義の前半では、タンパク質の特性、分離精製、同定、構造をしっかりと学ぶ。後半では、金属タンパク質、酵素、電子伝達タンパク質、酸化還元タンパク質などを例にとり、その構造と機能発現の詳細を理解する。
科目目的
本講義は、履修者がタンパク質や金属タンパク質の特性、分離精製、構造、機能に関する基礎知識を習得することにより、身の回りの生命現象、生化学反応、バイオテクノロジー、さらには医療技術を理解、説明できる能力を身につけることを目的としている。
到達目標
本講義は、タンパク質や金属タンパク質に見られる構造と機能の相関を生命分子化学的、無機化学的な側面から理解することを目標とする。具体的な到達目標は 以下のとおりである。
・タンパク質の構造を分子レベルで説明できるようになる。
・タンパク質の分離・精製方法を提案・説明できるようになる。
・タンパク質の純度、分子量の測定方法を提案・説明できるようになる。
・タンパク質の構造解析方法を提案・説明できるようになる。
・タンパク質の機能のいくつかを分子レベルで説明できるようになる。
・酵素反応を解析できるようになる。
授業計画と内容
第1回 生物無機化学入門、タンパク質の構造と機能
第2回 タンパク質の物理化学的性質
第3回 タンパク質の性質に基づく分離精製法
第4回 タンパク質分離精製の実際
第5回 タンパク質溶液の定量法と同定法
第6回 タンパク質溶液の純度
第7回 タンパク質の分子量
第8回 宇宙空間におけるタンパク質の結晶化とX線結晶構造解析
第9回 酵素反応と速度論
第10回 タンパク質の半数を占める金属タンパク質
第11回 ヘムタンパク質の化学(ヘモグロビン、ヘム酵素)
第12回 金属タンパク質の分光学
第13回 生体エネルギーの基礎
第14回 到達度確認と解説
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各回の予定内容について、講義前に教科書をよく読んでおく。復習には時間をかけ、講義の中で行う演習問題については再度確認しておく。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 上記到達目標に達しているかの評価を行う。60%以上の正答を要する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:生物物理化学 朝倉則行、他著(化学同人) 3,600円
参考書:シュライバー・アトキンス 無機化学(下)第6版(東京化学同人)6,500円
その他特記事項
中学校及び高等学校一種免許状(理科)の教員免許の取得において、本科目は2017年度以前入学生の選択科目の一つである。