シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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深層学習 | 2024 | 後期 | 木1 | 理工学部 | 樋口 知之 | ヒグチ トモユキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-AI3-7B14
履修条件・関連科目等
数理面:
大学における基礎数学(特に、微分の連鎖率と偏微分、行列)、統計学(特に、ロジスティック回帰)を理解していること。
プログラミング力:
プログラミングの基礎的概念(変数の型、関数宣言、制御構文など)などのコンピュータ言語のPython(パイソン)の基礎スキルが必要。初回に50分程度のPythonに関するテストをマナバの小テスト機能を使って実施します。履修を考えている学生は必ず受けること。結果は成績にも反映します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
人工知能ブームは、2012年の深層学習(深層ニューラルネット)が、画像からの一般物体認識にかかわるコンペで、それまでとは桁違いの性能を示した時期から始まった。技術が提案されてたった10年少ししかたっていないにもかかわらず、画像、音声、自然言語(テキスト)の主要三分野の処理においては、それまでの技術を圧倒している。深層学習は、適用されるデータや使用目的によって、適したネットワークの構造が決まる。講義の前半では、深層学習の原始的形態であるニューラルネットワークに関わる基礎数理を概説する。特に、誤差伝搬法や確率的勾配降下法による、パラメータ学習法の数理的側面を解説する。深層学習のプログラミングはほとんどPythonで書かれているため、コンピュータでパイソンによるプログラムを実装する。後半では、Pythonの深層学習のフレームワークの1つであるTensorFlow(テンソルフロー)によって、主要三分野の内、画像、自然言語で利用されている深層ニューラルネットワークの構造や、適用場面および成功事例、計算プラットフォームの紹介も行う。
科目目的
前期に開講する「機械学習基礎論」で取り扱わなかった、機械学習の重要な手法であるニューラルネットワークの基礎と基本的な応用を習得することを目的とする。ニューラルネットワークの機械学習、さらには人工知能での位置づけを学ぶ。ニューラルネットワークの枠組み、および内在するパラメータ学習則の数理を理解する。さらに、用途場面に応じてどのような構造の深層ニューラルネットワークが適しているのかを知る。あわせて、プログラミング技術として、Google ColaborarotyやTensorFlowの使い方を習得する。
到達目標
以下を到達目標とする。
・ニューラルネットワークの機械学習での位置づけおよび、その数理的な枠組みが説明できる。
・パラメータ学習則の主軸である、フォワード計算とバックプロパゲーションについて説明できる。
・Google Colaboraroyの機能をおおよそ使いこなせる。
・TensorFlowなどの代表的なパッケージの利用ができる。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーションとPythonの習得に関する確認
第2回 AIと機械学習の概説
第3回 深層学習の数理・技術上の概説
第4回 深層学習の社会実装とその課題
第5回 深層学習の基礎となる数学
第6回 SoftMax関数と損失関数(交差エントロピー)
第7回 フォワード計算(一部実習)
第8回 バックプロパゲーション(一部実習)
第9回 勾配法(一部実習)
第10回 いろいろな演算 : Dropout、正則化、正規化、重みの初期化(一部実習)
第11回 多層パーセプトロン: 回帰と分類およびハイパラチューニング(一部実習)
第12回 画像 : CNN(畳み込みニューラルネットワーク)、転移学習とファインチューニング(一部実習)
第13回 自然言語 : 再帰型ニューラルネットワーク (RNN, LSTM)、トランスフォーマ(一部実習)
第14回 データ生成 : オートエンコーダ、GAN (敵対的生成ネットワーク)(一部実習)
◎ 以上は目安である。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・ほぼ毎回、小テストを行うため、教科書および配布資料を用いて復習すること。数式展開が多いので、アルゴリズムについては特に復習すること。
・授業内ではPythonの実習を行う。授業内で理解できなかったPythonの使い方は、復習することで次の時間までに自己解消しておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 30 | 授業への参加、受講態度(授業内での課題への取り組みやアンケート回答への姿勢)の状況を基準とする。 |
その他 | 70 | 毎回小テストを行う。(1)初回: Pythonの基礎知識の確認(2)2~14回:前回の講義内容の基礎知識が習得できているかどうかを評価 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席率が70%に満たない者はE判定とする。期末試験の未受験者はE判定とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
プログラミング演習
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:
(1)伊藤真 著、Pythonで動かして学ぶ!あたらしい機械学習の教科書 第3版、翔泳社、2022、ISBN: 978-4798171494
Python の復習をかねて、統計学をしっかりと学び直したい人は、同著者による以下の書籍で自学自習することをすすめる。
伊藤真 著、Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書、翔泳社、2018、ISBN: 978-4798155067
参考書:
(1)第9~12回の実装で使用予定
齊藤 康毅 著、 ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装、オライリージャパン、2016、ISBN: 978-4873117584
※工学系学部を中心によく読まれている教科書。
(2)第13回の実装で使用予定
齊藤 康毅 著、 ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装❷ ―自然言語処理編、 オライリージャパン、2018、ISBM: 978-4-87311-836-9
その他特記事項
参考URL
https://researchmap.jp/matrix/